海水水槽で出るコケ一覧とそのコケを食べる生物について!
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一言でコケ(苔)といってもさまざまなコケがあり、コケ取りとして売られている生物は必ずしも現在発生中のコケを食べてくれるとは限りません。
「コケを食べる生物を入れてみたのに全然食べない」
「このコケを食べる生物が知りたい」
そのような疑問にお応えするため海水水槽で発生する厄介なコケ及び藻の一覧とそのコケを食べてくれる生物を記載しました。
海水水槽で発生するコケは淡水水槽のコケと比べて生物兵器による効果が高く、投入する生物を間違えなければ効果は絶大です。
目次
茶ゴケ(茶苔)
茶ゴケは柔らかく茶色い色をしているコケです。
ケイ素を栄養としており水道水を飼育水に用いているとほぼ発生します。
これは水道水にケイ素が多く含まれるためです。
ライブロックや底床、ガラス面などありとあらゆる箇所に発生しますが、比較的駆除は簡単なコケです。
ギンポ・ブレニー類に食べさせる
草食性の強いギンポ・ブレニー類(ハゼの仲間)が好んで食べます。
ギンポ・ブレニーを入れるとみるみる内にコケが減っていくのを実感できます。
茶苔を良く食べるギンポ・ブレニー類としてオススメなのは「ヤエヤマギンポ」、「イシガキカエルウオ(スマイリーブレニー)」です。
ヤエヤマギンポ
海水魚では最も定番のコケ取り魚です。
通称ヤエギン。
食欲旺盛でやわらかいあらゆるコケをもりもり食べるためヤエヤマギンポを入れておけば大体のコケは駆除できます。
もりもり食べる分大きくなるのがデメリットで、10cmを超えるほどになります。
その大きさから小型水槽には向いていません。
イシガキカエルウオ(スマイリーブレニー)
6cm程の小型ブレニーで性格も温和で協調性があります。
イシガキカエルウオは茶ゴケを良く好んで食べるため茶コケに困っている場合はかなりオススメの生物です。
ヤエヤマギンポは大きくなるのがネックですがイシガキカエルウオは小型のため小型水槽ではこちらがオススメです。
関連イシガキカエルウオ(スマイリーブレニー)の飼育について!コケ取りや混泳など。
ブレニー類は1水槽1匹まで
ブレニー類は複数匹入れると喧嘩しますので水槽内に1匹にしましょう。
ブレニー類は一定の縄張りを保持し、縄張りのコケを食べて生活しています。
縄張りに生えてくるコケは限りがありますため他のブレニー類の縄張りを許してしまうと自分の食べるものが無くなってしまいます。
そのためブレニー類はテリトリーに入ってきた同類を厳しく追い出そうとする性質を持っています。
マガキガイに掃除してもらう
マガキガイはゾウのような口を使って、ライブロックについたコケとサンゴ砂についたコケを綺麗に掃除してくれます。
茶苔がびっしりついたサンゴ砂はマガキガイが通ればピカピカです。
ライブロックについたコケも掃除してくれますが機動力があまり無いためそちらはギンポ・ブレニー類の方が効果があります。
不安定なライブロックの組み方をしている場合は、大きなマガキガイがよじ登った際に崩れる可能性があるため、しっかりと固定しておきましょう。
RO水・天然海水を使用する
海水魚用のRO水・天然海水はケイ素をほぼ含んでいません。
茶苔の栄養となるケイ素が無いため茶ゴケの成長を阻害することが出来ます。
初めから飼育水をRO水または天然海水にすると発生すること自体無くなります。
既に発生してしまった茶ゴケは生物兵器に食べてもらいましょう。
換水をしない飼育環境にする
水道水でも水槽中のケイ素を使い切れば茶ゴケは成長できなくなります。
ベルリン式システムやナチュラルシステムなど換水を行わない環境を作ることで実現可能です。
しかしながらケイ素が消費されるまで時間がかかることと既に発生してしまったコケが消失するまでは更に時間が掛かりますので、生物兵器による併用がオススメです。
緑色のふわっとした柔らかいコケ
緑色のふわふわしたコケは硝酸塩が多いと出やすいコケです。
水槽が立ち上がりきっていないのに魚を増やしたり、適切に水換えを行わなかった場合に発生してしまいがちです。
そのまま放っておくと水槽がおおわれてしまうため対策が必要です。
エメラルドグリーンクラブの投入
緑色のふわふわしたコケはエメラルドグリーンクラブが好んで食べてれます。
茶苔と同じく生物兵器による効果が非常に高いコケになります。
ただしエメラルドグリーンクラブはある程度の力を持っており、水槽内のレイアウトを壊す可能性があります。
不安定なレイアウトをしている場合は安定させるようにしましょう。
水槽環境の見直し
立ち上げ当初は硝酸塩を測定して必要な換水を行うことが必要です。
立ち上げ時ではない場合は飼育環境が悪い状況になっているため、濾過機器のグレードアップや魚の数、換水頻度の見直しを行って下さい。
エメラルドグリーンクラブに頼るのは良いですが、根本的には飼育環境を改善する必要があるということを忘れないでください。
ライブロックにつく短い灰色状の藻
立ち上げ中の水槽にライブロックを導入ししばらく経つとライブロックの表面が薄っすら灰色上のコケか藻のようなものに覆われることがあります。
繁殖力も強くないため、そのままにしておいても他のコケと比べると目障りにはなりませんが、美観を損ねるのは事実なため生物兵器を投入しましょう。
マガキガイの投入
ライブロックについた薄いコケはマガキガイが好んで食べてくれます。
数日経過するごとにライブロックが磨かれていくような変化を感じれます。
特にセット当初は水槽に魚を入れづらいですがマガキガイは汚れに強く、不安定な水槽でも働いてもらうことができます。
またマガキガイは砂のお掃除もしてくれるメリットがあります。
砂が汚れている場合は導入するとマガキガイにより購入当初の綺麗な状態に戻すことができます。
マガキガイは動き回りそこそこ重さがありますため、不安定なレイアウトの場合は安定させてから導入して下さい。
赤色の芝生状の藻
赤色の芝生上の(トゲトゲした)藻は飼育環境に問題がなくても発生しうるため厄介な藻です。
ライブロックについていた小さな破片より発生します。
特に立ち上げ時の富栄養化の状態ではより成長しやすく勢力を伸ばしていきます。
掃除や甲殻類、魚などにより千切れた破片が飛び散り、放っておくと様々な箇所にコロニーが出来上がってしまいます。
コケと比べて栄養がなくなっても消えることは無く何らかの形で除去する必要があります。
サザエの仲間を入れる
サザエの仲間は赤い藻を食べてくれる貝です。
ミニサザエなどコケ取りとして売られているものを購入すると良いでしょう。
他のコケも食べるためピンポイントに食べてくれる訳ではありませんが、少しずつ確実に効果があります。
ハギ類に食べてもらう
ハギやニザダイなど海藻を好む海水魚は好んで赤い藻を食べてくれます。
キイロハギやナンヨウハギなど人気のある海水魚もいるグループのため見た目も賑やかになります。
藻に対する効果はこちらのほうが高いのですが魚ということもありハードルが高めです。
加えてハギ類は白点病にかかりやすいため水槽が立ち上がっていない場合はミニサザエの方がオススメです。
緑の海藻
赤色の藻と同じくライブロックから破片が混入して緑の海藻が繁茂することがあります。
こちらも最初は気に留めませんがだんだんと勢力を拡大し気づいた時にはありとあらゆる箇所にコロニーが出来上がっています。
見つけ次第すぐに対策を行うことが飛散を防ぐポイントです。
ハギ類に食べてもらう
ハギやニザダイなど海藻を好む海水魚が食べます。
しかしながら成長しきった海藻にはほぼ目を向けず、新しく生えかかった新芽の方を好んで食べます。
そのためコケを除去するためには手動であらかた千切ってやる必要があります。
しっかり千切った後は新芽が生えてもハギ類が食べるため少しずつ縮小していきます。
地雷な生物兵器
大抵のコケや藻類は食べる生物を導入することで減らすことができます。
しかしコケを食べるとして売られている中には悪さをするものがあり、注意が必要です。
そこで過去の経験でオススメできないと感じたコケ取り動物をピックアップしました。
ウニ
ウニはレイアウトクラッシャーです。
導入して一番後悔した生物兵器です。
ウニはありとあらゆる藻類を食べるため、どうしても取れなかった藻類やコケに対して効果があります。
過去に緑色の固い藻類がどうしても駆除できずにウニに頼りましたが後悔しました。
ライブロックで組んだレイアウトをブルドーザーのように駆逐していきますので注意が必要です。
※ガッチリ組んでビクともしないレベルならウニの爆進に耐えうることが出来ますが・・・。
またライブロックについた有益な石灰藻までも食べてしまい、ライブロックが白くなってしまいます。
ヤドカリ
草食性の強いヤドカリはコケ取りとしてオススメされることがありますが、コケ取りとしては期待できません。
見た目の大きさの割に食べる量が少ないためです。
貝殻の大きさからヤドカリの大きさを見られがちですが中のヤドカリは思ったより小さく、エメラルドグリーンクラブなどのカニ類の方が良く食べてくれます。
またコケ取りを期待してある程度の大きさのものを導入すると殻が重くライブロックをよじ登ろうとするためレイアウトを壊しやすいデメリットがあります。
おまけ:フロントガラスは人力で綺麗しよう
フロントガラスは鑑賞に直結する部分なので人による掃除がオススメです。
ショップでは各種貝類をガラス面のコケ取りとして販売していますが、生物による除去はムラがあり食べ残しが鑑賞の邪魔になるのでフロントガラスは人力でキレイにしましょう。
ガラス面の掃除に使用するオススメの用品を紹介します。
スクレイパー
スクレイパーはプラスチックでできた定規のような掃除用品でコケを削ぎ落とすように使用します。
ガラス面に定着した硬いコケも簡単に落とす事ができます。
500円程度で入手でき安価なのですがガラス面の掃除の時には重宝するアイテムです。
メラミンスポンジ
メラミスポンジはガラス面についた柔らかいコケの除去に用います。
スクレイパーとくらべてガラス面に定着した硬いコケは落とせませんが、やわらかいコケであれば手早くキレイに出来るのがメリットです。
スクレイパーと使い分けると便利です。
必ず洗剤が入っていないものを使用して下さい。
マグネットクリーナー
マグネットクリーナーはスポンジなどをマグネットで水槽内と水槽外でくっつけたものです。
水槽外に張り付いたマグネットを動かすことで水槽内側のガラス面を掃除することができます。
柔らかいコケや定着したばかりのコケは落とすことが出来ますが、しばらく経って定着してしまった強いコケは落とすことができません。
また景観を邪魔してしまうのもややデメリットでしょうか。
水槽に手をいれず掃除ができるメリットがあり、鑑賞のついでにマグネットクリーナーで定期的に掃除を行えばガラス面を綺麗に保つことができます。
「FLIPPER」などスクレイパー付きのマグネットクリーナーもあり、コケを落とす能力が高くオススメのコケ取り用品です。
関連ステンレスブレード付きマグネットクリーナー「FLIPPER」を買ってみたのでレビュー
まとめ
コケの種類と食べる生物をまとめたものが以下になります。
コケの種類 | 食べる生物 |
---|---|
茶苔 | 草食性の強いブレニー・ギンポ類、マガキガイ |
緑色の柔らかいコケ | エメラルドグリーンクラブ |
短い灰色状の藻 | マガキ貝 |
赤色の芝生状の藻 | サザエ類、ハギ類 |
緑色の海藻 | ハギ類 |
淡水のアクアリウムのコケは生物兵器による対策を行っても十分効果を得られず、結局のところ換水頼りなところがありました。
対してマリンアクアリウムで発生するコケは生物兵器による駆除が効果的でとても楽に除去を行えます。
コケに応じた生物兵器を導入して美観を損ねるコケを駆除しましょう!
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