海水水槽における水流の効果と必要性
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海水水槽では「水流」という新たな概念が加わります。
「ぶっちゃけ無くても良いんじゃない?」「サンゴ飼育しないなら不要では?」と思うものですが導入した方が良いのは確かで、しっかりと水流には効果と役割があります。
水流を作ることで生まれるメリットおよび効果を解説します。
病気の予防
水中に水流が無いと水槽の下の方や岩場の影に汚れ、つまりデトリタスが溜まってしまいます。
デトリタスがたまる箇所は水の動きが無いため「淀み」と呼ばれます。
デトリタスは病気の温床
「淀み」は病原菌がたまりやすく白点病などの温床になっています。
水換えなどのメンテナンス後に病気になった経験はありませんか?
メンテナンス直後の病気は手を入れたことによりデトリタスが舞い上がり、同時に病原菌もばら撒いたことが原因であることがほとんどです。
ウェーブポンプにより淀みを無くす
そのため淀みを無くすことは病気の予防のためには重要な要素です。
ウェーブポンプを使用して淀みが出ないように水流を作ることで病気を予防しましょう。
ウェーブポンプを導入することでメンテナンス時に病気になる確立はぐっと減ります。
- 水流が無く汚れが沈殿する場所を「淀み」と呼び、病原菌のたまり場となる
- 水流を発生させて淀みを解消することにより病気になりにくい環境になる
プロテインスキマーの効果を高める
水流を発生させることはプロテインスキマーの効果を高めることにつながります。
水流がないと水流が無い箇所に汚れが沈殿してしまい、どんなに強力なプロテインスキマーを使っていてもプロテインスキマーに汚れがいかなければ意味がありません。
汚れが沈殿しないように水流を発生させることでプロテインスキマーに汚れが行くようになるため、プロテインスキマーの作業効率を高めることができます。
作業効率が上がることにより今まで除去できなかった汚れが除去できるようになるため、プロテインスキマーの効果が上がるということです。
フルに活用しよウ!
ウェーブポンプによる撹拌
つまりウェーブポンプを利用して汚れが沈殿しないように水流を起こすようにすることでプロテインスキマーを無駄なく使うことができます。
複数のウェーブポンプを利用して汚れができるだけプロテインスキマーに行くように工夫するのも良いでしょう。
硝酸塩濃度の低下
プロテインスキマーの作業効率を上げることは硝酸塩濃度の低下に繋がります。
今まで除去できなかった汚れが除去できるようになるため硝酸塩が蓄積しづらくなります。
もし硝酸塩濃度を低くするためにプロテインスキマーをスペックアップしようと考えているなら水流を見直して作業効率を上げることも検討してみて下さい。
硝酸塩濃度が低く保ちやすくなることで水換え頻度を減らせたり、飼育できるサンゴの種類が多くなるメリットがあります。
- 汚れが沈殿しないように水流を回すことでプロテインスキマーの効率が上がる
- プロテインスキマーの効率が上がることで硝酸濃度の低下が期待できる
サンゴの飼育
サンゴに適した水流があたっていることはサンゴの飼育において重要なポイントのひとつです。
サンゴに水流があたっていないとサンゴ表面に汚れがついてしまったり、サンゴ自身の粘液を散らしたりすることができないため、サンゴを飼育することができなくなります。
特にハードコーラルでは力強い水流が無いと飼育ができないサンゴが多くあります
水流が無くても大丈夫なスターポリプなどのソフトコーラルでも水流をあてることでポリプの開きが良くなり、見栄えが良くなります。
サンゴに適した水流
サンゴは一方から継続的に水流があたるのを嫌うため、ディフレクターやコントローラー付きのウェーブポンプを利用したランダムまたは非断続的な水流が適しています。
また一点に集中するよな流れではなく全体をやさしく包み込むような水流が良いでしょう。
例えると扇風機のような直線状のものでななく、自然の風のような全体にあたるものを好みます。
この点通常の水中ポンプよりウェーブポンプの方が優れています。
- サンゴ飼育には水流が必要で、水流無しで飼えるサンゴは少ない
オススメの水流発生装置
水流を作る際にオススメの器具は「コントローラー付きのウェーブポンプ」です。
ウェーブポンプと水中ポンプの違い
水流を作る際にはウェーブポンプを使用します。
水中ポンプとウェーブポンプの違いはパワーというか生成する波の面積の違いです。
水中ポンプで生成される水流は一点集中の細長い水流ですが、これでは水流があたらない部分も多く当たる部分は強すぎるため水流を作る装置としては適していません。
その点ウェーブポンプだと生成する波の面積が広く、水槽全体をやさしく撫でるような水流が生成されるため淀みの解消やサンゴに最適な水流を作ることができます。
水流コントローラー
コントローラーが付いているとランダムな水流やパルスのように非断続的な水流を生成することが可能になります。
ずっと同じ水流を生成すると水流の相殺などによりどこかしらに淀みが生まれてしまい、サンゴにとっても同じ方向から断続的に水流があたることは良くありません。
コントローラー付きのウェーブポンプであれば不規則や非断続的に流せるため淀みが発生しづらく、サンゴにも適した水流を生成することができます。
またコントローラー付きのモデルはある程度パワーがあるため弱すぎて失敗するということがありません。
加えてコントローラーによる流量の調節ができるため強すぎるということも無いため失敗が少ないです。
私が実際に使用しているウェーブポンプ
私が使用しているウェーブポンプは「Jebao(FORCE フォルス)のWMP-4000」です。
コントローラー付きで「水流の強さの調節」、「パルス波の生成」、「強弱のついた波の生成」が可能で波の時間間隔(周期)も設定できるためとても使い勝手が良いです。
45cmキューブ水槽に使用していますが、パワーも一定のラインがあるためコレ1台で十分なほどです。
始めた頃はコントローラー無しのウェーブポンプ1台+ディフレクター2台で水流を起こしていましたがこのポンプを導入してみると導入前とは水流の質が比較的向上し、その他のポンプが不要になりました。
結果的にコントローラー付きポンプを1台買ったほうが安上がりでした。
複数のポンプを設置するよりかはコントローラー付きのウェーブポンプがオススメです。
まとめ
海水水槽では軽視されがちですが、水流をしっかり作ることで飼育の質を向上することができます。
海水水槽における水流の効果に関して以下にまとめました。
- 水流により淀みができないようにすることで病気になりにくい環境になる
- 汚れが沈殿しないように水流を作って回すことにより、プロテインスキマーの取りこぼしを少なくできる
- サンゴ飼育には適した水流をあてることが必要
- 水流を発生する装置としてはコントローラー付きのウェーブポンプがオススメ
特にプロテインスキマーは海水ならではの非常に強力な浄化装置なので、汚れを水流で回してフル活用したいところです。
プロテインスキマーの効果を上げることは飼育できる海水魚の数が増えたり、飼育できるサンゴが多くなったりと良いことづくめです!
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