海水魚の水槽は30cm、45cm、60cmのどれが良いか?解説など
公開:
更新:
「海水魚の飼育を始めたいけど水槽サイズはどれを選んだらいいの?」
そんな初心者向けに30cm未満~60cm水槽までの水槽サイズに対してメリットとデメリットを解説していきます。
私が初心者にオススメするサイズも紹介しますので、お読みいただければ幸いです。
30cm未満の水槽
横幅が15cmや20cmなどの20Lを超えないサイズは小型で置きやすく、費用もかからないため一番手頃な水槽です。
そのためまずはこのクラスから始めてみようと考える人が多いのですが飼育には適しておらず、失敗することが多い水槽サイズです。
熟練者の方が道楽で飼育するようなサイズと思ったほうが良いでしょう。
飼育に適さない理由
海水魚は水温が変化することに伴って体力を消費してしまいます。
これは人間も同じで季節の変わり目などでは体長を崩しやすく病気になりやすいです。
小型水槽では水量が小さいため昼の暑さと夜の寒さで水温が大きく変化してしまい、魚の体力を多く奪ってしまうのです。
その結果、白点病やトリコディナなどの病気になりやすかったり衰弱死につながってしまいます。
もし小型水槽で飼育が長続きせずにうまくいかないのは大体これが理由です。
小型水槽で飼育できる海水魚
ルリスズメダイやシリキルリスズメダイ、ヨスジリュウキュウスズメダイなどの小型スズメダイはとても強健で病気知らずのため、小型水槽でも飼育できる海水魚です。
小型水槽では水温変化による体力の消耗が激しく厳しい飼育環境ですが、小型スズメダイ類でまとめれば小型水槽でも海水魚飼育を楽しむことができます。
小型スズメダイはとても丈夫で海水魚らしい綺麗な体色をしているため初心者によくオススメされる海水魚のひとつです。
飼育できる魚の数
3~4cm程の小さな海水魚の場合だと1~2匹ほど飼育が可能です。
10Lあたり1匹が目安です。
30cmキューブ水槽
30cmキューブ水槽は横30cm×奥30cm×高さ30cmと、全てが30cmの正方形の水槽サイズです。
正方形型の空間となるのでレイアウトもしやすく飼育者の個性が出やすい水槽です。
30cmキューブ水槽は定番の水槽サイズになりますので愛用者も多く、他の人が作ったレイアウトを真似しやすいのもポイントです。
使い回ししやすい丁度良いサイズ感も良いヨ!
飼育しやすさ
水量が20Lを超えているためある程度は水温が安定します。
とはいえばまだまだ小型水槽であることは変わりないため日中の温度変化を受けやすく、病気に強い海水魚でまとめておくのが良いでしょう。
例えばカクレクマノミなど、一般的な丈夫さの海水魚は失敗することも多く初心者には長期飼育が難しい水槽サイズです。
飼育できる海水魚
先述した小型スズメダイに加え、「テールスポットブレニー」や「モンツキカエルウオ」などのギンポ・ブレニー類や、「ハタタテハゼ」や「アケボノハゼ」などの遊泳ハゼ、「ハタタテネジリンボウ」や「ヤシャハゼ」などの共生ハゼ、「イエロージョーフィッシュ」などの巣穴を作るハゼ、「イエローコリス」や「ニセモチノウオ」などのベラ類など丈夫と呼ばれている海水魚を飼育することができます。
しっかりした飼育設備と水換えを行い、適切に飼育環境を維持することでカクレクマノミやロイヤグルラマなどの海水魚も十分飼育できるようになりますが、初心者にはやや難しいでしょう。
飼育できる海水魚の数
3~4cm程の小さな海水魚の場合だと2~3匹ほど飼育が可能です。
オススメの飼育方法
水槽が小さいため魚を多く入れることができないため、魚の種類を絞って専用水槽にするのも良いでしょう。
例えばイエロージョーフィッシュ専用水槽にすると巣穴から様子を伺う愛嬌ある様子を観察できるため、愛着が沸きます。
他にも共生ハゼをメインに据えることで共生の様子を観察でき鑑賞が楽しくなります。
とはいえ飼育スタイルは人それぞれのため自分が入れたい海水魚を入れるのが一番です。
病気になりやすいんだ・・・飼うなら大切に飼ってあげたいし・・・。
カクレクマノミとかはもうワンランク上を選んでおいたほうが失敗しないのでオススメ!
45cmレギュラー水槽
45cmレギュラー水槽は横45cm×奥30cm×高さ30~36cmの水槽です。
30cmキューブ水槽と比べて横が1.5倍になっているため横に広々とした空間があり、広い分レイアウトも凝ったものが作りやすいです。
小さい水槽と比べて病気になりにくくなり、かつ45cmというコンパクトさがあるため汎用性の高い水槽のひとつです。
病気のなりにくさ
ここまでくると病気になることは少なくなり、たまに病気が見られる程度に収まります。
水温変化が抑えられるため病気になりにくく、多くの海水魚が安定して飼育できるようになります。
病気になりやすいと言われている海水魚を除くと病気になることはあまりありません。
小型水槽であれば病気を治しても体力低下により再発してしまうため、現状の水槽で病気にお悩みの場合は45cm以上の大きさの水槽に引っ越すことをオススメします。
飼育できる海水魚の種類
45cm水槽は横幅が広くなり、狭い水槽では泳ぎきれなかった遊泳力の高い小型ヤッコやハギ類が飼育できるラインになります。
30cm水槽で先述した海水魚に加え「キイロハギ」、「ゴマハギ」などのハギ類、「ルリヤッコ」や「チリメンヤッコ」、「フレームエンゼル」などの小型ヤッコ類が飼育できるようになります。
しかしながら白点病にかかりやすいハギ類はこの45cm水槽をもってしても環境によっては病気になりがちになってしまうこともあり、病気になりやすいと言われている海水魚はもうワンランク上の水槽が適しています。
飼育できる海水魚の数
2,3cm程の小さな海水魚の場合だと3~4匹ほど飼育が可能です。
色々飼育できる海水魚が増えたのでついつい魚の数を増やしたく思ってしまいますが、まだ物足りないと感じる方が多いと思います。
その場合は60cm水槽への乗り換えがオススメです。
水温変化も少なくなって病気もあまりしなくなるからオススメだよ!
これより小さい水槽だと白点病やトリコディナと呼ばれる病気になりやすく、治療してもいたちごっこになってしまうんダ!
小型ヤッコ1匹+小型魚2,3匹の組み合わせなんかどうかな?
・・・待って、そうすると4匹だけかぁ・・・少し物足りない気もする・・。
60cmレギュラー水槽
横60cm×奥30cm×高さ36cmの水槽を60cmレギュラー水槽と呼びます。
古くから熱帯魚飼育のスタンダードとして使われている定番の水槽サイズで飼育者も多いのが特徴です。
水量が60Lほどと30cmキューブ水槽の倍以上あるため水質(水温)が変わりづらく病気になることが少ないため飼育に適したサイズと言えるでしょう。
45cmレギュラーサイズを更に横に大きくしたようなサイズになりますのでかなり広く見栄えのある水槽にしやすくなります。
入れる魚の数もグッと増え満足いく海水魚水槽を作ることができるクラスになります。
水量が多くて病気で失敗することは少なくなるし、魚を入れれる数も多いヨ!
病気のなりにくさ
水温変化により魚の体力を消耗させてしまうことがほぼ無いため、病気になりにくく海水魚に快適な環境を用意してあげることができます。
病気に弱い魚や体力が無い魚は60cmクラスの水槽であればうまくいくことが多いでしょう。
上記理由もあり初心者にこそ60cm水槽がオススメと言う熟練者も多いです。
飼育できる海水魚
大型魚以外であれば大体の魚を安定して飼育が可能になります。
白点病にかかりやすいハギ類もこのクラスの水槽以上が飼育に適しています。
60cm水槽になると飼育が難しいかどうかを気にすることはあまり無くなりますが、中にはシマヤッコ、スミレヤッコやチョウチョウウオの仲間など飼育が難しいとされる海水魚には依然注意が必要です。
飼育できる海水魚の数
3~4cm程の小さな海水魚の場合だと60cm水槽では6~7匹ほど飼育することができます。
60cm水槽にもなってくると多く魚を入れることができるので水槽を賑やかに泳がせることができるようになり、様々な魚を入れるコミュニティタンクとして楽しめるようになります。
群れる性質のある「デバスズメダイ」や「プテラポゴン・カウデルニィ」、「マンジュウイシモチ」などの海水魚は最大8cmほどとやや大きくなってしまい小型水槽では数を入れづらいところがありますが、60cm水槽であれば将来を見越して飼育することも可能になります。
失敗しにくいから初心者にこそ60cmがオススメ!と言う人もそれなりに多いヨ!
オススメの水槽サイズってある?
初心者にオススメの水槽サイズ
それでは初心者にオススメの水槽サイズについて紹介、解説していきます。
30cmハイタイプ
30cmハイタイプ(横30cm×奥30cm×高さ40cm)の水槽はコンパクトで置きやすいながら、水量が多いため30cm水槽にありがちな病気になりやすいデメリットをある程度カバーしてくれます。
そのため「カクレクマノミ」などの30cmじゃ心細い「病気に強くない海水魚」でも飼育しやすく、大きい水槽はちょっと・・・という場合にうってつけです。
さらに高さがあるためライブロックを積んで塔のようにした迫力あるレイアウトを作ることができ、見栄えも良くすることができます。
これ以上水槽が小さくなると病気に強くない海水魚は飼育することが難しくなってしまいますので、「費用はできるだけ抑えたいけど、どの水槽サイズを買えばいいのか分からない・・・」といった初心者にオススメです。
45cmレギュラー
45cmレギュラー水槽はある程度水温が変化しないため、病気になりにくく様々な海水魚を安定して飼うことができる水槽サイズです。
このクラスになれば病気になることも少ないため、海水魚を死なせてしまうことがかなり減ります。
あとは海水魚の大定番である小型ヤッコ類が飼育できるのが大きいですネ。
小型ヤッコ類はよく泳ぐので小さな水槽だとストレスを感じて死んでしまうのですが、とても綺麗でTHE海水魚という派手な見た目をしてるので是非水槽で飼育してみて欲しい海水魚です。
また45cm水槽は小型水槽からのスペックアップにも向いています。
30cmからのスペックアップの場合は病気が格段と減り、また単純に1.5倍の空間となるためとても広々使えることになります。
2台目の水槽であればどのようなレイアウトにしたいなども見えてきて、またレイアウトに関して経験値が溜まっているため、30cmから45cm水槽へスペックアップした飼育者は目に見えてレイアウトがよくなることも少なくありません。
大きい水槽だとそれに見合った設備にしなくちゃいけないからある程度小さいのがオススメだヨ!
単純に水槽サイズ分のお金がかかるわけじゃなくて、回りの飼育設備も高くなっちゃうんだ・・・。
おわりに
水槽サイズは様々なサイズがあり、初心者は手頃なサイズを選んでしまいがちです。
しかし小さな水槽だと病気になりやすく自ら失敗を選びにいってるようなもの。
ある程度大きい水槽を選択して海水魚の飼育を失敗しないようにしましょう!
- 30cm未満の水槽は昼と夜で水温が変化しやすく魚の体力を奪ってしまうため、飼育には向かない
- 30cmハイタイプ、45cm水槽が初心者にオススメ
- 大きい方が病気にはなりにくくなるが、それに合わせて設備が高くなっていくため程々のサイズで抑える
また現状小型水槽で海水魚を飼育している方で病気が頻発して、治すたびに病気が再発してしまう悪循環に陥っていないでしょうか。
その場合は水量が小さいことにより水温変化が激しく、魚の体力を奪ってしまっていることがほとんどです。
水槽サイズをスペックアップして病気といたちごっこになっている状況を打開しましょう!
関連海水魚の水槽サイズについて!魚の数や初心者にオススメの大きさは!?
シェアしてね!
Sponsored Link
この記事へのコメント