カクレクマノミの混泳について!他の魚と同居させるための基礎
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カクレクマノミと他の海水魚を一緒に買う場合、混泳について解説します。
基本的な性格や大きさによる性格から、相性の良い海水魚、水槽サイズについて色々と考察しています。
カクレクマノミを混泳させる際の基本的な考え方の参考になれば幸いです。
カクレクマノミの基本的な性格
カクレクマノミは混泳に向いた海水魚のひとつです。
しかしカクレクマノミは性格が荒いとされるスズメダイの仲間に属しており、温和とも言えず新参者を追い回して殺してしまうことも結構あります。
混泳のためにはまずカクレクマノミの性格を知るところからです。
テリトリー意識について
カクレクマノミはイソギンチャクを根城として活動しており、縄張りを持つ海水魚です。
そのため他の海水魚が縄張りに近づいてきたら攻撃するのがセオリーです。
水槽内では岩場の近くやひらけたエリアを縄張りとすることが多く、狭い水槽では水槽内全てがテリトリーになってしまうことも。
イソギンチャクを入れるとテリトリー意識が強くなる
またイソギンチャクが入っていない場合はテリトリー意識が弱く、他の魚に対する攻撃性は低くなります。
カクレクマノミからすれば縄張り持たず、なんとなく住み着いているという感じでしょうか。
そこにイソギンチャクを入れると完全に縄張りとして出来上がりますので、「このスペースは俺のモン!!」という性質が強くなってしまいます。
ただ前置きというか条件があるんダ・・・。
大きくなるにつれ性格は荒くなる
カクレクマノミが小さいうちは縄張りを持ちません。
具体的には4cmぐらいまでは住居に近づいた魚に対して隠れるような動作をしますが、5cm以上になれば少しずつ縄張り意識が芽生え大きくなるにつれ他の魚を攻撃するようになります。
つまり4cm未満のカクレクマノミは混泳させるのがとても簡単で比較的どの魚とも混泳させることができます。
しかし5cm以上のカクレクマノミは縄張り意識があるため小型水槽であれば水槽丸々テリトリーとなってしまうので、混泳に対するハードルは高くなってしまいます。
カクレクマノミに近い海水魚を喧嘩する
海水魚は自分と近い種類の魚に対する攻撃性が強いものが多く、カクレクマノミもその性質を持っています。
同じスズメダイのグループは追い回しますし、特にクマノミ同士の混泳は大きな水槽でないと不可能です。
泳ぐ場所が同じプテラポゴンとデバスズメダイですが、デバスズメのほうが圧倒的に攻撃対象になりやすいのです。
カクレクマノミ同士の混泳について
同じカクレクマノミだからといって攻撃しないわけではありません。
自分の縄張りを脅かすと判断した場合は同じカクレクマノミだったとしても攻撃対象です。
カクレクマノミ同士がうまくいくのは片方がボスに従属する場合です。
ボスが攻撃しようとした時に体をブルブル震わせて従属の表明をします。
今まで群れのボスで無かったカクレクマノミ、小さなカクレクマノミは複数匹でも協調性があり、ケンカすることは少ないでしょう。
逆にショップでボス化した元気な個体をお迎えする場合はボスの座をかけて争うことがあります。
将来を見越すとカクレクマノミは2匹が良い
カクレクマノミは群れの中で一番大きな個体がメスとなる性質を持っており、メスと仲の良い個体は自然とオスになります。
つまり複数匹飼っていると自然とペアになりやすいということです。
ペアになると他のカクレクマノミ達をイソギンチャクおよび縄張りから除け者にしようとします。
この時完全に従う様子を見せればよいのですがペアから気に入らないと判断された場合は追い出されてしまうことがあります。
追い出された場合は放置しておくと危険ですので取り出すか諦めることになります。
そのためカクレクマノミを複数匹入れる場合は2匹までが安全です。
性格を考えてポイントを抑えれば混泳は簡単だヨ!
カクレクマノミと相性の良い海水魚とは?
性格を踏まえるとカクレクマノミと混泳が適したタイプは「カクレクマノミに近い海水魚ではないこと」と、「ケンカをふっかけても勝てないような体格差のある海水魚」です。
カクレクマノミと近い海水魚ではないこと
姿形が大きく違っているものはカクレクマノミから攻撃対象になりにくく混泳に向いています。
先程例にもあげましたがデバスズメダイとプテラポゴン・カウデルニィを成長したカクレクマノミと一緒に入れた場合、デバスズメの方が追い回され、プテラポゴン・カウデルニィにいたっては平和な一日を過ごしています。
その他にもプテラポゴンと同じ仲間であるマンジュウイシモチや、クダゴンベ、ベラの仲間(ニセモチノウオ、イエローコリス)などカクレクマノミとは遠い種類の海水魚はカクレクマノミから攻撃されることは少ないでしょう。
食性が異なっていると全く干渉されない
さらに植物性が強いグループはカクレクマノミから全く興味を持たず、より安全に混泳させることができます。
そのグループはずばり「ギンポ・ブレニー類」です。
岩場の海藻を食べている海水魚たちでその食性と独特のシルエットからカクレクマノミから全く相手にされません。
ギンポ・ブレニー類は「テールスポットブレニー」、「ツースポットブレニー」、「インドカエルウオ」やコケ取りで有名な「ヤエヤマギンポ」もこのグループです。
カクレクマノミと相性が良い上に水槽に生えたコケも食べてくれるため混泳には最適な海水魚たちです。
性格が荒い子でもうまくいきやすいし、水槽に生えたコケを掃除してくれるヨ!
大きく温和な海水魚
カクレクマノミがケンカをふっかけても敵わないと思うほど体格差が大きい海水魚は流石にちょっかいをかけません。
逆に大きく性格がキツいものはカクレクマノミをいじめますので、温和な海水魚であることが求められます。
体高があるヤッコ類、ハギ類(ニザダイ除く)、アイゴ類などは温和な海水魚が多くカクレクマノミと混泳させることができます。
種類で言えばヤッコ類はルリヤッコ、フレームエンゼル、チリメンヤッコ、シマヤッコ、ソメワケヤッコなどがあげられ、ハギ類はキイロハギやコーレタン、ゴマハギ。
アイゴ類はヒフキアイゴが代表的です。
これらの海水魚はカクレクマノミと相性が良い海水魚達です。
水槽サイズについて
先述した通りカクレクマノミには縄張りがありますので、水槽の各サイズごとにカクレクマノミの混泳についてできることを解説していきます。
30cm水槽
30cm水槽では水槽が小さいため縄張りを持ってしまうサイズ(5cm以上)の場合は水槽全体が縄張りになってしまいます。
そのため30cm水槽の場合はカクレクマノミに近いスズメダイ類とは混泳できません。
できないことはないんですが成長により破錠します。
水槽サイズも小さいためにカクレクマノミが2匹とすると他は1~2匹までですね。
大きい魚を入れれないことを考慮すると30cm水槽でオススメなのはハタタテハゼネジンボウ・ギンガハゼなどの共生ハゼかクダゴンベ、ニセモチノウオあたりが愛嬌あるマスコットになります。
小型ギンポ・ブレニー類であるイシガキカエルウオ(スマイリーブレニー)、テールスポットブレニーはコケ取りも兼ねてくれるのでオススメ。
コケ取り能力として見るとイシガキカエルウオが良いです。
水槽前面が寂しい場合はプテラポゴン・カウデルニー、マンジュウイシモチがオススメです。
広い空間に出てきて泳ぐ海水魚達です。
45cm水槽
45cm水槽までいくと30cm水槽で混泳出来る種類に加えて、ハギや小型ヤッコ類など少し大きくなる海水魚が飼えるようになります。
カクレクマノミ2匹とするとヤッコ・ハギ類を1匹、その他を1~2匹ぐらいまでとすれば楽しそうですね。
ハギ・ヤッコ類は水槽の主役になりうる目立って綺麗な海水魚が多いため水槽が華やかになります。
45cmという大きさがあっても5cmほどのカクレクマノミですら8割ほど縄張りエリアとするため、同じスズメダイのグループとの衝突は避けられません。
彼らはとても魅力ある海水魚だヨ!
60cm水槽
60cm水槽クラスでやっと小型スズメダイと混泳することができます。
ライブロック、隠れ家スペースを左右で分けてそれぞれ縄張りが作れるようにすることで何とか混泳可能です。
温和なデバスズメダイも成長したカクレクマノミと混泳する場合はこれぐらいのサイズがあったほうが安全です。
カクレクマノミ2匹とするとヤッコ・ハギ類を1匹、その他を3~4匹ぐらいまで入れることができます。
もちろんヤッコ・ハギ類を2匹にしても問題ありません。
※同種同士のケンカに注意
60cmまでいくと縄張りを分けることができるので綺麗な小型スズメダイと一緒に飼えるようになり、混泳出来る魚の数はグッと増えます。
あれもこれもと考えると60cmになっちゃうよネ!
60cm水槽でもクマノミ同士は混泳不可
ここまできても同じクマノミの仲間との混泳はできません。
90cmは最低でも必要だと思います。
まとめ、個人的な所感
カクレクマノミを混泳させる時のポイントを箇条書きでまとめますネ。
- 4cm以下だとケンカしないが、5cm以上になると縄張りを持つためケンカするようになる
- カクレクマノミに近いスズメダイのグループは混泳には不向き
- 同じクマノミ同士の混泳は不可
- 同じカクレクマノミでも2匹までに抑えるほうが将来的な失敗が少ない
- カクレクマノミとは全く異なるグループの魚が混泳に適している
- 水槽が小さいと水槽全体が縄張りになってしまうため、大きい水槽の方が混泳させやすい
- 30cm水槽なら2匹ペアと他1匹ぐらい
色々と書いてきましたが4cm以下のカクレクマノミだと縄張りを持たず温和な性格をしているので比較的どんな魚とも混泳させることができます。
ショップで並んでいるのは2~3cmの小さなサイズが多いですし、1年経っても1cmぐらいしか大きくならない場合も多く、このようなことを気にする必要も無いのかもしれません。
ですがカクレクマノミと長いお付き合いを目指し、年単位での長期飼育を見越して混泳魚を選んであげて欲しいとは思います!
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