水槽・フィルターにおける生物濾過とは?仕組みと作用を解説!

金魚や熱帯魚の飼育で最も重要なのが生物濾過です。

生物濾過ができていないと病気になったり、死んでしまうほど。

そんな生物濾過について、浄化の仕組みや生物濾過に適したフィルター、手頃に生物濾過を強化する方法などを解説していきます。

目次




生物濾過とはどのようなもの?

生物濾過というのはバクテリアの力を利用して水を浄化することです。

アクアリウムで言うバクテリアというのは排泄物や餌の食べ残しから出る有害な物質を食べて、毒素の低い物質に変換する微生物たちです。

バクテリアというと特殊なものに聞こえますが、実際には空気中にもいるほど身近なもの。

それらバクテリアが定着する場所を設け、そこに汚い水を通すことにより有害な物質を濾過してもらうのが生物濾過の仕組みです。

バクテリアの種類や浄化について詳しい理論は「熱帯魚、金魚飼育における水槽のバクテリアとは? 」をご覧ください。

バクテリアが定着する場所って?

投げ込み式フィルター魚の飼育で使われる「フィルター」がバクテリアを定着させる場所として作られた器具になります。

ウールマットなどの濾過材にバクテリアを多く定着させ、それらに水を通すことで生物濾過を行っています。

フィルターの浄化方式には生物濾過の他にも色々ありますが、ほとんどのフィルターは生物濾過があり、魚の飼育には不可欠なのです。

投げ込み式フィルターの構造イメージ図

関連水槽における物理濾過、生物濾過、吸着濾過とは何?仕組みとか

生物濾過ができていないのどうなる?

死んで横たわっている金魚生物濾過ができていない環境の場合、排泄物から出る毒素を処理できないため水中の毒性濃度が高くなります。

毒性濃度が高い環境では魚の体力を奪い、病気になりやすくなったり短命で死なせてしまいます

簡単に言うと自分の排泄で自分の首を締めてしまうのです。

金魚がすぐ死ぬのも多くはこれが理由。
金魚は本来10年ほどの寿命と言われていますが、1ヶ月や1年で死んでしまうのは生物濾過が出来ていない可能性が高いです。

生物濾過に適したフィルターは?

つまり魚を正しく健康に飼うためには生物濾過が非常に重要。

魚の排泄量に対してカバーできる生物濾過を行うことで、病気などで失敗する確率はかなり下がります。

生物濾過の強さは単純にバクテリアが定着できる場所が大きければ浄化能力が高くなります。

つまり濾材が大きい、大きめのフィルターが優れています。

外部式フィルターが最も優れている

外部式フィルターフィルターの中で最も濾材が多いのが外部式フィルターです。

外部式フィルターは濾材ボックスとも言うことができ、多くの濾材を詰め込めるためバクテリアを多く増やすことができます

外部式フィルターを使えば初心者が失敗する確率はかなり下がります。

外部式フィルターには及ばないものの水槽の上に置く上部式フィルターもそこそこの生物濾過能力があります。

外部式フィルターの構造

生物濾過が優れていないフィルター

投げ込み式フィルター逆に生物濾過能力があまり無いフィルターは小さいものになります。

投げ込み式フィルター(ぶくぶく)や外掛け式フィルターといった小型のフィルターは濾材の大きさが小さいためバクテリアが棲む場所も少なくなります。

投げ込み式フィルターの構造水槽に対する大きさが小さい

手頃に生物濾過を強化する方法

コリドラス・シュワルツィとはいえ先述したフィルターは小さなフィルターと比べて高価。

しかしコストがかからずに生物濾過を大幅に強化することができます。

それは「砂利を入れる」ことです。

バクテリアはどこにでも定着する

サンゴ砂バクテリアが定着できる場所はどこでも良く、フィルターのウールマット・濾材もその1つなだけで砂利にも多く定着することができます。

砂利を入れることで表面積が大幅にアップするのでバクテリアの数を多く増やすことができるってワケです。

もし投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターなどの小さなフィルターを使うのなら砂利を敷いた方が良いでしょう。

底面式フィルターがコストパフォーマンス大

底面式フィルター更に砂利を敷いたのなら底面式フィルターを導入するとより一層効果を高めることができます。

底面式フィルターは水槽に敷いた砂利を濾材とする濾過方式で、砂利に水を通過させることで浄化を行います

砂利にはバクテリアが多く定着しているので生物濾過を高いレベルで行えます。

底面式濾過装置の構造

なんとっても底面式フィルターは「安価」であり、小型フィルターの1つである投げ込み式フィルター(ぶくぶく)と同じくらいの金額で購入できます。

水の循環にはエアーポンプが必要になりますが、それは投げ込み式も同じ。

浄化能力は外部式フィルターには及びませんが上部式フィルターと同じくらいか、使い方によっては超えることも可能で、かなりコストパフォーマンスが高いフィルターと言えます。

関連底面フィルターの仕組みと使い方!より能力を上げるコツなど

まとめ、個人的な所感

微生物のイメージ図、比較生物濾過は魚を飼う上で欠かせない浄化方式。

初心者は排泄量に対して、十分な量の生物濾過を行っておらずそれが失敗に繋がっています。

特に小さいフィルターは生物濾過が弱いので、砂利を敷く、生体の数を抑えるなどしてカバーすると良いでしょう。

もっと詳しく:熱帯魚、金魚飼育における水槽のバクテリアとは?
こちらもオススメ:水槽の水を綺麗に保つ仕組み。アクアリウムの基本を学ぼう。

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