金魚飼育の始め方!水槽の立ち上げ手順と飼い方について!
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1から金魚を飼う人のための飼い方。
基本はもちろんのこと、水槽を立ち上げている様子やお迎え方法、正しいエサやりなど金魚の飼育に関する実際を解説していきます。
初心者が失敗しないためのコツなどなど。
必要な飼育設備と用品
金魚を飼うには以下の飼育設備・用品が必要です。
- 水槽
- フィルター
- 砂利
- カルキ抜き
- 金魚のエサ
それぞれ説明してきます。
水槽
最低20cm以上の水槽が必要です。
これより小さい水槽は飼育難易度がかなり上がってしまい初心者では失敗しやすくなってしまいます。
大きければ大きいほど病気になりにくくなるメリットがあり、失敗する確率はグッと減ります。
飼いやすさも考えると初心者には30cm~45cmあたりの水槽が置きやすくオススメ。
下手に小さい水槽を選ぶとそれが原因でジワジワ失敗に繋がります。
大体金魚鉢は2リットルぐらい入るけど、20cmの水槽ですら7リットルも入るんダ!
水槽サイズと匹数の目安
水槽サイズあたりに飼える金魚の目安は以下になります。
水槽サイズ | 4cmまで | 7cmまで |
---|---|---|
20cm水槽 | 1匹 | × |
30cm水槽 | 3匹まで | 1匹まで |
45cm水槽 | 9匹まで | 3匹まで |
これ以上多く飼育することも可能ではありますが、多くなればなるほど失敗のリスクが急上昇してしまうため上記を抑えておくのがオススメです。
特に金魚は育つと大きくなるので成長する分を見越す意味でも控えておいたほうが良いでしょう。
関連金魚に適切な水槽サイズって?飼える匹数やオススメのサイズなど
フィルター
フィルターは水を浄化する装置です。
金魚は魚の中では汚れに強い方ですが、流石に濾過なしじゃ飼育が困難です。
初心者に取扱いやすくてオススメなのは水槽のフチに掛ける「外掛け式」やエアーポンプと接続する底に置くタイプの「投げ込み式」と呼ばれるもの。
これらは値段も手頃で設置もしやすいため最初の濾過装置に最適です。
強力なのは「上部式」、「外部式」と言われるフィルター。
こちらは数多く飼育する際や成長した金魚でもカバーできるメリットがあります。
砂利
砂利には水をキレイに保つ力が備わっています。
特に外掛け式や投込式などの小さなフィルターは濾過能力が低く、それをカバーするためには砂利が必須。
上部式や外部式フィルターなどの強力なフィルターを使う場合でも敷いたほうが勿論良いです。
魚用として売られているものであれば何でも構いませんが、砂状にならない程度に小粒なものが手入れしやすくオススメです。
カルキ抜き
水道水には消毒のためにカルキ(塩素)というモノが入っていますが、これが魚にとってはかなりの毒。
水道水は直接使用することができません。
人間で言うと消毒用アルコールを肺や目に入れられるようなもの。
必ず市販されているカルキ抜きを使って水道水を処理する必要があります。
水槽にもよりますが数百円で半年ぐらいは使えるほど手頃なものです。
カルキを除去できればどのような商品でも構いません。
金魚のエサ
市販されている金魚のエサであれば何でもOKです。
始めて買うならフレークタイプや沈下性のものがオススメ。
水面に浮くタイプは水が汚れにくいメリットがあるのですが、金魚によっては水面にきてくれずエサを見つけれないこともあるためです。
関連金魚のエサはどれが良い?種類と選び方、オススメのエサなど!
水槽の立ち上げ方
実際に金魚の水槽を立ち上げる手順を解説していきます。
今回立ち上げるのは「30cm水槽」で「底面式フィルター」を使用した水槽になります。
底面式フィルターはやや導入が面倒ですが、投げ込み式や外掛け式と比べて濾過能力が高いメリットがあります。
関連底面フィルターの仕組みと使い方!より能力を上げるコツなど
水槽の置き場所
水槽は直射日光のあたらない場所に設置します。
金魚の適応水温は3度~30度ほどと広いのですが、水温変化には弱く日光のあたる場所に置いてしまうと昼と夜の寒暖差で弱ってしまうのです。
日光があたって良さそうに思いますが、死ぬこともあるので避けて下さい。
今回設置したのは30cmハイタイプ(横30cmx奥30cmx高さ40cm)の水槽です。
フィルターのセット
今回作る水槽には底面式フィルターの「ニッソーのバイオフィルター 30」を使用します。
他のフィルターは後から設置したほうが楽なのですが、底面式フィルターは砂利の下に敷く必要があるので先に設置が必要です。
とはいえ砂利敷く前に組み立てて、エアーポンプを接続するだけなので設置自体は簡単です。
エアーポンプの接続
バイオフィルターはエアーで水を循環させる底面式フィルターなので、別途エアーポンプを接続する必要があります。
今回使用したポンプは「水作の水心3S」。
45cm~60cm用とオーバースペック気味ですが、底面式フィルターの駆動には一回り余裕があるくらいが丁度良いです。
流量が調節できるタイプなので多いなと思ったら調節できるのが良いですね。
また、水槽より下にエアーポンプを設置しているので水が逆流しないように逆止弁を途中に挟んでいます。
水槽のフチに掛けるだけの簡単設置ダヨ!
砂利を入れる
次に砂利を敷きます。
今回使用したのは「スドー 金魚の七色珠砂利」です。
購入した砂利は粉塵やゴミなどついているので、まずバケツなどに入れてキレイに水洗いをします。
あまりゴシゴシやっても削れてまた濁りますので程々に。
汚れが取れたと思ったら底面式フィルターの上から敷いていきます。
砂利は合計6kgの量を使用しました。
底面式フィルターには砂の厚みが濾過能力に直結するため厚みに強いていますが、ほかのフィルターであれば2kg~4kgもあれば十分です。
※30cmキューブ水槽の場合
水を入れる
水槽にバケツなどを使って水を入れていきます。
セット時だけは生体が入っていないので水道水をそのまま注いで最後にカルキ抜きを使用してもOKです。
少し地震がきても良いくらいに5cmくらいは空けてます。
カルキ抜きを行う
入れ終わったらカルキ抜きをして塩素を除去します。
これ以降、水槽に入れる際は必ずカルキ抜きした水を使うのを徹底して下さい。
金魚はいなくとも水をキレイにするバクテリアが住み着き始めており、カルキ抜きをしないとそれらが死んでしまうためです。
フィルターの稼働開始
全て終わったらエアーポンプ(およびフィルター)をコンセントにつないで、水の循環を開始します。
セット後すぐは水が白濁してると思いますが、これは砂利の粉塵が舞っているだけなので1日もすれば沈んで透明になります。
これにて水槽のセットが終わりました!
金魚のお迎え方(水合わせ)
水槽のセットができたらお次は金魚をお迎えします。
金魚を水槽にお迎えする時のポイントは「水槽のセット直後は1匹までに抑えること」と「水合わせを行う」ことです。
最初は1匹までに抑える
水槽をセットしていきなり多くの金魚を入れるのは避けて下さい。
立ち上げたばかりの水槽では水をキレイに保つバクテリアが定着しておらず、非常に水が汚れやすくなっています。
実はフィルターの浄化能力というのはバクテリアの力が主目的。
ゴミをこしとることでは無いのです。
重要度の比率でいえばゴミ取りが1、バクテリアによる浄化が9の「1:9」くらいなもんです。
金魚を飼育していると少しずつバクテリアが増えていきますが、増えるまでは非常に水が汚れやすいので最初は1匹までに抑えるのが良いでしょう。
2週間もすればバクテリアが繁茂するので、2匹目以降の金魚を入れても大丈夫です。
いきなり大量にいれるとすぐにキャパシティオーバーして、水が白く濁ってしまったりするので辛抱することが水槽立ち上げのコツです。
必ず水合わせを行うこと
金魚を水槽に入れる際には必ず水合わせという作業を行う必要があります。
金魚というのは今まで住んでいた環境より大きな変化があるとダメージを受けてしまう生き物です。
そのため買ってきた金魚を水槽にそのまま入れてしまうと環境変化により大きなダメージがあり、これにより死んでしまうこともあります。
初心者が失敗しやすい一番の理由がこの環境の急変によるもの。
水合わせはこの環境変化によるダメージを抑えるため、少しずつ水槽の環境(水質)に慣らしていく作業なのです。
水合わせの方法
器具を使わずに簡単にできる一般的な水合わせ方法を紹介します。手順は以下の通り。
- 袋のまま30分ほど水槽に浮かべる
- 袋の中の水を1/3程度捨て、捨てた分、水槽の水を入れる
- 20分待つ
- 2と3を3回繰り返す
袋のまま浮かべることでゆっくり水温に馴染ませ、次に少しずつ水を入れ換えることでゆっくり水槽の水に慣らしていくのです。
必ず行ってネ!
関連いきなり水槽に入れてはいけない!?水合わせの必要性とやり方!
しばらくはエサを控える
水槽にお迎えしたばかりの金魚は疲労とストレスで弱っています。
人間も長旅のあとは食欲が沸かないもの。
導入後すぐはエサをあげても消化に悪く、食べ残しも多いのでエサを与えてはいけません。
2日目以降からはエサを与えていきますがほんの少しでOK.
魚の様子を見ながら1週間ぐらいかけて少しずつエサの量を増やしていきます。
餓死しないか不安になりますが、金魚は1週間ぐらいならエサを食べなくても大丈夫な生き物です。
エサやり
エサやりは基本的に1日1回与えます。
大きくなれば代謝が低くなっていきますので数日に1回でも構いません。
エサの量と与え方
エサやりの基本ルールは食べ残しが出ないように与えること。
食べ残しは急速に水を汚し金魚を苦しめます。
初心者が金魚飼育を失敗する上で「お迎え時の環境変化」の次に多い死因が「エサの与え過ぎによる水質悪化」。
金魚は餓死に強いので少なくても死ぬことはまずありませんが、与えすぎると簡単に死んでしまいます。
ドバッと与えるのではなく少しずつ小出しにして与えるのがコツ。
こうすることで食べ損ねが減り、金魚の様子を見ながら与えることができます。
食い悪くなって残しそうだと感じたら与えるのを止めて食べ残しが出ないようにして下さい。
お迎えしばらくはエサを少なめにすること
また新しく水槽に入れた金魚はストレスで食が細くなります。
この時に多くエサを与えても食べれませんし、胃に負担をかけてしまうので初日は与えず、2日目以降もほんの少しの量に抑えます。
金魚の様子をみながら1週間ほどかけて少しずつエサの量を増やしていきましょう。
立ち上げしばらくもエサを少なめに
また水槽セット時は水を綺麗にするバクテリアが定着しておらず、浄化能力が低い時期です。
このタイミングで通常量のエサを与えた場合、浄化能力のキャパシティオーバーが起きて水の白濁が起こってしまいます。
そうならないように立ち上げしばらくはエサを控えめにしてバクテリアの繁殖を待つようにしましょう。
掃除・水換え
魚のお世話として、水をキレイに保つための定期的な水換えが必要です。
どんなに高性能なフィルターでも水換えは避けて通れません。
何故強力なフィルターを使っても水換えは無くならないの?理論についてはコチラ:水槽の水を綺麗に保つ仕組み。アクアリウムの基本を学ぼう。
水換えの頻度
水槽サイズと金魚の量にもよりますが、1週間~2週間に一度程度が目安です。
大きい水槽であればそれだけ水が汚れませんし、金魚が多いとそれだけ水が汚れるスピードが早まります。
例えば先程の「水槽の立ち上げ」で説明したセット、30cmハイ水槽(30L)に5cmほどの金魚が1匹でしたが、これならだいぶ余裕があるので1ヶ月に1度程度でも構いません。
水換えのやり方
水換えにはバケツと水換え用ホース、カルキ抜きを使用します。
水の排出と砂利の掃除
まず水換え用ホースとバケツを使って1/3の量を排出します。
水換えホースは砂利も掃除できるようになっているので、水を排出するついでにゴリゴリやって砂利のゴミを吸い出します。
排出が終わったらバケツに新しい水を用意します。
飼育水の用意
次に新しい水を作ります。
まず水道水をバケツに汲むワケですが、この時に水温をできるだけ合わせておくのがポイント。
新しい水が異なる温度の場合、水温の急激な変化で金魚を弱らせてしまいます。
特に冬場や夏は水道水と水槽の水温がかなり異なっているため非常に危険。
お湯などを使って水温をできるだけ同じにする必要があります。
手で大体同じになる程度で構いません。
最後に必ずカルキ抜きを使って、カルキを除去してやります。
新しい水の補充
あとは用意した水をそっと新しい水を注いでいきます。
水槽が大きい場合は何度も「飼育水の作成」→「水の投入」を繰り返しましょう。
カルキ抜きは忘れずに。
水合わせと一緒だネ!
関連基本は1/3?金魚の水槽を全換水してはいけない理由って?
より詳しい記事:金魚の水換え掃除について!正しいやり方や頻度など!
金魚飼育のポイント
金魚を飼育する上で初心者が失敗しやすい点を紹介し、その対策方法を紹介します。
失敗しやすいポイントを回避すれば失敗する確率はグッと減ります。
エサを与えすぎない
初心者がかなり認識とズレているのがエサのやり過ぎ。
金魚は代謝がかなり低い変温動物なので、エサの量は思ったよりも少なめ。
我々のように1日3食食べなくても良く、少し育てば数日に1回でも良いくらいです。
食べ残さないように与えるのが絶対条件
更に認識とズレているのが食べ残しによるダメージが思った以上に深刻である点。
犬やハムスターならあげすぎても太るくらいで直接的な害はありません。
しかし金魚は別。
水に溶けて急激に水質が悪くなり、簡単に死んでしまうほど。
このため食べ残さないように与えることを徹底しましょう。
最悪なのはよかれと思ってドバッと多くの量を与えた後、食べ残したエサを放置すること。
エサを与える際は小出しにして少しずつ、様子を見ながら与えるのが正しいやり方です。
水温を変化させない
金魚は環境の変化にはとても弱い生き物です。
このためお迎え時に水合わせを行って少しずつ環境に慣れさせたりする必要がありますが、水質の急変が起こるのは何もお迎え時だけとは限りません。
水換え時にだって環境が変わります。
このために1/3の水換え量に抑える必要があるのです。
特に見落としがちなのが昼と夜の気温差。
大きい水槽であれば気温が伝わりにくいのですが、小さな水槽だと気温の変化が水槽に伝わりやすく、金魚を弱らせます。
金魚を飼って正しく飼っているハズなのに何となく調子が悪いというのは、小さな水槽による昼夜の水温変化が原因である可能性が高いです。
ある程度大きな水槽だと驚くほど病気にかからないようになるでしょう。
特に夏が終わり、秋ごろになると人間ですら気温差で風邪をひきやすい季節。
小さな水槽だと調子が崩れてしまうのは当たり前なのです。
水量で言えば30リットルぐらいが目安だネ!
濾過不足に気をつける
次に失敗しやすい点が濾過不足によるものです。
実は、メダカや小さな熱帯魚と比べると金魚は何倍も水を汚す魚。
小さいうちは良いのですが、小さなフィルターで砂利も敷いていない環境だと金魚が少し大きくなってくれば典型的な濾過不足に陥ります。
濾過不足は一見問題が無いように見えますが着実に金魚にダメージを与えていますし、また臭いや病原菌が繁殖しやすい環境であります。
病気になったということは普段から負担をかけて体力を弱らせていことに他なりません。
フィルターの濾過能力をカバーするために砂利を敷くのは勿論のこと、大きくなってきたら上部式フィルターや外部式フィルターなどの強力なフィルターを検討した方が良いでしょう。
安く手頃に濾過能力を上げるには底面式フィルターがオススメです。
関連底面フィルターの仕組みと使い方!より能力を上げるコツなど
まとめ、個人的な所感
金魚と言えば人によって難しい印象があるのではないでしょうか。
しかしながら金魚の祖先でもあるコイやフナはどのような環境でも生き、海外では危険度が最も高い外来種となるほどクソ強い生き物です。
(日本でもそうですが)
正しい飼い方を知り、基本さえ抑えておけば失敗することは少ないです。
是非チャレンジしてみて下さい!
飼いたい金魚を見つけてみよう:金魚図鑑一覧
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この記事へのコメント
良かったです🌟金魚を飼おうと思っていたので役立ちました