初心者向け海水水槽の作り方!水族館で見たあの魚を飼おう!
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「水族館で見た魚、青い宝石みたいで綺麗だったなぁー・・家にも欲しいなぁー」
実は綺麗な海水魚は意外と簡単に飼えるもので、水族館に並ぶ綺麗な魚はホームセンターでも取り扱いがあるほどメジャーなペットになっています。
もちろん最初から水族館で見たような綺麗な水槽を目指すとそれなりの必要がかかってしまいますが、まずは小さな水槽でこじんまりと海水魚飼育を始めて見ませんか?
そんなビギナーに向けた海水水槽の作り方を紹介します。
仕事から帰ってきた時にボーッと眺めてたい・・・。
ペットショップとかで300円ぐらいで売ってるやつだネ!
確かにサンゴ育成するとなるとちょっと難しいけど、このルリスズメなら簡単に飼える海水魚だヨ!
色々と教えてあげるからやってみてはどうかナ!?
仕事から帰ったら沖縄の魚たちの箱庭を見てリラックス・・・・素晴らしいリラクゼーションだネ!
本記事で作る水槽のコンセプト
まずは始めて見ようと思っている初心者向けに水槽セットを考えました。
作る上でポイントとしたのは以下の点です。
- 初期費用がかからない小さな水槽であること
- メンテナンスが楽で水換え無しを目指せる設備であること
- 育成が簡単なサンゴが飼えること
- 後々本格的なサンゴ育成にチャレンジすることを想定し、初期設備が無駄にならないこと
「無駄な器具を省略して今後の拡張も見据えた必要スペックを!」がテーマです。
低コストを意識
大きな水槽であればあるほど見応えがありますが、その分器具などのコストがかかってしまうもの。
初期費用を抑えられる小型水槽で海水水槽を作ります。
メンテナンスが楽であること
水に棲む生き物を飼うことはほぼ水換えが必須であります。
しかしながら水換えは手間がかかる作業で出来ればやりたくありません。
そこでトラブルが起こった場合などのイレギュラーを除き、定期的な水換えをしなくていいような水槽システムで構築します。
簡単なサンゴが飼育できる
せっかくの海水水槽なのでサンゴを育成する楽しみができるように設備を選びました。
もちろん低コストを意識した以上、丈夫なサンゴに限ってしまいますが後々「サンゴ育成しよう!」とハマった場合のことを考えて、器具が流用できて無駄にならないようにしています。
この水槽設備で飼える生体
本記事で作成する水槽で飼育できる生体を紹介します。
海水魚
小型水槽のため小型(5cm未満のもの)で丈夫な海水魚を飼育することができます。
例、「ルリスズメダイ」、「シリキルリスズメダイ」、「カクレクマノミ」、「デバスズメ」、「ヨスジリュウキュウスズメダイ」、「プテラポゴン・カウデルニィ」、「マンジュウイシモチ」、「ハタタテハゼ」、「スマイリーブレニー」、「テールスポットブレニー」、「バイカラードティーバック」、「ハタタテネジリンボウ」、「ニセモチノウオ」、「ロイヤルグラマ」、「キンギョハナダイ」、「イエローコリス」、「イエローヘッドジョーフィッシュ」、「ハナビラクマノミ」、「マンダリンフィッシュ」などなど・・・。
その他にも多くの種類の魚を育成することができます。
飼育できる魚の数
3,4cmぐらいの小型魚であれば4匹まで飼育することができます。
5,6cmぐらいのやや大きめの魚は小型魚2匹分くらいのキャパシティを占有しますが、本水槽で飼育することは可能です。
例えば「シリキルリスズメダイ4匹」「カクレクマノミ2匹とハタタテハゼ1匹」、「イエローコリス+シリキルリスズメ2匹」、「ルリスズメ、ヨスジリュウキュウスズメ、シリキルリスズ各1匹」、「ハタタテハゼ+イエローコリス」、「ハナビラクマノミ+ハタタテハゼ+テールスポットブレニー」などの組み合わせがあります。
サンゴ
「マメスナギンチャク」、「ディスクコーラル」が飼育可能です。
特にマメスナギンチャクやディスクコーラルは様々なバリエーションがありますので2種類だけでも色とりどりのサンゴ畑を作ることが可能です。
水槽用クーラーを追加すれば飼えるサンゴ
本記事で作る海水水槽ではコストを抑えるために海水魚及びサンゴの飼育では是非とも欲しいとされている水槽用クーラーを外しています。
しかし水槽用クーラーを取り付ければ「ウミキノコ」、「スターポリプ」、「キクメイシ」、「ブレインコーラル」、「ナグラトサカ」、「ヒメシャコガイ」などが飼育できるようになります。
水流ポンプを追加すれば飼えるサンゴ
水槽用クーラーに加えて水流ポンプを取り付ければ「ウミアザミ」、「ナガレハナサンゴ」、「チヂミトサカ」、「タコアシサンゴ」、「ウスコモンサンゴ」、「ミズタマサンゴ」など一部の特殊なサンゴを除いて幅広くサンゴを育成することができます。
水槽用クーラーと水流を追加すれば設備的にはフルスペックに近い水槽の完成です。
飼育の難しいとされるミドリイシにもチャレンジできる設備になります。
必要な設備
それでは初心者向け海水水槽を作るために必要な設備・飼育用品を見ていきましょう。
水槽
30cmハイタイプ(横30cm×奥30cm×高35cm以上)の水槽を用意しましょう。
30cm水槽だとキューブ水槽(横30cm×奥30cm×高30cm)がメジャーですがハイタイプのものがオススメです。
オススメの理由は単純に水量が増えるため魚が病気になりにくいことと、水が蒸発してもあまり見た目が変わらないので足し水をサボれることです(←ここ重要)。
ハイタイプの水槽が無い場合は30cmキューブ水槽でもOK
30cmハイタイプは通販サイトであれば容易に入手できるのですが、通販を使わない場合は常備していないショップもあります。
その場合は30cmキューブ水槽(横30cm×奥30cm×高30cm)で代替してください。
少し水量が少なくなってしまうため病気になりやすいことと、高さが無いため水が蒸発すると印象が変わってしまうので足し水をこまめにしなければらないデメリットがあります。
そのため出来ればハイタイプ(高さ35cm以上のもの)がオススメです。
費用
3,000円程です。
水量が丁度良いのも30cmハイタイプ水槽だヨ!
プロテインスキマー
プロテインスキマーは泡の力でフンや食べ残しなどの汚れを除去する浄化装置です。
水換えをしないシステムを目指すため強力なベンチュリー式のプロテインスキマーである「カミハタの海道達磨」をチョイスします。
ベンチュリー式のプロテインスキマーは強力なのですが設置には専用の水槽が必要だったりして敷居が高くなっています。
しかし海道達磨は強力なベンチュリー式ながら外掛けユニットが付属しており水槽に掛けて使えるタイプのプロテインスキマーになっていて、小型水槽にも強力なプロテインスキマーを導入することができるのです。
代替製品
ベンチュリー式で外掛けタイプのプロテインスキマーは2017/07/12現在「カミハタの海道達磨」の他に、「レッドシーのプリズムスキマー」、「ゼンスイのエターナルナノスキマーQQ1」があります。
個人的には実際に使っていることもあり海道達磨がオススメですが、上記スキマーも魅力的なプロテインスキマーなのでネットで調べてみて下さい。
安価なプロテインスキマーではダメ?
ウッドストーンを利用したエアリフト式がリーズナブルですが、ウッドストーンを定期的に変えなければならないため手間とコストがかかります。
またベンチュリータイプのものと比べると能力もかなり落ちるため水換えが必要になってしまったり、飼育できる魚の数が少なくなってしまいます。
エアリフト式のものにする場合は水槽に入れる魚の数を半分にして調整して下さい。
費用
海道達磨は20,000円ほどで販売されています。
それにプロテインスキマーは水の浄化能力に直接影響するから能力の低いものを選んでしまうと飼える魚の数が少なくなってしまったり、水換えする必要が出てしまうんダ!
照明
照明設備は「ボルクスジャパンのグラッシーレディオRX122コーラル」または同モデルの「RX122リーフ」がオススメのLEDランプです。
どちらもサンゴ育成用のフルスペクトルLEDランプで出力は24Wと30cm水槽であれば。特に強力な照明を必要とするサンゴを除きこれひとつでサンゴ飼育の照明に関してはクリアできます。
LED交換球タイプのものになりますので後からシステムLEDやメタハラに切り換えた場合でもスポット点灯として使用ができるので下手に安い照明設備を買うよりかはコスパが優れています。
RX122リーフとRX122コーラルの違い
RX122コーラルは青いLEDランプでサンゴの蛍光色が反応して光るようになり非常に綺麗ですが、反面青みが強いので自然っぽさが無く魚の鑑賞には向いていません。
青みが強いと感じた場合は「RX122リーフ」を選択すると良いでしょう。
白に近いLEDランプで自然な感じになるためルリスズメダイなど青い海水魚の場合は青さに溶け込まずハッキリと見えるようになるのでこちらのほうが良いかもしれません。
24時間タイマー
サンゴ育成には規則正しい照明リズムが必須です。
手動でやると仕事や私用なのでどうしてもムラが出てしまいますので24時間タイマーを利用して自動的にON/OFFされるようにしましょう。
費用
LED交換球は取り付けるソケットが必要で専用のライトスタンドのレディオアームと合わせると22,000円ほどです。
24時間タイマーは1,000円ほどですので合計23,000円ほどになります。
海水魚だけなら安いライトでも良い
サンゴ育成を諦めるなら適当に安い照明でも構いません。
そちらの場合は3,000円ほどになりますので、まずはこちらを選択しても良いでしょう。
サンゴがいないため24時間タイマーも不要です。
これひとつで多くのサンゴ育成ができる強力な照明だヨ!
水中ヒーター
海水魚は温暖な地域に生息している場合がほとんどで冬の季節を過ごすことが出来ません。
そのため冬場は水中用ヒーターを使用して加温する必要があります。
熱帯魚用に売られている水中ヒーター、つまり25度または26度に設定できるものならワット数(温めるパワー)が足りていればどのヒーターでも構いません。
30cm水槽及び30cmハイタイプの水槽の場合、100W以上であればOKです。
サーモスタットという温度調節器具に接続して使う温めるだけのヒーターもありますので、それを間違って買わないようにだけ気をつけて下さい。
本記事の水槽では「GEXのスタンディ SH120」を使用しています。
費用
2,000円ほどです。
加温が必要なのは24度を下回る寒い季節なので寒くなるまで買わないのも手です。
サーモスタットが必要なヒーター単体のものだけ避けてネ!
ヒーター単体のものはサーモスタットと接続して使うやつだヨ!
温度計
水中の温度を目視で確認して適した温度になっているかをチェックするための設備です。
安価なアナログ式のものと数値で表示されるデジタル式のものがありますが、好みで選んでも良いでしょう。
個人的にはデジタル式のものが測定が早く見やすいのでオススメです。
でもアナログ式のものも味があってそれはそれで良いとも思います(¬з¬)
費用
アナログ式は200円ほど。
デジタル式は1,000円ほどです。
サンゴ砂
底に敷く砂利です。
海水魚はほぼ例外なくサンゴ砂が最適な底床です。
粒の大きさが色々ありますが細目タイプのものを選択して下さい。
本水槽サイズであれば3リットルもあれば十分な量です。
細目タイプのもの以外は?
パウダータイプのものは砂中にゴミや病原菌が溜まりやすくある程度経過すると、病気になりやすい環境になってしまいます。
逆に大きすぎると隙間にゴミやフン、食べ残しが落ちてしまうためこれもまた良くない環境になってしまいます。
丁度良いのが細目タイプです。
費用
1,000円ほどです。
ライブロック
「サンゴの死骸などの骨格をベースに微生物や小さな生き物が付着している海中の岩を採取したもの」がライブロックです。
水の浄化能力を持っていてプロテインスキマーで除去しきれなかった汚れを浄化してもらうために導入します。
自然から採取された岩ということもあり、水槽の見た目もグッと良くなります。
費用
作るレイアウトにもよりますが3,000~8,000円くらいです。
わざわざ自然から採集している岩なので通常の岩と比べると割高感がありますが、普通の石と比べると浄化性能が備わっているため効果が期待できます。
わずかながら取り残してしまった汚れを浄化するのがライブロックの役割なんだ!
今回はそのフィルターを使わないシステムだからライブロックは必須だヨ!
人工海水
粉を溶かして使う人工海水がオススメだよ!
人工海水は海の成分が含まれているヨ!
飼育水に用いる海水は人工海水がオススメです。
人工海水は水道水に規定量溶かすことにより簡単に海水を作ることができます。
海水魚用の人工海水であればなんでも構いません。
栄養が必要な生体はサンゴになりますが、本セットで飼えるサンゴは栄養に対しては気を使う必要がありません。
費用
レッドシーから販売されているレッドシーソルトの210リットル(バケツ入り)は3,000円程です。
立ち上げ時だけで良い場合、少なくても大丈夫ですがある程度大きいものを購入したほうがランニングコストは安く済みます。
例えば同製品の60リットルパッケージのものは1500円程のためリットルあたりの値段が安くなってきます。
オススメは多めの徳用タイプです。
比重計
比重計は海水の塩分濃度(比重)を測定する器具です。
人工海水より海水を作る際に適切な量溶けたかどうかを確認するほか、たまーに水槽の比重を測って問題が無いかチェックするのに使います。
塩分濃度が高すぎたり低すぎたりすると魚が生きれない環境になってしまいます。
必ず比重計を使って問題がないかを確認しましょう。
本記事では「テトラのハイドロメーター」を使用しています。
費用
1,000円ほどです。
カルキ抜き
水道水にはカルキ(塩素)という魚に有害な物質が含まれており、それを無害化するのがカルキ抜きです。
人工海水にカルキ抜きが含まれているのもありますが、水が蒸発してしまった分を足す時に使用するので別途必要になります。
本記事で使ったのは「テトラのコントラコロライン」です。ほぼ足し水にしか使いませんので小さいものでも構いません。
費用
テトラのコントラコロラインは100mLタイプのものが500円程です。
硝酸塩測定キット
水が透明だからといって汚れていないわけではありません。
透明であっても目に見えない汚れがたまっており魚やサンゴにダメージを与えています。
水がどれだけ汚れているかどうかは測定してみないことには分かりません。
水の汚れの指標として硝酸塩および硝酸塩濃度を測定するのが一般的です。
硝酸塩濃度はフンや食べ残しから生成される毒素であり、硝酸塩濃度が高いと魚が弱ってしまいます。
硝酸塩測定キットを使用して水に問題がないかを確認しましょう。
本記事では「レッドシーの硝酸塩測定キット」を使用しています。
費用
使用したレッドシーの硝酸塩測定キットは3,000円ほどです。
本当に必要なの?
それと同じで確かめてみないと分からないんダ!
見た目だけではヤバそうか判断するのは難しいヨ!
魚の餌
海水魚専用の人工飼料が販売されていますのでそれを与えます。
小型魚が食べれるようなサイズの粒であればなんでも構ません。
最もメジャーなのは「マリンテックのSURE(シュアー)」と「キョーリンのメガバイト」でしょうか。
数cmぐらいの小魚を買う場合は減る量が少ないため小瓶のものでもずっと使えるくらい減りません。
水槽を増やしたり、大きな魚を買ってやっと餌を買い足す必要があるくらいです。
費用
1,000円ほどです。
補足:フィルターは必要ない?
今回の水槽セットでは一般的に使用される飼育設備であるフィルターを使っていません。
強力なプロテインスキマーを主軸において取り残しをライブロックで浄化するシステムのためフィルターを設置する必要がありません。
もしライブロックを使わない場合はフィルターを設置する必要がありますがライブロックでは浄化できてフィルターでは浄化できない毒素があり、フィルター主体にしてしまうとどうしても水換えが必要になってしまいます。
ライブロックを入れると見た目もグッと良くなりますのでフィルターを設置するよりかはライブロックを設置するのがオススメです。
ライブロックは少なすぎないように
フィルターの代わりにライブロックで浄化しているためライブロックが少ないと浄化能力が低く汚れを浄化しきれません。
ある程度のライブロックを入れるようにしましょう。
目安としては水槽内で1/5~1/10くらい占める量があれば良いでしょう。
水槽の組み立て
まずはライブロックを除いた飼育設備を用意して水槽を設置します。
セット時に最低限必要なのは以下の飼育設備です。
- 水槽
- プロテインスキマー
- 温度計
- サンゴ砂
- 人工海水
- 比重計
- 水中ヒーター
照明や魚の餌などは後からでも構いません。
水槽の設置
まずは水槽を置きたい場所に水槽を設置しましょう。
今回セットする水槽は30cmで小型水槽に属しますが、それでも50kgの重さがあります。
特にテーブルの上や下駄箱の上、カラーボックスの上は耐えきれない場合が多いので避けたほうが無難です。
また直射日光も避けることがポイントです。
それに魚は水温が変動してしまうと体力を奪われて病気になりやすくなっちゃうんダ!
太陽をあてちゃうど日中は熱くて夜は冷えちゃうから絶対に避けてネ!
底床のセット
次に底床であるサンゴ砂を入れます。
白濁が少なくなるまで水洗い
新品のサンゴは自然採取されているためゴミや濁りがあります。
買ってきたサンゴ砂は水槽に入れる前に洗って使いましょう。
何回かに分けてバケツで洗い、白濁りが少なくなる無くなるまで洗います。
底床、サンゴ砂の厚さ
洗ったサンゴ砂を水槽に投入していきます。
敷く厚さに関しては1,2cm程でも十分です。
底が見えない程度で構いません。
厚く敷くと汚れがたまりやすくなってしまうため、多くてもライブロックを支えれる程度に押さえておくのが良いでしょう。
まずは薄く1~2cmぐらいに薄く敷いてライブロックを設置する際に追加して調節します。
厚くするほどライブロックは安定しますが反面病気になりやすい環境になってしまいますので注意して下さい。
各種器具のセット
次にプロテインスキマーをセットします。
設置には付属の説明書を確認して下さい。
プロテインスキマーがセットできたら温度計、ヒーター、照明設備もセットしていきましょう。
タップを使って電源周りの配線確保も行っていきます。
※電源はこの時点では入れません。
注水
人工海水で作った海水を投入します。
今回は立ち上げ時のため水道水で水槽を満たしてから人工海水を溶かしても良いでしょう。
※通常は必ずバケツで完全に人工海水を溶かしておくのが鉄則です。
入れ終わったら水槽から水漏れがないかをチェックします。
最後に比重計を使って人工海水が適切な量溶かされているかを確認します。
比重計が「1.020~1.024」の値をさすように調節して下さい。
高い場合は水道水と水を入れ変えて、低い場合は少しずつ人工海水を溶かしていきます。
設備動作チェック
プロテインスキマー、照明、ヒーターをコンセントに挿して動作するかを確認します。
問題ないようであればプロテインスキマーとヒーターの電源を入れて水槽システムを開始します!
照明はサンゴを入れるまでは24時間タイマーで動作する必要はありません。
ライブロックの設置
設置した器具に問題が無ければライブロックを導入しましょう。
ライブロックを導入することで自然の浄化システムを水槽に持ち込むことができ、見た目も自然に近くなりグッと良くなります。
ライブロックの購入
ライブロックは海水魚を取り扱っているショップで購入することができ、大型ペットショップや熱帯魚店、ホームセンターなどで取扱があります。
ライブロックの量
水槽のライブロックが少ないと水槽自体の浄化能力が低くなってしまうため、飼える魚が減ってしまったり、水換えする必要がでてしまいます。
ライブロックは水槽の1/5~1/10を占める量は欲しいところです。
逆に多いと水槽に圧迫感がでますので調節して下さい。
ライブロックの選び方
ライブロックは紫色が多いものが浄化能力が高く良質なライブロックといえます。
逆に白ばっかりのものは浄化能力が失っており、もはやライブロックでは無く愛好家の中ではデスロックと区別されています。
ホームセンターなどよく見られますが、管理に問題がある場合はデスロックに変化してしまいますので必ず状態をチェックするようにしましょう。
ライブロックの置き方
買ってきたライブロックはそのまま水槽に入れてセットします。
水の通りを悪くしないように壁と間隔を空けて設置するのがポイントです。
ライブロックの組み方、設置方法にはいくつものパターンがありますが、小型水槽にマッチする初心者にオススメのレイアウトスタイルを紹介します。
山スタイル
山のようにライブロックを組むレイアウトです。
単純に大きめのライブロックを購入して一回り小さいライブロックを前に置いていくだけなので簡単に組むことができます。
ライブロックの組み方に錯誤して行き詰った場合は一旦こちらを組んでみては如何でしょうか。
浅瀬スタイル
低めのライブロックをいくつか置いて砂場を多くしたレイアウトです。
空間が広く使えるため開放感がある他、底にハゼ類や穴を掘る魚などに相性が良いメリットがあります。
使うライブロックの数も少ないのもオススメのポイントです。
ライブロックの量が少なくなりがちなので大きめのライブロックで構築すると良いでしょう。
そのほかのレイアウトパターン
上記に上げたライブロックは一例です。
自分が気に入ったレイアウトが出来ればそれが一番です。
水通りだけ確保するように気をつけましょう。
ライブロックの組み方パターンを詳しく知りたい方は以下の記事でより多く紹介していますので宜しければお読み下さい。
関連海水水槽のライブロックとは!?機能と量や配置・置き方について!
参考:後からライブロックを追加する場合
既に海水魚やサンゴが入っている水槽にライブロックを追加する場合はそのまま水槽に入れてはいけません。
そのまま投入してしまうと水槽に馴染めなかった生物が死滅して水を極度に汚してしまうためです。
水を汚さないためには水槽に投入する前に「キュアリング」と呼ばれる作業が必要です。
キュアリングについては同じく以下の記事で説明していますので、興味がございましたらお読み下さい。
関連海水水槽のライブロックとは!?機能と量や配置・置き方について!
水作り・立ち上げ
水槽をセットしてライブロックも入れて準備が万端!
・・では無いのです!( ˘ω˘ )
ライブロックを入れてしばらくは輸送時のダメージなどで水槽に馴染めなかったライブロック内の生物及び微生物たちがある程度死んでいきます。
加えてライブロック内に住んでいる水を綺麗にする微生物たちの数も大幅に減っているため、導入直後のライブロックは浄化作用どころか水を汚す存在になっているのです。
時間の経過とともに少しずつ微生物が死ぬ量が減っていき、反対に環境に馴染めた微生物たちが増えていきます。
海水水槽の立ち上げのポイントはライブロックの微生物がある程度繁茂すること、つまりライブロックが調子を取り戻すまで待つことです。
ライブロックの微生物が繁茂するまでひたすら待つ
ライブロックに棲む水を浄化する微生物(バクテリア)はいくつか種類がありますがその中でも特に重要なのが「アンモニア」と「亜硝酸」を分解する微生物たちです。
微生物の死骸や魚のフンなどから生成される「アンモニア」は非常に毒性が強く少しでもあると魚が死んでしまうほどです。
「アンモニア」は微生物により「亜硝酸」に分解され、さらに別の種類の微生物により「亜硝酸」は毒性が非常に低い「硝酸」へと分解されるのです。
つまり最低限「アンモニアを分解する微生物」と「亜硝酸を分解する微生物」が繁茂していなければ魚を飼育することができないのです。
必ず有害物質を処理するバクテリアが増えるのを待たないと魚が死んじゃうんダ!
微生物が繁茂するまでの期間は?
それらの微生物たちが繁茂するまでは最低2週間ほどは水槽システムの空回しが必要です。
空回しするのは水を循環させるためです。
また、測定を使って実際に繁茂したかどうかを確認することもできます。
「アンモニアを分解する微生物」が繁茂しているならアンモニアは検出されないのでアンモニア濃度を測定することで確認可能です。
同じく亜硝酸濃度を測定することで「亜硝酸を分解する微生物」が繁茂したかどうかを確認できます。
もちろん画像のように実際に測定してチェックするのがベストではありますが、アンモニアと亜硝酸のチェックはほぼ立ち上げ時しか行わないため測定キットを買っても使い所がありません。
そのため測定しない代わりに余裕を見て長めに待った方が良いでしょう。
本立ち上げではキュアリング済みのライブロックを使用しましたがそれでも10日ぐらいはかかってしまいました。
そのために最低限2週間はから回しが必要で、できれば3週間~1ヵ月待った方がベターではあります。
水質の最終チェック
最終チェックとして硝酸塩濃度を測定します。
生物の死骸やフンは微生物により最終的に毒性の低い「硝酸」へと変わりますが、無毒ではありませんため濃度が高いと魚が飼える環境ではありません。
硝酸濃度を測定して問題の無いことを確認しましょう。
硝酸塩濃度は以下の数値が目安です。
育成が簡単なサンゴ:20ppm未満
海水魚:50ppm未満であれば飼育可能。30ppm未満が理想。
もし上記の数値を上回っている場合は硝酸塩濃度を下げる必要がありますので海水の入れ替え、つまり水換えを行って硝酸塩濃度を下げていきます
硝酸は汚れを測定する目安となるので硝酸塩濃度の測定キットは立ち上げ後も定期的に使っていきます。
シャコのチェック
微生物が繁茂するまで待つ立ち上げ期間中はライブロックにシャコがいないかどうかをチェックしておきましょう。
シャコは持ち前のパンチで魚を襲って食べることがありライブロックに付着して水槽内に侵入する場合があります。
シャコがいると飼育している魚が襲われてしまうので必ず除去が必要です。
しばらく襲われなくてもシャコが成長して大きくなってくるとある日突然魚がいなくなってしまいます。
シャコがいる場合は晩~早朝にかけて「パチッ、パチッ」と音がすることがあります。
これはパンチでライブロックに巣を作っている音です。
シャコが住んでいるライブロックを特定してピンセットで取り出すか巣穴に熱湯を注いで退去させます。
熱湯を注いだ部分はデスロックになってしまうのでやり過ぎには注意して下さい。
生体の投入
硝酸塩濃度に問題がなければお待ちかねの海水魚やサンゴを導入しましょう!
パイロットフィッシュの導入
立ち上げ初期の水槽はライブロックが浄化能力が低く、「アンモニア・亜硝酸」を処理できるようになっても水を浄化する能力はまだまだ本調子とは言えません。
ライブロックがフルパワーを発揮できるようになるまでは半年~1年は必要だと言われています。
水槽としても安定しきっていない状態であるためまずは1匹だけ投入して環境に問題がないかを確認します。
この最初の1匹を水槽が大丈夫かどうか確認してもらうという意味でパイロット フィッシュと呼びます。
微生物が繁茂していない以外にも失敗するケースは無いこともないからネ!
魚の導入時には水合わせをする
購入した魚はすぐに水槽に入れてはいけません。死にます。
魚が今まで住んでいた環境と水槽内の環境が違うためショックを受けてしまうためです。
ショックが緩和するように行う作業を「水合わせ」と呼びます。
水合わせの方法
水合わせの目的は少しずつ時間をかけて水槽の水を魚に馴染ませていくことです。
まず魚が入った袋を水槽に10~20分間浮かべて水温を合わせていきます。
次に時間をかけて少しずつ水槽の水と袋の水を少しずつ入れ替えながら魚に馴染ませていきます。
作業をまとめると以下の手順になります。
- 袋のまま10~30分水槽に浮かべる
- 袋の水を1/4捨てる
- 袋に1/4、水槽水を入れる
- 10分待つ
- 2~4番を3~5回繰り返す。
上記手順後にやっと水槽に入れることができます!
水合わせはとても重要な作業なので魚を水槽に入れる時は必ず行って下さい。
綺麗だよネ!
サンゴを飼う
本記事で紹介する水槽セットであればマメスナギンチャクとディスクコーラルが飼育が可能です。
両者ともサンゴでは珍しく高水温に体制があり水流も必要としないため飼育ができるサンゴになっています。
特にマメスナギンチャク、略してマメスナはかなーりのバリエーションがありますので様々なモザイク模様を彩ってみると楽しめます。
安いLED照明だと色が消えて形もみすぼらしくなってしまうため飼育設備で紹介したようなしっかりした照明を用意するのが良いでしょう。
魚と比べてマメスナギンチャクとディスクコーラルはすぐ水槽に入れても構いません。
海水魚を増やす
パイロットフィッシュが2週間ぐらい飼育できましたら飼育環境に問題は無いと言えますので、海水魚を増やしていきます。
増やす際は硝酸濃度を測定して「汚れが溜まっていってないか?」を確認しながら少しずつ魚を増やしていきます。
ライブロックがフルパワーの浄化能力を発揮するまでは最低でも半年かかるため、魚を増やすと「ライブロックによる浄化<魚の排泄」となってしまうことがあります。
この場合は硝酸塩が溜まってしまいますので硝酸塩濃度がしきい値を超えないように換水が必要になります。
そのため、魚を追加した場合は一週間後に硝酸塩濃度を測定してライブロックの能力以上に入れていないかを確認します。
硝酸塩濃度が増えてきた結果が出た場合でも少しずつライブロックの浄化能力は上がっていきますので魚を増やすのを止めることで「ライブロックによる浄化>魚の排泄」になっていきます。
言い換えるとより魚を飼いたい場合は水換えに頼ることで魚の数を増やせるということでもあります。
同じシリキルリスズメダイ2匹ぐらいならいけると思うヨ!
このシマシマの魚とか
見た目あんま変わらないしヨスジリュウキュウスズメダイの方が小さからオススメだヨ!
入れすぎると定期的な換水が必要になっちゃうから硝酸塩濃度をチェックしながら増やしていってネ!
ステップアップのために
ここまでくれば後は魚を増やしつつサンゴ畑を増やしていきマリンアクアを楽しみましょう!
その後より良くマリンアクアを楽しむために初心者にオススメのステップアップを紹介します。
水槽用クーラー・ウェーブポンプの導入
水槽用クーラーとウェーブポンプを導入することで特殊なサンゴを除いて幅広いサンゴを飼育することができます。
マメスナギンチャクやディスクコーラルでは形がどうしてもバリエーション乏しくなりがち。
ナガレハナサンゴやウミアザミ、そしてナグラトサカなど様々なサンゴを飼育できることは水槽のイメージをよりよくすることが出来ます。
またウェーブポンプの導入はサンゴ飼育だけではなくプロテインスキマーの能力も上げることができ、飼育できる魚の数を増やせるメリットもあります。
ミドリイシの育成
本記事で紹介した飼育設備は水槽用クーラーとウェーブポンプを設置すると飼育が難しいサンゴとされるミドリイシおよびSPSにチャレンジすることができます。
魚の数を調整しながら抑えめに飼うことで硝酸塩濃度が下がっていき1ppm未満にすることも十分可能です。
ミドリイシはサンゴ飼育の最高峰とされミドリイシで構築されたレイアウトはとても綺麗です。
45cm水槽にお引っ越し
器具はそのままに45cm水槽へお引っ越しするのも良いでしょう。
(サンゴ育成を行う場合は照明も増やしましょう)
30cm水槽でしばらく飼育しているとどうしてもレイアウトに手を入れてみたくなります。
現状の水槽に手をいれるのも良いですがいっそのこと新しい水槽でレイアウトをじっくり考えるのもオススメです。
水槽が広くなることでライブロックの量も増えるので魚の数も多少は増やすことができる他、遊泳層の高い魚を飼育できるようになるのでハギや小型ヤッコなどの魚を飼育することができます。
単純に横幅が1.5倍になるので使えるスペースが大きくなり置いてみたいサンゴを増やしたり、イソギンチャクを入れてみるのも良いでしょう。
オーバーフロー水槽へスペックアップ
海水水槽で行くつく飼育設備はオーバーフロー水槽です。
飼育しているとあれもこれも魚の数を増やしたくなってしまうものですがプロテインスキマーの能力が入れる魚の数と直結すると言っても過言ではありません。
オーバーフロー水槽はサンプに設置する強力なプロテインスキマーを設置することができ、外掛け式のプロテインスキマーと比べると何倍も浄化能力が上がります。
そのため魚の数も何倍も増やすことができるようになります。
サンプ水槽がついているためにヒーターや水温計などの器具を設置できたり、リフジウムにして浄化能力を底上げしたりプロテインスキマーの設置以外にも様々なメリットがあります。
45cmキューブまたは60cmワイドのオーバーフロー水槽が次の大きさの水槽としてはオススメです。
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この記事へのコメント
トテモ、サンコウニナリマシタ。
参考になりまして幸いです( ˘ω˘ )