丈夫な水草を使ったCO2・ソイル無しの石組レイアウト制作ノート!
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水草水槽だとソイル+CO2添加が鉄板。
今回のレイアウトではそのどちらも使わずに綺麗な水草レイアウトを目指して作ってみました。
その作り方や制作過程をまとめた水草レイアウトの制作ノートです。
使用した主なアイテム
45cm水槽
今回は45cmレギュラー水槽を使っています。
レギュラーといえば横45cm✕奥30cm✕高さ30cmですが、実際に使っているモノは高さが36cmと高めのハイタイプ。
というのも地震きた時に備えて水位を下げて使っているので実質45レギュラーです(◞‸◟)
外部式フィルター
外部式フィルターの「テトラ VX-75」をチョイス。
二酸化炭素の添加を使わないから上部式でも良いのでは??と思うトコロですが、水槽上部を半分占めるのでライトを効率よく使えないのと、後からライト2台構成や状況に応じて二酸化炭素添加にも切り換えれるので避けました。
それに上部式は魚を多く泳がせると濾過不足から病気に繋がりやすいので、そういう意味でもレイアウト水槽には外部式フィルターの方が相性が良いです。
関連テトラの外部式フィルター「VX-75」レビュー。競合製品との比較など
照明
水草の成長は「光」と「二酸化炭素」による光合成が基本なのでその光を生み出す照明装置はとても重要です。
今回は「GEXのクリアLEDパワーⅢ」を1台使用しました。
安価ながらそこそこの光量と及第点のスペクトルで定番のLEDモデルです。
ロタラなど光量の強い水草には力不足ですが、あまり光量を必要としない水草に絞っています。(後述)
関連定番ライト!GEX「クリアLEDパワーⅢ」レビュー!見え方や水草育成など!
石
今回レイアウトの要となるのが石。
熱帯魚用ショップでレイアウト用の石として売られていたものですが、「龍王石」とか「青華石」あたりだと思います。
その辺の石でも良いような気がしますが、レイアウト用は綺麗で置くだけでも様になりますし、その辺の石だと何が付いているのかわからないので市販されているのがオススメ。
(それに今の時代窃盗罪に当たる場合も(◞‸◟))
メインとなる大きな石を中心にその周りをデコれるように中ぐらいのを複数揃えましょう。
水槽のセット・立ち上げ
水槽の設置
まずはともあれ水槽を置きます。
丈夫なラックなどの上でも良いのですが水槽台がしっかりしていてベター。
また水槽の設置場所は陽が当たらない場所にしましょう。
水草のため陽が当たったほうが良いと思いがちですが、陽があたると温度が急上昇して魚がボロボロ死んでしまいます。
(人間もそうですが生き物は温度変化に弱い!)
フィルターのセット
次にフィルターをセットしていきます。
外部式フィルターというと設置が大変のように思いますが、洗ってホースをセットするだけなので特に難しいことはありません。
(取説通りです)
砂利を敷く
フィルターをセットしたら底床材である砂利を敷きます。
今回使用したのは「ADA ラプラタサンド(LA PLATA SAND)」。
コリドラスという底棲のナマズも入れたいと思っているので、粒が細かくて水質を大きく傾けない砂利ということでチョイス。
ADA製品は店頭でしか売ってない(通販禁止)のがネックですが、明るい色味で気に入っています。
色味は異なりますが、「ボトムサンド」とか「田砂」も粒が小さくて水質を傾けないのでオススメです。
砂利はあらかじめバケツなどでよく洗って濁りを”ある程度”落としておきます。
ある程度、というのは砂同士が擦れるとどうしても削れて粉が出てしまうため、透明になるまでゴシゴシ洗うと永遠に洗い続けることになります。
まぁまぁ汚れが出なくなったら水槽に投入していきましょう。
石をレイアウト
あとは石を使って「あーでもないこーでもない」と構図を考えます。
石は水槽にぶつけると割れることもありますので取扱いは慎重に(=゚ω゚)ノ。
作業しにくかったら水を入れてやるのも手ですね。
最終的には以下の感じになりました。
砂を掘るコリドラスを複数匹泳がせたいので右側に広く空間を取るレイアウトに。
レイアウトテクニックとして手前に大きい石を置いて遠近感を出すのと、左奥を中心に放射線状の流れを意識しつつ石を置いてそれっぽくしています。
理論はどうあれ「おっいいんじゃない??」っていう感性が大事ですね。
石組系の詳しいテクは以下の記事でまとめてます。
関連綺麗な石組レイアウトを作るための6つのレイアウトテクニック
あと細かい小技になりますが、作った斜面が崩れにくいように平べったい小石を要所要所に刺しています。
こうすることで石が歯止めになるので、何も入れないよりかは斜面が崩れにくくなります。
水草の植栽
後は水草をピンセットや手で植えていきます。
今回植栽する水草は以下のものをチョイスしました。。
- (ニュー)パールグラス
- ストロギネ・レペンス
- クリプトコリネ・ウェンティ
今回の味噌はなんと言っても「(ニュー)パールグラス」。
パールグラスは光量をそこまで必要とせず、水質の適応範囲も広い上、葉が小さく綺麗に育つ水草です。
(しかもトリミングにも強い)
「育成が簡単で丈夫」と言われる水草はただ伸びるだけで、悪い環境だと密度がカスカスだったりと「綺麗に育つワケではない」ことが大体でレイアウトに使いにくいんです。
例えば以下の水草水槽はレイアウトは60cmもある大きな水槽なのですが小さく窮屈に見えませんか?
いずれも初心者にオススメの丈夫な水草たちを植えていますが、どれも葉が大きく密度がスカスカで水槽を小さく見せてしまいます。
その点葉の小さなパールグラスはある程度の光量さえ確保すれば簡単にこんもりとした茂みを作ることができるので水草レイアウトを始めたい初心者には超オススメ。
(初心者で綺麗な水草水槽を作るならコレが一番だと思います。)
また成長も早いのでバンバンパールグラスを育ててコケの抑制も抑えようと考えています。
そのほかパールグラスだけでは寂しいと思ったので、前景草として「ストロギネ・レペンス」。
根が張ればジワジワ大きくなっていきレイアウトの中心になる「クリプトコリネ・ウェンティ ブラウン」をチョイスしました。
いずれもCO2無し・ソイル無しでも育つと言われる水草を選んでいます。
その分使える水草は限られてくるから大丈夫で綺麗に育ちやすいモノを選んだヨ!
植栽の様子
パールグラスは3本ぐらいにまとめてピンセットで挿していきます。
最初はどうしてもスカスカになると思いますが、パールグラスは環境に適当すればすぐに増えるのでカスカスでもOK。
カットしても芽が出るので、カットした残りを再度砂に植えていけばどんどん増えていくことになります。
クリプトコリネはPOT売りのモノを使ったので適当に分けて使いやすいサイズを植えています。
最終的にはこんな感じに。
水を入れて各種器具をスイッチオン
後は水を入れてフィルターのスイッチを入れ、水の循環を開始させます。
照明器具も点灯させはじめましょう。
一般的には1日照明8~10時間だと言われますが水草が本調子じゃないのに8時間で点灯しちゃうとコケのほうが伸びてくるので最初は抑え気味にします。
水草が増えてくるまでは4時間点灯にしていますが、伸びてくれば4時間→6時間→7時間→8時間にしてもOKです。
この時気をつけてほしいのが点灯する時間と消灯する時間は必ず決まった時間にON/OFFすること。
実は水草にも人間と同じように起きる・寝るの体内サイクルがあり、照明・消灯するタイミングが滅茶苦茶だと調子を崩してしまったりします。
毎日決まった時間にON/OFFできればよいのですが、できる人は限られてきますしメンテナンスフリーな24時間タイマーがオススメ。
私は↑こういうヤツを照明器具に接続して使っていますが使いさえできれば何でも良いです。
水槽は最初は白く濁ったままだと思いますが1日~2日も経てばクリアな水に落ち着きます。
後は「植物が根を張って成長→カットしてカットしたものを植えてボリュームアップ」これを繰り返すことにより綺麗な水草レイアウトに近づけていきます!
補足ですが液肥や追肥類は使いません。
(無くても育つ水草たちで、使ってもコケが生えるリスクのほうが大きいため)
育成の様子
2週間後
早速ですが、中央左のメイン石に迫力がなかったのでより大きいのに変えました。
やっぱりメイン石は大きいほうがダイナミックで迫力があって良いと思います。
コケが出現
2週間も経ってくるとコケが目立ってくるようになります。
美観が気になるトコロですがパールグラスも伸びているのでこのまま放置して様子を見ています。
というのも今生えているコケは駆除が簡単なコケ(アオミドロと茶苔)であって、これを除去してしまうと駆除が厄介なコケ(黒ヒゲなど)が生えてくる可能性があるからです。
1つのコケが繁茂している際はそのコケにより水草が使い切れないコケを吸い尽くしてくれたり他のコケが生える場所を覆ってくれるので、その他のコケが生えにくくなるんです。
今生えているコケはエビを入れると簡単に無くなるのですが、駆除すると厄介なコケが勢力を伸ばしてくる可能性があるため水草が伸び切るまでは放置気味でいきたいと思います。
魚はいつ入れて良い?
また「魚はいつ入れてもいいの?」も気になるポイントですが、少しずつであれば水が透明になったあたりぐらいから入れても特に問題はないです。
このレイアウトでは立ち上げから一週間過ぎたぐらいに3匹のソードテールをお迎えし、2週間後ぐらいにカージナルテトラを5匹迎えています。
(あと別水槽で追いやられたサイアミーズフライングフォックスが1匹いてます)
立ち上げた最初の方は濾過装置がまだ本調子じゃないため、最初から多く入れてしまうと病気が蔓延しちゃったりします。
未だ水草も伸び切っていませんしコケ抑止のためにエサも控えめにしたいので、魚を入れる場合は控え気味にしましょう。
1ヶ月後
1ヶ月ぐらいでパールグラスが水槽に適当してグイグイ伸びてくる時期だと思います。
コケも同時にグイグイ伸びていますが水草が成長しているので相変わらずこのまま放置で。
また3~4週間ぐらいで一度水換えを行っています。
魚も少ないため水換えする必要はないんじゃない?と思いがちですが、実は水道水には水草の成長に有用な栄養分が含まれているで、それを補充する目的で行います。
水換えの様子
水槽用に売られている水換えホースとバケツを使えば水換えをサッと行えます。
水換えする量ですがこの水槽なら半分ぐらい換えてしまいますね。
中に入っているのは丈夫な魚たちなので多めに換えてもOKです。ただし水温だけは大体で良いので合わせて下さい。
(あと当然ながらカルキ抜きも)
新しい水と水槽の水に手を入れてみて大きく違うなと感じる場合はNG!魚が瀕死になります
前面ガラスは鑑賞に直結するので、メラミンスポンジでコケを落としていますがソレ以外はコケは放置。
(放置したら余分な栄養吸ってくれるので!)
水換え頻度ですが2週間~3週間に一度くらいでOKです。
考え方としては短ければ短いほど栄養レベルを適切に保てるのですが、大変なので2週間に一度ぐらいが良いのかなぁという感じですね。
(ソイルを使った本格的なヤツだと毎日~数日に1回換水したりするヨ!!)
2ヶ月後
水草(パールグラス)が広がっているのがわかりますでしょうか?
実はパールグラスが結構伸びてきたので一度カットしてカットした分を間に入れたり、横に広げたりしてボリュームをアップしています。
トリミング前はこんな感じ。
パールグラスのように茎が1本あってよこに葉が出てくるタイプは「有茎草」と呼ばれる水草なのですが、このタイプの水草はカットしてもまた芽が出てくる上に、カットした側も植えればそのまま育ちます。
なので「カットして植える→カットして植える」でどんどん水草のボリュームをアップすることができるんです。
補足するとカットする側される側も健康に育っていないとダメなのですが、パールグラスであれば特に気にせずとも健康に育つので状態は特に気にせずともOK。
この「カット→植える」を繰り返して植えれる場所があれば間に入れて密度をあげたり、領土を広げていったりしてレイアウトの完成度を高めていきます。
また水草の調子も上がってきましたのでカットした辺りからヤマトヌマエビを7匹ほど投入しています。
ガラス面のコケ取りといえばオトシンクルスなのですがオトシンはほぼ茶ゴケしか食べず、今水槽ではびこっているのはアオミドロなので効果が期待できません。
貝類も良いのですが小回りがきいて水草表面のコケも食べてくれるヤマトヌマエビが一番効果的と考えました。
(ガラス面は手動で綺麗にしましょう)
水草の量と調子が上がればコケが吸収するハズだった栄養を奪ってくれるので、駆除しやすいコケを除去しても厄介なコケが生えにくくなります。
あとレイアウトとは一切関係ないんですが、ソードテールが勝手に増えているようで小さな稚魚が1匹泳いでました。Σ(゚Д゚;)。
卵胎生メダカは卵ではなく稚魚の状態で出産するのもあり増やすのは簡単なんですが、それでも水槽内で増えてくれたのは嬉しいですよね!
3ヶ月後
トリミングした分が伸びてきています。
特に変わったところはないのですが魚、コリドラスが少しずつ増えて今3匹になりました。
メンテナンス直後の方が綺麗なのでコチラの写真を・・・(3ヶ月半ほどの写真)
あとは「伸ばす→カット→植える」の繰り返しですねー。
砂も平坦になってきたのでどこかで手前の砂をキレイにした上で、斜面を戻そうと思っています(=゚ω゚)ノ。
4ヶ月後
「伸ばす→カット→植える」の繰り返しでグイグイ右奥を伸ばしています。
最終的には奥左から右に下がっていくような感じで考えているので、それを目標にして右へ右へとカットしたパールグラスを植えていっています。
5ヶ月後
後ろのパールグラスのラインがだいぶイメージに近づいてきました。
あとはカットして植え直しての繰り返しで密度を上げていこうと思います。
6ヶ月後
もうほぼ完成ですね!!
水草は新芽があり程度出てきたタイミングが一番こんもり綺麗になるので、最終的なラインで全カットして待ちます・・・!!
7ヶ月後
ここで予想していなかったアクシデント・・。左側のコリプトコリネが溶けてしまいました・・・。
ちょっとしたレイアウト微調整でメイン石を動かした時に根をやっちまったんだと思います・・。
あとは左奥のパールがこのタイミングで光量不足によるトリミング負けが目立ってきました。
これをキレイに整えようとすると全部抜いてから元気な茎を植え直さないと戻りません。
そうすると当然ながら時間がかかるので、名残惜しいのですがこのまま完成させる方向で固めようと思います。
コリプトコリネが植えられてた部分は隣の水槽から持ってきたミリオフィラムを植えてごまかしました。
完成!!(8ヶ月後)
8ヶ月目にして完成です!!
正直「左奥のパールグラスが照明不足でトリミング負けしつつある」とか「左手前はミリオフィラムじゃなくてパールグラスで揃えた方が良い」とか色々直したいところはあるんですけど、そうしちゃうと完成までかなり先になっちゃいそうなのでこれで打ち止めとしました。
また魚が少なくて寂しかったので、追加でカージナルテトラとグラスブラッドフィンを泳がせています。
あとは砂利がコケで汚かったので洗ってきれいな砂利に敷き直し。
最後に白のバックスクリーンと照明でキレイに照らして、一眼カメラで写真撮影を行いました。
完成!!
今回は底モノのコリドラスたちも入れたかったので、床面積を広くとってみましたが狙い通りハムハムする姿が観察できて嬉しい限りです。
振り返って、反省ポイント
今回のレイアウトでは石を使っておおよその迫力を出しつつCO2添加無し、ソイル不使用、安いLEDライトで作成してみました。
一番のポイントとしてはそのような環境でも”綺麗に”育てやすい「ニューパールグラス」を主体にすることでそこそこ小綺麗なレイアウトになったと思います。
ただ作成する過程で反省するポイントがあったので、参考される方のために振り返ります。
選定水草のミス
最初にチョイスした水草の1つ「ストロギネ・レペンス」ですが、これは維持はできたもののヒョロヒョロになってしまったので最終的には抜く形になりました。
この子はソイルを使って、より強い照明で育成するのが良いです。
オススメしません。
「コリプトコリネ・ウェンティ」も最後の方はダウンしちゃいましたが根を傷めないようにすれば全然育成できるのでそちらは良かったです。
一番の反省ポイント
概ね最初の狙い通りに作れたとは思うんですが、正直光量はもっと欲しかったと感じます。(特に中盤~後半)
今回は定番の「GEX クリアLEDパワーⅢ」1台で作成を行いましたが、トリミングを繰り返しニューパールグラスが密になってくると下葉まで光がいかず下葉が溶けてきて、とても困りました。
正直なんとかレイアウトとしては完成したんですけど、左奥パールグラスの下側は光量不足で本当にスカスカでハリボテ。
最後の方はこのまま続けると光量不足によるボロが出そうだったので、ちょっと足早で完成させたトコロがあります。
あと右側手前のパールグラスはとても綺麗で理想的な密度になっているんですが・・・。
これ育ちが良いのは理由があって、実は右隣の水槽のスポットLEDがあたっている部分なんです。
ということから、ニューパールグラスでもある程度の強い光量はないと綺麗には育ちづらいかなぁと強く思います。
(育つけど綺麗には育たないよ、的な)
もちろん予算の兼ね合いもあると思うんですが、もし僕がまた似たような水草水槽を作成するなら「テトラのパワーLEDプレミアム 」あたりのしっかりした水草育成ができるライトは絶対選定したいですね。
関連定番に隠れた良照明!テトラ「パワーLEDプレミアム」レビュー!
以上参考になりましたら幸いですッ!!
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この記事へのコメント
よく聞くレイアウト素材酸処理とはなんですか?
>>1 ネオンテトラ
私も良くしらないんですが、表面のカルシウム分を酸で溶かすやつですよね??
シンプルで水草も魚たちも綺麗に見えるレイアウトですね。参考にします。
前景草でストロギネ・レペンスを使用し、結果から言うと上手くいかなかったようですが、今回のほどほどの照明+CO2添加なしで上手くいきそうな前景草はありますか?特にCO2添加なしで考えると難しくて…。
>>3
> 今回のようにほどほどの照明+CO2添加なしで上手くいきそうな前景草はありますか?
「ロベリア・カーディナリス」が良いかなと思います。
あとは同じクリプトコリネで小型の「クリプトコリネ・ペッチー」、「クリプトコリネ・パルバ」も良さそうですね(=゚ω゚)ノ
砂で水草って自然で良い感じですね。