ザリガニカビ病って?概要やその高い危険性・予防について
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ザリガニカビ病の概要と予防方法などを解説。
認知度は低いですが危険性が非常に高く、ザリガニ飼育者としては知っておきたい知識です。
特にアメリカ系以外のザリガニを飼育する場合は対策しないと死に直結します。
ザリガニカビ病について
「ザリガニカビ病」は菌の一種である「Aphanomyces astaci」に感染することによって発病する病気で、別名「ザリガニペスト(Crayfish plague)」とも言われることもあります。
かかったザリガニは免疫を持つ場合をのぞいて短時間で死滅し、発病したら回復する見込みはありません。
”plague”つまり「疫病」という名の通り危険度が非常に高い病気であり、破壊力・感染力ともに飛び抜けています。
感染力が非常に高い
ザリガニカビ病は破壊力だけじゃなく感染力も非常に高く、少しでも菌が侵入すると1つの池をまるごとダメにしてしまうほどの感染力を持っています。
実は病原菌である「Aphanomyces astaci」は「世界の侵略的外来種ワースト100」にもランクインしており、国によっては保菌者になりえるザリガニが厳しく制限されている場合も。
両生類ではカエルツボカビ病も一時期かなり危険な菌として話題になりましたが、それもまた世界の侵略的外来種ワースト100に入っています。
それと肩を並べるのがザリガニカビ病であり、一般的な知名度は少ないものの危険性はトップクラスと言えるでしょう。
ザリガニカビ病は飼育には無縁?
このように非常に危険な病気ではありますが、アメリカ系のザリガニはこの菌に対して免疫を持っているものが多く、飼育には問題とならないことがほとんど。
最も飼育者の多いのが青ザリや白ザリ・タイゴーストのバリエーションを持つ「アメリカザリガニ」ですが、免疫を持っておりザリガニカビ病には(通常)かかりません。
(一部免疫を持っていない場合もあるようです)
他にもフロリダハマーなどペット用に飼育されている多くの種類がアメリカ由来のものであり、通常は気にしなくても飼育が可能です。
免疫を持たないザリガニ
日本で飼育されている多くのザリガニは免疫を持っていますが、免疫を持たないザリガニも多くいます。
ヨーロッパ系のザリガニである「ヨーロッパザリガニ(ノーブルクレイフィッシュ)」、またオーストラリア系の「ヤビー」、「クーナック」などは免疫を持っていません。
それらは特定外来種でもあり飼育することができませんが、例えば日本固有種である「ニホンザリガニ」も免疫持たないザリガニです。
とはいえニホンザリガニも絶滅危惧種であり、現実的に飼育することは無さそうですね。
ザリガニカビ病の予防について
ザリガニカビ病は病原菌が少しでも入ると感染する上に、感染したら一撃必殺のため徹底的な予防が求められます。
病原菌である「Aphanomyces astaci」は身近にはいない特殊な菌に思われますが、発症はしていないもののアメリカザリガニが保菌していることも多く身近な存在です。
(保菌:菌を体に持っていること。発症の有無は問わない。)
地域によっては川に棲む全てのザリガニが保菌していることもあるようで、それらのザリガニから菌が侵入すれば手立てはありません。
飼育水や水槽を使い回さないことはもちろんですが、バケツやネットなどの水換え道具などあらゆる点から分ける必要があります。
ほんの少しでも入れば終わりなので、道具のみならずメンテナンス時などにも細心の注意が必要と言えるでしょう。
おわりに
ザリガニカビ病はアメリカ系のザリガニだと免疫を持つものが多いため、飼育レベルではあまり影響がある病気ではありません。
しかしながら病原菌である「Aphanomyces astaci」は”世界の侵略的外来種ワースト100”に入っているほど危険な存在。
免疫を持たないザリガニはそのまま死んでしまうばかりか、感染力が凄まじく保菌したザリガニが1匹侵入しただけでその池または川をダメにするほどの恐ろしい病気です。
飼育されているザリガニの多くがアメリカ系のザリガニですが、ニホンザリガニなど免疫を持たないザリガニも多い上、非常に危険な菌であることは間違いないので頭の片隅には置いておきたいですね。
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