定番の水槽用ライトを一括比較!水草が育つオススメ照明は!?
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「水草育成」を念頭において、定番の水槽ライトたちを一括比較!
光量や色温度などのスペック上の比較はもちろんのこと、実際に撮り比べてみたり、照射される光も含めて水草育成への効果・各製品の強みを考察!
比較した結果のオススメは!?(最後に紹介)
目次
比較した製品
定番人気の製品を中心に「5個」厳選してピックアップしました。
それぞれの概要と特徴とかをサラッと紹介します。
(今回は45cm規格で比較していきます!)
GEX クリアLEDパワーⅢ
2019/04現在、最も人気がある定番ライトと言えば「GEXのクリアLEDパワーⅢ」でしょう。
手頃な値段と明るさ、水草もある程度育つとしてこれは外せませんね。
テトラ LEDスライドライト
「テトラのLEDスライドライト4560」も次いで人気のライト。
どちらかというと水草よりかは観賞魚向けのライト(だと僕は思っている)ので比較から外そうとも思いましたが、比較参考のためにピックアップしました。
GEX クリアLEDパワーX
「クリアLEDパワーⅢ」と同じくGEXから販売されているライト「クリアLEDライトパワーX」もピックアップ。(ⅢじゃなくてXダヨ!!)
安価定番のパワーⅢと比べて、より明るくパワーのあるライトという位置づけだと思います。
一番人気のクリアLEDパワーⅢの上のモデルなので、気になる人も多いハズ。
テトラ パワーLEDプレミアム
テトラ社から発売された「テトラ パワーLEDプレミアム」をピックアップ。
さっき紹介した同テトラの「LEDスライドライト」は観賞魚向けの安価なライトですが、こちらは水草育成も考えられたパワーもあるモデルです。
あと24時間タイマー機能付きで、指定時刻でライトのON/OFFを自動的にしてくれる機能付きでその点もナイスな製品です。
ADA アクアスカイG
最後に水草水槽というかネイチャーアクアでは定番の「ADA アクアスカイG」をピックアップ。
水草水槽ならADAという人も多いほどメーカーブランド力が強く、根強いファンも多し。
その他のライトと比べると高価な部類ではありますが、水草水槽で使っているユーザーはかなり多くこれも比較対象として外せませんね。
値段
まずは値段からですが、45cm水槽用のモデルで比較するとこんな感じ。
※2019/04/29ネットでの大体の目安!!ADAは通販不可で定価厳守指向のメーカーなので定価そのまま!
製品 | およその値段 |
---|---|
GEX クリアLEDパワーⅢ 450 | 4,500円 |
テトラ LEDスライド 4560 | 5,000円 |
GEX クリアLEDパワーX 4050 | 7,000円 |
テトラ パワーLEDプレミアム 40 | 8,500円 |
ADA アクアスカイG 451 | 18,360円 |
「GEX クリアLEDパワーⅢ」が一番安いものの、「テトラ LEDスライド」もまぁ大体横並びという感じ。
その次に一回り高く「GEX クリアLEDパワーX」、「テトラ パワーLEDプレミアム」と続きます。
「ADA アクアスカイG」はADAブランドだけあって、かなり高いですね。
(ここはブランドメーカーの意向で価格を下げれない、という背景があります)
光量(光束・lm)
どれだけ明るいか?を表した数値が「光量」なので、それを比べるのが分かりやすいですね。
光量を測定する数値は色々ありますが水槽用ライトでは光束(lm)表記が一般的なので、それをまとめました。
製品 | 光束 | 消費電力 |
---|---|---|
GEX クリアLEDパワーⅢ 450 | 750lm | 12W |
テトラ LEDスライド 4560 | ? | 7.9W |
GEX クリアLEDパワーX 4050 | 1,000lm | 14.5W |
テトラ パワーLEDプレミアム 40 | 1,100lm | 17W |
ADA アクアスカイG 451 | 1,400〜1,600lm | 22W |
ルーメン的にはやはり値段相応といいますかアクアスカイGがブッチギリ。
その次に一回り落ちて「テトラ パワーLEDプレミアム」、「GEX クリアLEDパワーX」と続きます。
ただコストパフォーマンスを考えると一番安くかつルーメンがそこそこある「GEXのクリアLEDパワーⅢ」はかなり良いように思いますね。
あと「テトラのLEDスライド 4560」は表記がありませんでしたが、光量は消費電力におよそ比例するのでそれで比べるとかなり低いです。
このことからテトラLEDスライドは他のと比べると明るさが一回り落ちるライトであることが伺えます。
(ここは後でカメラ設定を固定にして比べてみまっす!!)
ルーメン高い=植物に良い、とは限らない
ただ補足しておくとルーメンは「人間の目で見てどれだけ明るいか??」を表す数値なので、ルーメン高いから植物育成に向いている、とは限らない点に注意。
合わせて光の成分を表すスペクトル図も見る必要があります。
スペクトルについては話が長くなるので、後で説明しながら比較していきまっす!!
(先に実際の明るさを見てみましょう!!)
実際の明るさを比較!
一眼レフカメラで撮影設定を固定にして、それぞれのライトを実際に撮り比べてみました。
※設定次第でどうとでも明るく撮れるので、写真上でGEX クリアLEDパワーⅢがまぁまぁ明るく撮れるような設定で撮影です!!
GEX クリアLEDパワーⅢ
テトラ LEDスライドライト
こちらは比べてみると暗め。
ただ肉眼ではもう少し明るく見えますので、写真通り暗い感じではないです。
(比べると暗いのは確かですが・・!!人間の眼優秀・・!!)
GEX クリアLEDパワーX
表記されているlmほど明るくはないかな?という所感を受けます。
ただ色温度最強という表記通り透き通った青白さは良いですね・・・!!
テトラ パワーLEDプレミアム
クリアLEDパワーXと比べてほぼ同じlmの製品ですが・・・こちらは明確に明るいです!!
ADA アクアスカイG
思ったよりは暗いかな?と一見思ったんですが、底の砂利を見ると白飛びしてて確かにかなり明るい・・・!。
あと特筆すべきは緑が強いところ。
比べちゃうと不自然な気はするものの、水草の緑は映えますね。
★ここだけ特記!!
僕ADAアクアスカイGは601モデルしか持っておらず、この照明だけ45cmの寸法に合うように遮光して撮っています。
大体おんな感じになるとは思うのですが、実際の45cm用モデルとは違いますのでご注意を・・。
スペクトル
植物・水草は光合成で成長しますが、光合成には「光」が必須なのは言うまでもありません。
ただし光なら何でも良いワケではなく、光合成では主に「赤」と「青」の光が使われます。
つまりそれらの光が無いとどれだけルーメンが高くても水草が育たないのです。
植物が緑に見えるのはほぼ使われない「緑」が反射されて緑に見えるワケで、植物育成を考えるなら「赤」と「青」の光が十分あるか?はとても重要なポイント。
(それにルーメンは緑が有利なような測定値なので若干の罠・・・!!)
それをチェックするのが光の成分を表す「スペクトル図」です。
上記は太陽光に近いフルスペクトルLEDの「ボルクス RX122/FS」の表記です。
(かなり水草育成に向いた高性能照明だと思って下さい)
左側の青い光、右側の赤い光ともに幅広くあり、水草育成に有効なことが分かります。
(高価なのとスポット照射タイプで使い方が特殊なので、今回ピックアップしませんでした。が、個人的には要所要所で愛用している良いライトでオススメ)
関連水槽用フルスペクトルLED!「グラッシーレディオRX122 FS」レビュー!
それではこれを念頭におきつつ、今回比較する製品を1つ1つ見ていきましょう。
GEXクリアLEDパワーⅢ
青が尖っていて赤も多少あるというそこそこな波形だと感じます。
流石にさっきのフルスペクトルLEDと比べると青も赤も貧弱とは感じますが値段を考えるとこんなもんでしょう。
むしろ青も赤も比率が低いながらあるので良くはないですけど、水草が全くダメってことはない、ということが分かりますね。
テトラ LEDスライドライト
スペクトル図は表記されてませんでした。
ここは観賞魚用ライトと割り切った感じがありますね。
GEX クリアLEDパワーX
こちらもスペクトル図は表記なし。
水草育成も力を入れた製品のハズなんですが表記されてないのは「?」です・・。
ただ色温度が高いので「青成分の比率が多いであろう」ということは推測できます。
テトラ パワーLEDプレミアム
青・赤ともに幅広い感じでとても良いです!!
やはり定番安価なLEDと比べるとより植物育成に向いたライトだなと思います。
特に安いライトだと赤部分の1箇所だけがピコッと飛び出た波形になりがちなんですが、こちらは赤部分もまんべんなく幅広いのがとても良いですね・・・!!
ADA アクアスカイG
青はあるんですけど赤はかなり低いです。
特に緑の比率が多いんですが、緑は光合成にはあまり必要とされない光なので、ぅーん、という感じ。
水草水槽といえばADAですが、アクアスカイGは正直光合成に向いているスペクトルでは無いですね。
・・・まぁ緑の光は肉眼ではとても綺麗に見える光なので、鑑賞性も重視された製品に思います。
補足しておくと元の光量がそもそもカナリ高いんで、赤と青の絶対量として見れば安価ライトよりはやはりコチラが優れているでしょう。
(まぁ効率は悪いっすけど・・・)
色温度(色味)
あと色温度が高ければ高いほど良いの?と気にされる方が多いので補足しておきます。
「色温度」は光の色味を表す数値です。
「高いほど明るい」と間違いがちなのですが、正しくは「高いほど青い」という意味になります。
目安としては夕焼けやろうそくの日が2,000~3,000Kで、日中の太陽光が5,000~6,000Kになるみたいです。
比較したのがコチラ。
製品 | 色温度 |
---|---|
GEX クリアLEDパワーⅢ 450 | 10,000K |
テトラ LEDスライド 4560 | ? |
GEX クリアLEDパワーX 4050 | 11,000K |
テトラ パワーLEDプレミアム 40 | 8,400K |
ADA アクアスカイG 451 | 約7,000〜8,000K |
「GEX クリアLEDパワーX」が11,000Kとかなり高く青みが強いライトであることが伺えますし、先程の実写でも最も青白くて綺麗な照明でしたね!
逆にアクアスカイGやテトラパワーLEDプレミアムは低めではありますが、そもそも日中の太陽光が5000Kぐらいであることを考えるとそこまで黄ばんだ感じにもなりませんし、むしろ低いと太陽光に近そうとも言えます。
製品の大きさ比較
最後に水草育成とはややそれますが折角撮り比べたので、実際に並べてみました。
奥(右)から「GEXクリアLEDパワーⅢ」、「コトブキ フラットLED(廃盤商品)」、「テトラ スライドLED」です。
テトラ スライドLEDが一番大きいんですが、GEXクリアLEDパワーⅢも結構大きいですね。
次に奥(右)から「GEXクリアLEDパワーⅢ」、「コトブキ フラットLED(廃盤商品)」、「GEXクリアLEDパワーX」、「テトラ パワーLEDプレミアム」を並べたのがコチラ。
一番コンパクトに感じるのは「GEXクリアLEDパワーX」です。一番薄いし奥行きも控えめ。
次点で「テトラのパワーLEDプレミアム」といったトコロで、これらはコンパクトに感じますね。
まとめるとこんな感じで・・!
小さい:クリアLEDパワーX < パワーLEDプレミアム
(デカさの壁)
デカい:クリアLEDパワーⅢ< スライドLED
アクアスカイGは45cm用持ってないのでコレは比較できませんでしたが、601自体は薄いですよ~。
結果を振り返ってそれぞれを総評
GEX クリアLEDパワーⅢ
安価かつ光量(光束)がそこそこあるのがやはり定番製品だけはある、と思います。
ただ綺麗な水草水槽を考えるとまだ不十分要素が多い製品。
これだけでも多くの水草を育成できると言えばできるんですが、正直これ1台で安心か、と言われるとそこはハッキリ「No」です。
(陰性水草とか光量必要としない水草はバッチリだよ!!)
水草育成を考えるなら光量もスペクトルも値段相応、といったトコロで、水草育成にハマった人はより上位ライトや複数設置に走りがちかなーと思いますね。
僕も使っていますが密度が上がらずスカスカになったりするので、モサモサした水草水槽では使うことがほぼ無くなりました。
今は魚観賞用とかクリプトコリネとかの陰性水草水槽用と割り切って使っています。
関連定番ライト!GEX「クリアLEDパワーⅢ」レビュー!見え方や水草育成など!
テトラ LEDスライドライト
45cm~60cm水槽対応と書かれているので「水槽を大きくしても使えそう」と選ぶ人も多いと思いますが、実際の光量的には低くそういう意味では使い回しが効きません。
数値的には7.9Wの出力(消費電力)なんですけど、45cm用のGEXクリアLEDパワーⅢの方が12Wとかなり負けてるんですよ・・・。
(実際の明るさも写真では暗く写りましたし・・)
個人的にはマツモ・アナカリス・アヌビアスの維持に使っていますが、いわゆる低光量でも育つ系の水草は維持できる、という感じですね。
水草育成を込みで選ぶなら「45~60cmまで対応」の表記にとらわれず、他のライトがオススメです。
関連テトラ「LEDスライドライト」レビュー!見え方やスペック比較など!
GEX クリアLEDパワーX
色温度が紹介した中で一番高く、透き通った青白さと明るい光量なのが魅力。
残念ながらスペクトル表記がなかったので光合成に重要な赤成分は弱いかな?と思うものの、色温度が高いことから青成分がかなり強いライトだと思います。
赤い水草をより赤くする場合、光量もそうですが青い波形も重要となるので特に赤系水草にはマッチする照明ですね。
ただルーメン表記の割にはそこまで明るさは変わらないかな?というのも感じたポイント。
個人的には青みを活かして赤系水草を赤くするのに後ろに置いたりと、メインよりかは併用で使うことが多いライトです。
関連明るさ色温度最強!?GEX「クリアLEDパワーX」レビュー!比較とか!
テトラ パワーLEDプレミアム
光量が高いのに加え、光の質であるスペクトルが比較した中では一番良く、非常に水草育成に向いたライトだと思います。
安価なLEDライトって光合成に重要な「青」と「赤」のうち、「赤」の方が不足しがちなんですがそれがまんべんなくあって強いな、と。
アクアスカイGの光量(光束)には及びませんが実際に撮り比べてみるとコッチの方が明るく感じるんですよね・・!!
(まぁルーメン自体、緑色が有利な数値ですし(¬з¬))
アクアスカイGと比べて値段は半額なのに明るく、しかも光合成にはこちらのほうが向いたスペクトルで良し。
安価定番ライトと比べると値段が倍ぐらいしますが、光量はちゃんと倍ぐらいあってスペクトルはこっちのほうが良し。
(スペース的にも1台で済む)
加えて24時間タイマー付きという水草育成で必須となる機能も付いているので、別途1000円ぐらいする24時間タイマーを買う必要もなく、それも含めればかなりコストパフォーマンスが高い製品だと思います。
(あと触れなかったけど唯一のIPX7防水!!)
関連定番に隠れた良照明!テトラ「パワーLEDプレミアム」レビュー!
ADA アクアスカイG
水草水槽では定番のADAアクアスカイGですが、高い割には水草育成に向いてないな、というのが正直なトコロ。
出力は大きく明るいライトであることは間違いなのですが、水草の光合成にあまり使われない「緑」の比率が強く、その点が水草育成には不適切です。
実際に使ってたんですけど思ったよりイマイチで、結局別のライト(コトブキのレイマックス )に変えちゃいました。
(変えた方が育ちました(´・ω・`))
その時のレポはコチラ水草水槽の作り方。必要な設備や立ち上げ手順を紹介!
ただ緑の波形は光合成にはあまり使われないだけで、肉眼で見るととても綺麗に見える光ですし何より設置した時のスタイリッシュさは他には無い強みだと思います。
結局どれがオススメ!?
色々比較して、かつ自分でも触ってみた感想としては・・・「テトラのパワーLEDプレミアム」が一番オススメです。
光量・質(スペクトル)ともに良く、特に安いライトにはない赤波形がメチャクチャ強いのでその点が水草育成にかなり効果的です。
「GEXのクリアLEDパワーⅢ」が安価定番ライトでまずはそれって感じになると思うんですが、僕は実際使ってみてそれだけでは光量足りないなと思うことが多いんです。
最初は伸びて「悪くないな」って思うんですけど茂り出してきたら下葉まではカバーできず、カスカスになって綺麗な水草の束を維持しにくいんですよ。
結局最終的には2台以上重ねて使うことが多いです。
(もちろんシダ系など陰性中心なら1台でも良いんですが、水草レイアウトって大体有茎草中心なんで・・)
だったら安価なライトの2倍ぐらいはするものの、光量(光束)倍ぐらいあって更に光の質が良いライトを選んでおくほうが良いかなぁ、と。
(それに薄くてコンパクト)
補足すると「パワーLEDプレミアム」でも赤系水草やロタラなど大光量を必要とする水草はまだ光量不足だと思うので、また1台追加する分も考えるならやはりコイツがまずオススメと思います。
(ワンポイントオススメ:赤系水草なら「GEXクリアLEDパワー”X”」との組み合わせが良さゲ。より赤みを引き出すには青が強いライトが有効です)
あと24時間タイマー機能付きという最終的に絶対必要となる機能もあるので、別途1000円ぐらいの24時間タイマーを買うことを考えると思ってるより値段差は無いんじゃないかと。
もちろん予算や好みの色味・外観もありますので、1つの参考として役に立てば幸いですッ!!以上ッ!!
(今回は6つ厳選しましたが、他にも照明レビュー書いてますので気になればそちらも!グラッシーレディオとかレイマックスとか他にオススメしたい照明もあるですよ!)
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この記事へのコメント
このサイトめちゃくちゃ信用してるんでこういう忖度ない漢の真髄みたいな記事めっちゃありがたいです!!