海水魚飼育に使う飼育用品を全て解説!
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海水魚やサンゴの飼育に使われる設備や用品を全て解説します。
海水水槽で使われる飼育設備は全て同じではなく、水槽によって使わない飼育設備もあり様々な飼育設備を組み合わせています。
目的や予算などに合わせて設備を選びましょう。
※特殊なものは除いてます。
目次
飼育ケージ
ともあれ水を張る水槽がないことには始まりません。
ガラス水槽(単体)
ガラス製のものが傷が付きにくく透明度が高いのでよく使われています。
軽くて安いのですがプラケースだとキズが付きやすくダメです。
小さな水槽だと病気になりやすいデメリットがあるので、初心者の方は30リットル入るかどうかを目安にすると良いでしょう
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オーバーフロー水槽
オーバーフロー水槽はキャビネットの下にサンプ水槽というサブ水槽が備わっており、メインとサブで循環している水槽のことを指します。
強力なプロテインスキマーはインサンプ式というオーバーフロー水槽のサンプ水槽に入れるタイプのものが多いため、海水ではオーバーフロー水槽を使っている愛好家も少なくありません。
高価な設備になりますが水量も増え、ヒーターなどの小物類が収納できるメリットもあり、淡水と比べて海水の方がオーバーフロー水槽のメリットは多いでしょう。
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海水を作るアイテム
海水魚を飼育するためには当然ながら海水が必要です。
人工海水
水道水と混ぜ合わせることで海水が作れるアイテムです。
完全に海の成分と同等ではありませんが、海水魚・サンゴの飼育においてはほぼ問題はありません。
多くの飼育者が人工海水を用いて海水魚・サンゴを飼育しています。
カルキ抜き
水道水にはカルキという魚にとって有蓋な物質が溶けており、魚を飼育するためにはこのカルキを中和する必要があります。
人工海水にはカルキを中和する成分が入っていることもありますが、「海水濃度の微調整」、「蒸発した水を足す」などにも使われるため必要になります。
天然海水
自然の海から採取された天然海水を飼育水に用いる場合もあります。
多くの場合、人工海水で問題はありません。
しかし水道水には海水と比べて余剰な栄養が含まれていてコケが生えやすくなったり、地域によっては蛇口から特殊な成分の水が出る場合があり、天然海水が使っている飼育者もいます。
また人工海水はあくまで海水を真似たものであるため、それがサンゴや海水魚にとって良くないという意見もあります。
最近では通販が身近になってきたので取り寄せも容易になりました。
底床
底床は水槽の底に敷くアイテムです。
海水では主にサンゴ砂またはサンゴ砂由来のものが使用されており、サンゴ砂を敷くことで海水魚に適した水質を維持することが簡単になります。
アラゴナイトやリーフサンドなど販売されている海水魚用の底床材は色々商品名がありますが、大体サンゴ砂が素材になっていて全てサンゴ砂です。
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温度を調節する飼育設備
海水魚の多くは温暖な地域に生息しているため温度の調節が必要です。
多くの海水魚は23度~26度で飼育することができ、深い海にいる海水魚はより温度が低い環境を好みます。
水中ヒーター
秋~冬~春の季節は熱帯魚用の水中ヒーターを利用して温度が低くならないように温める必要があります。
温度を設定できる温度可変式と温度固定式(26度固定など)のものがありますが、一般的な海水魚はどちらを選んでも問題はありません。
深い海にいる海水魚の場合は温度が任意に設定できるタイプのものが適しています。
水槽用クーラー
逆に夏場は水温が高すぎてへばってしまいます。
多くの海水魚はクーラー無しでも耐えることができますが、深い海に棲む海水魚は水槽用クーラーを使用しないと死んでしまうこともあります。
またサンゴは28度を超えると明確にダメージを受け、30度になると白化現象が起こりサンゴが死んでしまいますのでサンゴを飼育する場合はクーラーを設置して水温を下げる必要があります。
水を浄化する飼育用品
海水魚は綺麗な海に生息しているため水を綺麗に保つ必要があります。
フィルター
フィルターはウールマットや多孔質濾材などで魚が出すフンを毒素の少ない「硝酸」へと浄化する働きがあります。
淡水では必ずと言って良いほど必須の設備ですが、後述するプロテインスキマーやライブロックを使う場合は役割が低くなってしまうので使われないことも多く、フィルターの「硝化」作用がマイナスに働く場合もあるため海水水槽では使われないことも少なくありません。
サンゴを飼育する飼育設備ではそもそもフィルターが必要無いほどに汚れを除去するため、使われないことが多いです。
プロテインスキマー
泡の力を利用してゴミやフンなどを水槽外に吐き出す装置です。
ゴミ類をそのまま水槽外へ出すため汚れがほとんど蓄積されなくなり、サンゴに適した飼育環境を維持しやすくなるほか、水換えそのものが必要なくなるメリットがあります。
フィルターを利用した浄化システムよりはプロテインスキマーを主体にしたシステムの方がサンゴ飼育には向いています。
関連海水魚の飼育にプロテインスキマーは必須?効果と必要性について解説!
ライブロック
ライブロックとは「サンゴの死骸などの骨格をベースに微生物や小さな生き物が付着している海中の岩を採取したもの」です。
ライブロックを水槽に入れることで自然の浄化システムを水槽に持ち込むことができます。
フンを毒素の少ない硝酸へと変化させる「硝化」、硝酸塩を浄化する「脱窒」が行えるほか、水槽の立ち上げが行えたり、魚の隠れ家になるメリットがあります。
また観賞価値も高くなるため、海水水槽では必須と言われるほど使われるアイテムのひとつです。
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硝酸塩除去剤(炭素源)
硝酸塩除去剤は濾過バクテリアの働きを活性化させて、水の浄化能力を底上げする液体添加剤です。
日常的に使うシステムをバクテリオプランクトンシステムと呼び、魚の数を増やしながら綺麗なサンゴを維持しやすいという特徴があります。
また水換えを行わないシステムで魚を増やしすぎ一時的に汚れが蓄積されてしまった場合に、浄化能力を底上げして蓄積した汚れを処理する使い方もできます。
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バイオペレット
バイオペレットは硝酸塩除去剤と同じくバクテリアの浄化能力を底上げして汚れを処理する装置です。
先述した硝酸塩除去剤と比べて、装置とペレットをセットする必要がありますが、ペレットが消耗するまではメンテナンスがかからないメリットがあります。
水質確認用品・測定キット
魚やサンゴに適した水質になっているかどうかは測定してみないことには分かりません。
海水水槽では「水温」、「比重」、「アンモニア」、「亜硝酸」、「硝酸塩」、「リン酸」、「pH」などの測定用品がありますが特に重要なのが「水温」、「比重」、「硝酸塩濃度」です。
水温計
水中の温度が見えるようになるアイテムです。
夏場や冬場など、クーラーやヒーターを設置する際の目安にしたり、機器が壊れていないかをチェックする役割があります。
比重計
海水の濃度を測定できる必須アイテムです。
水に溶けた人工海水の濃度を測定し、海水魚に適した範囲に調整するために使用します。
硝酸塩濃度測定キット
水中の「硝酸塩」の濃度を測定するキットです。
硝酸塩は水の汚れとも言うことができ、水の汚れが少ない、つまり硝酸塩濃度が低い水を維持することは重要になります。
硝酸塩濃度(水の汚れ)が高いと海水魚は飼育できませんし、サンゴによってはほぼ硝酸塩濃度が検出されない環境にする必要があります。
そのためサンゴを飼育する場合は特に重要で、定期的にチェックして、換水頻度や設備に問題が無いかを確認し、問題がある場合は対応が必要です。
硝酸塩測定キットが無いと水が綺麗かどうかの確認ができないためサンゴを飼育することは難しいでしょう。
サンゴ育成のための飼育用品
サンゴを育成のための飼育用品を紹介します。
照明
サンゴは光合成で栄養を生成しており、照明は非常に重要な要素です。
海中は光の成分であるスペクトルがやや特殊なこともあり、サンゴ飼育のためにはサンゴ育成用の照明が必要です。
必要とする光の強さやスペクトルはサンゴによって異なっていますので、サンゴに適した照明を選ぶことがポイントです。
関連サンゴを飼うための照明について。色や時間、LEDの使用感など。
ウェーブポンプ
ウェーブポンプは海の「揺らぎ」及び水流を再現するための飼育設備です。
海中は絶えず水流が発生しており、サンゴに新鮮な海水を運んでいます。
この水位はとても重要で、多くのサンゴは水流が無いと腐ってしまいます。
ウェーブポンプを設置することで海中の揺らぎを再現することができ、サンゴ育成には必須と言ってもいいほどです。
またサンゴだけで無く、水流で淀んだ場所を解消することができ病原菌の温床を無くせるので海水魚が病気にもかかりづらくなるメリットもあります。
関連
・海水水槽における水流の効果と必要性
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液体添加剤
サンゴは光合成のほかに海中からも栄養を摂取しています。
サンゴの種類のうちハードコーラルと言われる骨格のあるサンゴは光合成が生成する栄養だけでは成長することができません。
また骨格を必要としないソフトコーラルでも栄養があれば成長速度が上がります。
サンゴ用の液体添加剤を与えることでサンゴに栄養を供給することができます。
販売されている添加剤は「骨格の形成を促すもの」、「成長をうながすもの」など成分によって効果が異なりますので、サンゴや環境に合わせた添加剤を使用しましょう。
添加剤を与えなくとも成長するサンゴもいますので、それらのサンゴに絞れば添加剤は不要です。
関連サンゴに必要な栄養と添加剤の種類について。使い方と選び方
カルシウムリアクター
海中にサンゴの栄養のうちカルシウムやマグネシウムなどを供給する装置です。
添加剤と比べて装置のセットは必要ですが、自動的に栄養を供給するため楽になるメリットがあります。
主にミドリイシなどのサンゴ水槽で使われているアイテムです。
自動的に栄養を与える方法としては「液体添加剤+リキッドタイマー」という組み合わせもあります。
病気を予防する飼育用品
海水魚は病気になりやすく、病気予防のための飼育用品があります。
殺菌灯
殺菌灯はUV灯で紫外線を照射し、水中の雑菌を滅殺する飼育用品です。
海水魚が最もかかりやすい病気である白点病を予防する効果があり、設置している飼育者も多いです。
ヨウ素添加剤
その他病気予防のためにはヨウ素添加剤もあります。
ヨウ素は殺菌作用があり、傷口などから病原菌が感染することを防ぐ効果があります。
サンゴにとっても栄養になると言われており、また人工海水にはヨウ素が含まれていないため添加すべきだと感じる飼育者もいます。
海水魚の餌
海水魚のエサは主に2種類あります。
人工飼料
エビやイカ、海藻などを練って粒状にして乾燥させたものです。
フタをあけてスプーンで与えるだけなのでとても簡単に給餌できるので、ほとんどの飼育者は人工飼料を使っています。
冷凍餌
冷凍エサは小エビなどを冷凍させたものです。
冷凍エサは自然に近く嗜好性が高いため、拒食気味の海水魚や人工飼料に餌付かない海水魚に使用します。
また栄養価が高いため病気からの復帰や衰弱した魚を復帰させるために使われる場合があります。
設備の組み合わせパターン
これらの飼育設備を組み合わせて海水水槽を形作ります。
必要なメンテナンスや予算、飼育したい海水魚・サンゴを考えて飼育設備を選びます。
最低限の飼育セット
最低限必要な飼育設備は「水槽」、「ヒーター」、「温度計」、「人工海水」、「比重計」、「カルキ抜き」、「サンゴ砂」です。
ものにもよりますが上記のセットは5000円ほどから揃えることが出来ます。
上記セットでは水を浄化する設備がないため毎日水換えする必要がありますため、これに浄化設備を足したものが最低限の海水魚飼育設備になります。
浄化設備は「フィルター」を使い水換えを主体にするものと「プロテインスキマー」+「ライブロック」でできるだけ水換えしないシステムのもの、この2つから選択します。
前者は水換えに頼りますが飼育できる魚の数が多く、後者は手間がかからずサンゴの飼育にも適していますが魚の数を抑える必要があります。
初心者にオススメの飼育セット
初心者にオススメな飼育セットは「水槽」、「ヒーター」、「温度計」、「人工海水」、「比重計」、「カルキ抜き」、「サンゴ砂」の最低限のセットに加え「プロテインスキマー」、「ライブロック」の浄化セット、あとは魚の鑑賞のために簡単な「照明」をつけたものがオススメです。
強力なプロテインスキマーを水の浄化を任せることにより、水換えをしないシステムを目指します。
照明と水流を追加すればサンゴも飼育できるようになるので将来的にも楽しめるセットです。
とりあえず安く揃えたい場合は「プロテインスキマー」「ライブロック」を「フィルター」に変更して下さい。
水換えは定期的にしなくてはいけませんが、フィルターの方が安いのでひとまずやってみたい人にオススメのセットです。
リーフタンクの飼育セット
ミドリイシなどのサンゴを中心としたリーフタンクと呼ばれる水槽を作る場合は最低限のセットに加えて「プロテインスキマー」、「ライブロック」、「ウェーブポンプ」、「サンゴ育成用照明」、「水槽用クーラー」の飼育設備が最低限必要です。
加えて「硝酸塩除去剤」、「硝酸塩測定キット」、「カルシウムリアクター」or「栄養添加剤」も用意したいことろです。
「バイオペレット」を設置するのも良いでしょう。
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まとめ、所感
海水魚の飼育に使われる飼育用品は多くあり、環境や飼育者の飼育スタイルに合わせて組み合わせていきます。
サンゴを飼育しないならサンゴ育成に関する飼育設備は必要ありませんし、水換えをしたくないならプロテインスキマーを設置すると良いでしょう。
勿論設備は後から変更することもできますので、とりあえず始めてみて必要性を感じたら足していくのもオススメです。
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