パイロットフィッシュとは!?メリットと入れた方が良い例【海水】
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水槽の立ち上げ時に使用されるテストパイロット的な役割をするパイロットフィッシュ。
マリンアクアでは淡水のアクアリウムより立ち上げをしっかりやらないといけない部分があり、パイロットフィッシュの有用性は高いといえます。
パイロットフィッシュとは何なのか、パイロットフィッシュのメリット、パイロットフィッシュを入れたほうが良いパターンなどを解説していきます。
目次
パイロットフィッシュ(テストフィッシュ)とは?
パイロットフィッシュとは魚が飼える状態かをテストする目的で立ち上げが終わった水槽に始めて投入される魚のことです。
新しく開発された戦闘機が実際に使えるかどうかテストするテストパイロットが語源だと言われています。
パイロットフィッシュは「水槽で魚が実際に飼育できるか?」を確認し、本命の魚を入れても問題ないことをチェックするいわば先遣隊なのです。
パイロットフィッシュは水槽をテストする役割を持つためテストフィッシュとも呼ばれることもあります。
パイロットフィッシュのメリット
名前通りですがパイロットフィッシュの一番の目的は「魚が飼育できるかどうかの最終確認をすること」です。
水槽が立ち上がった状態かを確認できる
水槽をセットしてからはバクテリアが定着するまで水槽の空回しが必要です。
これを水槽の立ち上げと言います。
水槽の立ち上げをやらなくても良いという声もありますが、マリンアクアでは生きたライブロックを入れる以上、立ち上げ期間を設けることが必須です。
バクテリアが定着し終わったら立ち上げが完了するわけなんですが、ライブロックの質や水槽環境などにもよるため一概にどれだけ待てばいいというのは目安でしか無いんです。
以前私が作成した海水魚水槽は何度も水質測定を行って立ち上げが完了までどれだけかかるかを確認しましたところ16日かかりました。
その時の様子はコチラに:海水水槽の立ち上げ方!立ち上がるまでの期間は?
が、これはあくまでも私がその時に作った海水水槽が立ち上がった日数なので、他の方が作った水槽だと異なってくるのです。
立ち上げにかかる時間の目安
一般的には最低でも2週間待ち、できれば1ヶ月待ったほうが良いとは言われています。
現に私が要した16日は2週間を超えていますので私の環境の場合、2週間で魚を入れた場合はダメなケースでした。
水槽を立ち上げて余裕をもって1ヶ月空回しをしてみても実際に水槽が出来上がっているかどうかっていうのは実際のところ分からないんですよね。
そこでパイロットフィッシュを入れて飼育ができているなら水槽が立ち上がったということが確認できるわけです。
測定しなくとも水質の安全性がチェックできる
水質の測定を行って実際に立ち上がったかどうかを確認するのがベストなのですが、立ち上げのためには少なくとも2種類の水質「アンモニア」・「亜硝酸」、できれば「硝酸」を測定する必要があります。
それらの測定キットを揃えようとすると初期費用がかかってしまいます。
測定キットは飼育に役に立つものばかりなので長期的に見るとオススメなんですが、始めたばかりだとどこまでハマるか分からないし低コストで揃えたいと思うものです。
そういう時はパイロットフィッシュを入れて実際に飼育できるかどうか試してみるのが安くて手っ取り早いのです。
水槽サイクルの定着に貢献
パイロットフィッシュはテストだけでなく水槽システムが完全に出来上がるまで貢献することができます。
立ち上げで言われているバクテリアはひとまず「アンモニア」と「亜硝酸」を処理するバクテリアが住み着いたというだけなので、その他にも浄化バクテリアや藻類などが繁茂していき少しずつ水槽システムを作っていきます。
立ち上げが完了しても水槽サイクルが完全に出来上がるまでは長い年月が必要なのです。
パイロットフィッシュを導入すると排泄物を生成するため、それを食べる微生物・藻類が定着するようになり浄化サイクルの生成をスタートさせることができます。
水槽は小さな地球とも言えますし、少しずつ水槽および小さな地球を育てるイメージでしょうか。
あとは水質測定して確認したりすると期間を早められるネ!
パイロットフィッシュを入れた方が良い場合
パイロットフィッシュを入れたほうが良いケースは本命の海水魚が高額な場合です。
いきなり高額な海水魚を入れて、実は水槽システムが立ち上がりきっておらず生体に負担をかけて死なせてしまったではショックが大きいです。
生き物を金額で測るのは賛否両論ありますが、お金がかかっている以上高い金額がロストすることのほうがダメージがでかいに決まっています。
またパイロットフィッシュとして別枠で入れるというだけでなく、水槽には飼育難易度の簡単な海水魚から入れたほうが失敗のリスクを減らせます。
パイロットフィッシュを使ったほうが良い海水魚
じゃあどんな海水魚がパイロットフィッシュを使ったほうが良いかというとシマヤッコとかロア亜属のチョウチョウウオ、マルケサンバタフライなどが高額なため、最初の1匹にはまず入れません。
あとは深場の海水魚も高額なため、バートレットアンティアス、サクラダイなど深場ハナダイもあげられます。
珍しい高額なシーホースを入れたいと思っている場合は安価なシーホースをパイロットフィッシュにしたほうがリスクが減らせます。
カクレクマノミ自身がパイロットフィッシュみたいなもんだネ!
パイロットフィッシュに適した海水魚
パイロットフィッシュの条件は「安い」、「本命の魚を邪魔しない」この2つを満たせば最低限は大丈夫です。
テストとして入れるのですから安価なものに限られ、また本命の魚をおいやったりしない温和な海水魚であることが必要です。
そのほかにも餌を貪欲に食べにくる性格だと良しです。
餌を食べにくてくれないと餌を多めにあげて行き渡らせる必要があり、その結果水が多く汚れてしまいます。
立ち上げたばかりの汚れに対するカバー力が低く、餌を処理することがでずに急激に水質が悪化してしまい本命の魚を入れるまで遠のいてしまいます。
オススメのパイロットフィッシュ
パイロットフィッシュとして特によく使われるのは「デバスズメダイ」です。
デバスズメダイは安価で丈夫、綺麗という特徴を持っており、また性格が温和で大きくならないため後から本命の魚を入れる場合に邪魔になりません。
その他にもマンジュウイシモチやカクレクマノミもパイロットフィッシュとして使われることがあります。
他にもパイロットフィッシュに適した海水魚は様々いますが、以下の記事で紹介していますのでお読みいただければ幸いです。
関連パイロットフィッシュとは!?メリットと入れた方が良い例【海水】
小型スズメダイはパイロットフィッシュに不向き
デバスズメダイはよくパイロットフィッシュに使われますが、似たような「ルリスズメダイ」や「シリキルリスズメダイ」など他の小型スズメダイはパイロットフィッシュに向きません。
価格が安くとても綺麗なためそういう意味ではパイロットフィッシュに向いた海水魚なのですが、性格が荒く他の魚を追いやってしまう性質を持っています。
そのため後から本命の海水魚を入れた時に追い回して最悪殺してしまうことがあるためです。
特に初心者はその性格の荒さを知らず、落とし穴にハマりやすいので注意が必要です。
(もちろんルリスズメなどをメインにする水槽の場合は問題ありません)
定番はデバスズメだネ!
あとパイロットフィッシュは最初から入れてもええの?
パイロットフィッシュを入れるタイミング
パイロットフィッシュを入れるタイミングは水槽システムが立ち上がったかな?と判断したい時です。
水槽の立ち上げにはライブロックを入れてから2週間から1ヶ月かかります。
そのためパイロットフィッシュを入れるタイミングは2週間から1ヶ月経過後になります。
パイロットフィッシュを入れる数日前には水槽の半分~8割程度の水換えを行っておき、汚れの蓄積をリセットしておきましょう。
パイロットフィッシュが死んでしまった場合は?
もしパイロットフィッシュが不調だったり死んでしまった場合は水槽が立ち上がっていない可能性が高いということになります。
死んでしまった場合は水質が悪化しないようすぐに死骸を取り除き、再度1週間~2週間待って水槽の立ち上がりを待ちましょう。
またパイロットフィッシュが死んでしまう条件としては水合わせが不適切なケースもありますので、導入方法に問題はなかったかを見直して下さい。
関連いきなり水槽に入れてはいけない!?水合わせの必要性とやり方!
パイロットフィッシュのまとめ、要点
- パイロットフィッシュは新しい水槽で魚が買える状態かをテストする海水魚
- 安価で温和なものが適しており、よく使われるのはデバスズメ
- 高い海水魚を入れる前にはパイロットフィッシュを入れて状態をみたい
パイロットフィッシュとして魚を投入せずに水槽を立ち上げる人も少なくありません。
パイロットフィッシュとして考えるよりかは安いものを先に投入すれば失敗したときのリスクが減らせますという感じですね。
もうそれがパイロットフィッシュっていう話で、愛好家は意識せずにやってます。
カクレクマノミや小型スズメダイをメインにする水槽であればそれ自体がパイロットフィッシュと言えるでしょう。
あとパイロットフィッシュは安くて温和なら何でもいいのですが、パイロットフィッシュとして軽視せずに見ていて鑑賞が楽しめる海水魚がオススメです!
次にオススメ!:
・パイロットフィッシュ(テストフィッシュ)にオススメの海水魚!
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