熱帯魚、金魚水槽における活性炭の効果と使い方!
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金魚や熱帯魚の水槽では活性炭が昔から使用されてきました。
正しく使えば非常に効果的ですが間違った使い方も多く、結構クセのある飼育用品。
活性炭の正しい効果と使い方、そして間違った認識について解説していきます。
主な効果
活性炭は黄ばみ(アク)・臭いを取り除く効果があります。
特に効果的なのが流木から出る黄ばみ(アク)の除去です。
臭いは正しい環境で飼育していればほぼ発生しませんが黄ばみは正しい環境で飼育していても流木を使っている限り出ます。
流木は通常、使い始めから半年ぐらいは木のエキスが水中に溶け出して水を茶色っぽくしてしまうデメリットがあります。
活性炭を使うことで黄ばみを吸着し、透明な水にすることができるのです。
汚れ、アンモニアは取れない
水が汚れるというのは排泄物から出るアンモニアという毒素が本質です。
詳しい理論は割愛しますが、アンモニアが発生するため水を換えて毒素を薄めるのが水換えの役割。
詳しくはコチラ:水槽の水を綺麗に保つ仕組み。アクアリウムの基本を学ぼう。
熱帯魚、金魚飼育では古くから活性炭がアンモニアを吸着すると考えられていましたが、活性炭はアンモニアを吸着しません。
これは大手観賞魚用品販売会社も吸着しないと断言しており、明確な事実です。
活性炭は空気中のアンモニアは吸着するものの、 水中に溶けたアンモニアや亜硝酸、硝酸を吸着することはほとんどないのです。
セット初期にこそ使うというのは間違い
水槽のセット時にはバクテリアが少なくアンモニアを処理することができないため、活性炭に吸着させた方が良いと言われることがありました。
私個人もセット時にそういうものだと何となく活性炭を使っていた時がありますが、アンモニアを吸着するのは間違いのため意味が無いことでした。
水換え頻度を伸ばしたりする効果は無い
活性炭が吸着するのは水になじみにくい物質のため、アンモニアがバクテリアによって変化した亜硝酸、硝酸も吸着することは無いでしょう。
ようするに活性炭を使ったからといって水換え頻度が少なくなったり、水換えが不要になったりすることはありません。
使い方
活性炭の使い方はとても簡単です。
端的に言えば軽く洗って、フィルターに組み込めばOKです。
水でまず洗浄を行う
購入したばかりの活性炭はすす汚れがあるため、軽く洗います。
洗うのは蛇口の水を出してすすぎ洗いをするか、バケツに水を張ってジャブジャブと隙間の粉を落とす程度でOKです。
もんだりガシャガシャやってあらうと形が崩れて粉々になってしまうので避けて下さい。
洗わなくてもOKと書いている場合でも、スレて粉ができてることがあるので水を通しておくのがオススメです。
フィルターにセット
軽く洗ったらフィルターにセットするのが一般的な使い方です。
上部式フィルターならマットの下、外部式フィルターならマットより後が理想です。
外掛けフィルターにスペースがあれば入れるのも良いでしょう。
使用期限
活性炭は化学的に吸着するため、吸着量には限度があり定期的な交換が必要になります。
製品にもよりますが平均1~2ヶ月くらいが交換の目安です。
使用期限を過ぎると?
使用期限が無くなると単純に吸着しなくなります。
吸着したものを放出することはありません。
また活性炭は、時間がたつと“一度吸着した汚れを放出する”といわれる事もありますがこれも誤解です。疎水的な有機物が、同じく疎水的な活性炭表面に引き寄せられ、活性炭表面の官能基と発熱しながら化学結合します。少なくとも「ひかりウエーブ ブラックホール」 (及び「ひかりウエーブ カーボンパック」)は、通常の観賞魚飼育において、一度吸着した物質を二度と水中に放出することはありません。
注意点
活性炭は黄ばみや臭いなどを吸着しますが、同時に薬品類も吸着してしまう効果があります。
そのため魚の治療薬や、コケ防止の薬品などを使用する場合は活性炭の使用を避けましょう。
水槽に直接、そのまま入れても良い?
投げ込み式、外掛け式など小さなフィルターを使用している場合はフィルターに組み込むことができません。
その場合は水槽内に直接入れて使用しても効果があります。
ただし活性炭を通る水の量は少なくなるため、フィルターに設置した場合と比べて効果は下がってしまいます。
フィルターの吸水口の近くや、排出口の先など水の流れが多い場所に置くと良いでしょう。
外掛け式フィルターに丸ごと入れると良い
外掛け式フィルターを利用する方法もあります。
付属してある専用ろ材を外して、変わりに活性炭をフィルター内に入れます。
こうすることで活性炭に水が循環するので効果的に活性炭を使うことが可能になります。
水槽内に直置きすることで見た目が悪くなるデメリットも無くなります。
外部式濾過を使っている場合でも活性炭は外掛け式フィルターに入れることで交換が簡単になるというメリットもあります。
まとめ、個人的な所感
活性炭について箇条書きでまとめます。
- 活性炭の効果は「黄ばみ」と「臭い」の除去
- 特に流木から出る黄ばみ(アク)には効果的
- 汚れ(アンモニア・亜硝酸・硝酸)は吸着しない
- 吸着しきると吸着効果が無くなるので取り換える
- 薬品類も吸着するので、治療などしている場合は使用を避ける
汚れを吸着する効果が無いとは言え、黄ばみ・臭いは吸着します。
ただし使用期限があるので注意ってところですね。
フィルターに活性炭はあったほうが良い?
活性炭は多くのフィルター製品で取り入れられており、活性炭ナシと活性炭アリだと迷ってしまいます。
個人的には購入を左右するほどのものでなく、あっても良いけど無くても良い。
ただ値段が上がるからナシのものを買うって感じですね。
初心者には臭いの吸着が効果的な場合がありますが、そもそも正しい環境で飼育している場合は臭いがでないんです。
しかし活性炭で臭いを吸着してしまうと正しく飼っているのか分からず、いわば臭いものにフタをしただけの状態。
臭いが出てれば飼育環境に問題があると察知できますが、消してると分からなくなってしまいます。
それに交換だって必要で、ランニングコストもかかってしまいますし。
私個人、フィルターの濾材は基本的に交換していません。
(本当にボロボロになって使いようが無くなった時を除く)
もしかしたら「セット時には活性炭が必要!」、「活性炭はフィルターに必要!」、「濾材は定期的に交換する!」っていうのはメーカー側のすり込みによるものなのかもしれませんね。
ただし流木を使っている場合は明確に活性炭が有効です。
評判が良いのはキョーリンのブラックホールですね。
流木の黄ばみにお困りの場合は活性炭を使ってみるのがオススメです。
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この記事へのコメント
外掛け式のワンタッチフィルターを定期的にシャワーで洗って、繰り返し使っています。
活性炭の効果の期限無視して、フィルター効果が薄れて水が溢れ出すと新品フィルターに交換してました。お説によれば問題なさそうですね。