高水温でも飼えるサンゴを検証してみた!32度超えでも飼育できるサンゴがいた!
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数々のサンゴ飼育していると思ったより丈夫なサンゴがいるもの。
じゃあ別にクーラー無しで飼えるサンゴがあるんじゃね?と思ったので検証しました。
検証の結果、クーラー無しの高水温、32度でも飼育できるサンゴがいたので紹介します!
実験環境
実験に使用した環境は以下の通りです。
水槽サイズ | 横30cm×奥30cm×高さ40cmの30cmハイタイプで水量は30Lちょい |
---|---|
濾過 | プロテインスキマーの海道達磨のみ |
照明 | volxjapan Grassy Ledio のRS122 リーフブルー(24W) |
硝酸塩濃度 | 10ppm |
入っている魚 | シリキルリスズメダイ1匹(3cmほど) |
フィルターや水流設備などあれば良いものを撤廃し、必要最低限で本当に必要な箇所である照明やプロテインスキマーにスペックを盛った環境になっています。
照明について
使用した照明はボルクスジャパンのグラッシーレディオRS122 リーフブルーです。
ブルー系のフルスペクトルランプで消費電力は24Wと強力なライトになっていて、30cm水槽なのでこれひとつで幅広いサンゴを育成することができます。
RS122はボルクスの最上位モデルとなっていますが122系(2W LEDが12個モデル)の廉価版である073系(3W LEDが7個)のものでも良いと思います。
色揚げとか気にするとより良い波長の方が欲しくなってしまうんですが・・。
ウミアザミやミドリイシなどの浅場のサンゴだとより白く強い光の方が最適です。
硝酸塩濃度について
まだ立ち上げて少しですが、水槽に対して強力なプロテインスキマーを使っていることに加え生体も少ないため10ppmぐらいを維持しています。
難しいサンゴでなければ十分飼育できる硝酸塩濃度になっています。
水流ポンプは無し
今回は水流も無くて飼育できるサンゴがあるよとアピールしたいので敢えて外しました。
このセットでナガレハナサンゴなど水流を必要とするサンゴを飼う場合は水流ポンプが必要になります。
また水流を入れることによりゴミもたまらくなりスキマーに吸収されるので浄化能力も上がり入れられる生体の数も増えるメリットがあります。
実験した季節
本実験は7月に行いました。
部屋のクーラーも入れていませんのでグイグイ水温が上がる環境です。
曇りや雨で気温が低い時と晴れで暑い日のサンゴの様子を観察していきます。
実験したサンゴ
今回の実験でテストしたサンゴを紹介します。
マメスナギンチャク
通称マメスナ。丈夫で初心者向けのサンゴです。
カラーや色のパターンに様々なバリエーションがあるため初心者のみならず、上級者にも人気があるサンゴです。
種類によって多少成長速度やタフさが変わるため、何種類か入れて観察します。
ウミキノコ
こちらも初心者向けのサンゴのウミキノコです。
管理が悪くなりがちなホームセンターなどで、売れ残りのウミキノコが成長してマタンゴになっていることもあるほど丈夫な種です。
色彩は大きく分けてピンク色のものとグリーンのものがありますが、今回は入手のしやすいピンクのものを入れています。
ディスクコーラル
マメスナに次いで丈夫・カラフルが揃ったサンゴがディスクコーラルです。
マメスナと同じく様々なカラーがありますが、大体単色なのでマメスナほどバリエーションはありませんが、その分ライブロックを一色で埋め尽くせることができます。
特に赤いものは定番のカラーです。
今回はバブルじゃない通常のディスクコーラルを2種類入れています。
スターポリプ
綺麗で丈夫なサンゴといえばスターポリプも外せません。
草原のようにたなびく姿はとても美しいので上級者まで親しまれているサンゴです。
輝くように綺麗なため難しいイメージを持たれることがありませんが、そんなことはありません。
雑草です。
今回はグリーンタイプのものを入れました。
ウミアザミ
やや難しいサンゴの代表としてウミアザミもチョイスしました。
ウミアザミはソフトコーラルの中では難しい位置付けのサンゴですが、綺麗な水と水流があれば容易に育てることができるサンゴです。
環境が合えばこちらも雑草のごとく増えます。
入れたのはシロスジウミアザミで沖縄産のタフなタイプです。
28度の様子
まずは曇りが続いて30度はいかなかった日のサンゴを様子を見ていきましょう。
水温計を見てみると「28.4度」となっており結構暑いです。
※観察するタイミングは照明開始から十分過ぎた時間(4~6時間後ぐらい)でチェックするようにしています。
観察したタイミングが夕方なのでお昼過ぎはどうなっていたのやら・・・(¬з¬)
マメスナギンチャク
特に変わった様子は見られません。
流石マメスナ28度超えでも余裕ですね。
ウミキノコ
こちらはポリプの開きが悪くなっています。
ウミキノコが一番丈夫なイメージの方って多いと思うんですが個人的にはマメスナとスターポリプがダントツで丈夫だと思っています。
とはいえ1次ポリプは伸びているので28度を超えないようでしたら問題無く育成できるようですね。
ディスクコーラル
こちらも弱っている様子には感じません。
マメスナと同じくディスクもかなーり丈夫なので非常にオススメのサンゴです。
特に赤いのは綺麗な割にとても丈夫なので気に入っています。
スターポリプ
マメスナとディスクがいけるんならスターポリプもいけるでしょう!・・・いけました!
ちょっとポリプの密度が悪いんですが、これは温度というより水流が無いことが原因ですね。
何にせよ28度程度ではダメージを受けていないようです。
ウミアザミ
ウミアザミはやや弱ったように見えます。
ウミキノコの仲間は高水温に弱いんでしょうか。
32度の様子
次に晴れの日が続いて30度をゆうに超えた環境でサンゴを観察します。
写真の水温計は計測時点の夕方のもので「32.3度」、なんと32度超え!
日中だったらどうなっていたんだろうと恐ろしい水温です。
というか水槽に手を入れるともうお湯です。大丈夫か!?
マメスナギンチャク
・・・何も変わりません!すげぇ!!
32度という高水温ながら全く弱る素振りを見せいないマメスナ・・・強い・・。
マメスナギンチャクは高水温でも飼えるサンゴということが分かりました。
ウミキノコ
あっ・・・。ですよねー。
ウミキノコは高水温だと全くポリプが出なくなりました。
流石に32度はダメだったようです。
だってお湯ですもん。そりゃ弱ります。
29度超えの様子
その後曇りなどが続いた涼しい日になるとポリプを出すようになりました。
写真は29.3の時の写真ですが、短いもののポリプを出している様子が観察できました。
やはりウミキノコの高水温ボーダーは28度未満のようですね。
ディスクコーラル
続いてディスクコーラル!
こちらもややしぼんだかな?と気持ち感じられるくらいであまり変わっていません!
意外と高水温でも生存できるサンゴがいるようでビックリです(¬з¬)
スターポリプ
やや弱くなっていますが生存しています。
スターポリプはちょっと難しいイメージがありがちですが32度でもなんのその。
やはり雑草でした。
その後の様子
その後しばらくすると全くポリプが出なくなりました。
どうやら一時的な高水温に強いだけのようで高水温が続くとダメみたいです。
ウミアザミ
こちらはやっぱりダメでした。
完全にポリプが縮んでいます。
28度の時点で怪しかったのでまぁそうなるよね・・・。
サンゴ初心者からのステップアップとしてオススメされるウミアザミでしたが、やはり高水温はダメだったようです。
しかしながらマメスナギンチャク、ディスクコーラル、スターポリプは32度超えの環境でもしっかりとポリプを開いてくれるということが分かりました!
実験外情報、ハードコーラルは?
メイン水槽で真夏にクーラー付け忘れ、晩仕事から帰ってくると31度超えの「31.2度」になっていました。
晩で31.7度なので日中なら32度を超えていた可能性が高いです。
これにはヤバイと思いつつ、その時のサンゴの様子を紹介します。
バブルコーラル
完全に縮んでしまっています。
丈夫なハードコーラルのバブルコーラル(ミズタマサンゴ)ですが、やはりクーラーは必須なようです。
トランペットコーラル
完全にポリプが閉じています。
こちらも丈夫なハードコーラルとして知られるトランペットコーラルですが、飼育にはクーラーが必須です。
ナグラトサカ・ヤナギカタトサカ
ナグラトサカは2次ポリプが出なくなり、1次ポリプも縮んでしまいました。
奥にいる紫のものがヤナギカタトサカですがナグラと比べるとダメージを受けていないようですが、こちらも弱っています。
オオウミキノコ
ポリプの開きが悪くなりました。
あれ?ウミキノコは29度でもほぼ開かなくなったんですがオオウミキノコは違うようです。
ふーむ・・・。謎。
その他のサンゴ
検証水槽で検証したサンゴ達です。
やっぱマメスナは強いっすね。最強。
クーラーを入れてある程度下がった様子
クーラーを入れてしばらく経った様子です。
下がり始めて水温が「28.2度」になったタイミングです。
弱っていたサンゴは水温を下げることによってもとに戻り始めました。
やっぱり大部分のサンゴにはクーラーは必須ですね。
結論:やっぱりハードコーラルはダメみたい
やはりクーラー付け忘れるとハードコーラルは明確に弱ります。
その後クーラーを作動させて1日様子を見ましたが、元気そうな姿を見せてくれました。
クーラーは必須ですね。
あとはマメスナは衰える様子が見えません。強すぎ。
高水温、クーラー無しでも飼育できるサンゴまとめ
今回の実験では別にクーラーが必須じゃなくても飼えるサンゴはあるということが分かりました。
欄外実験も含め実験の結果をまとめます。
マメスナギンチャク | ◎ |
---|---|
ウミキノコ | × |
ディスクコーラル | ○ |
スターポリプ | × |
ウミアザミ | × |
ナグラトサカ | × |
ヤナギカタトサカ | △ |
バブルコーラル | × |
トランペットコーラル | × |
つまり32度という高水温でも飼育できるサンゴは以下の通りです!
マメスナギンチャク
マメスナギンチャクは32度超えという高水温でも全く弱る素振りを見せませんでした。
育成が簡単で丈夫なため初心者にオススメされるソフトコーラルの代名詞ですが、高水温においても素晴らしい丈夫さがありました。
マメスナの魅力は色々なカラーバリエーションを集めてマメスナ畑を作ることだと思うので是非様々なマメスナギンチャクを集めて見てほしいです。
増えるスピードも早いため気に行ったマメスナを集めて自分だけのマメスナ畑を作りましょう!
ディスクコーラル
ディスクコーラルも高水温に耐えれるソフトコーラルです。
丈夫で初心者にオススメされるソフトコーラルのひとつで、検証ではややしぼんだかな?と思うものの明確に弱った様子はなく高水温に耐えてくれました。
こちらも様々なバリエーションがあり楽しみ方はマメスナギンチャクと似通っています。
マメスナはマウス部分とエッジの長さ、カラーなどバリエーションが豊富ですが、こちらは単色のものがほとんどなのでライブロックを一色で埋めることができます。
特に赤色のものは定番のカラーで増えやすいこともあって赤い水景を作ることが容易なのでオススメのサンゴです。
最後に
実験をしたのは7月中旬ということもあり夏本番手前でまだ暑くなる時期ですが、猛暑日はクーリングファンを使用することにより対応ができると思います。
流石に34度とかお湯になるともはや魚すらダメなので33度未満になるように心がけましょう。
(検証してないためもしかしたら34度も飼育できるかもしれませんが・・・)
というか33度を超えちゃうとそもそも淡水の熱帯魚とかも飼えなくなるレベルなので、「クーラーが無いからサンゴ飼育できない」と考えているなら是非マメスナやスターポリプあたりにチャレンジして欲しいと思います!
余談:魚は無事か?
余談ですが32度の環境でもシリキルリスズメダイは生きてます。
こいつも強いですネ!
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