海水魚の混泳の方法!ケンカさせないコツや魚の組み合わせなどを解説!
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新しく立ち上げた水槽にどんな魚を入れようかと考えるのは楽しいものです。
しかし海水魚は気性が荒いものが多く、組み合わせには注意が必要であることを知っておかなければなりません。
そんな海水魚の混泳方法について解説していきます。
混泳に関する海水魚の性質
海水魚は混泳をする上で考えなければならない性質があります。
気性が荒いものが多い
海水魚は気性が荒くケンカっぱやいものが多く他の魚を追い回したりするのが日常茶飯事です。
小さな内は多少追い払うだけでも大きくなってくると追い回して突き殺すこともあるほど。
意外にもクマノミですら他魚を噛み殺すほどの気性の荒さを持っています。
そのため小競り合い程度では問題ないとし、餓死・衰弱死さえしなければ特別に処置を加えることはありません。
同種同士でケンカする
他種に対しては大人しい魚でも同種や似たようなものに対してはケンカをしかける魚も多くいます。
例えばブレニー・ギンポ類は他魚に対しては全く無関心ですが、ひとたび仲間をみつけると仲間同士で強く争う性質を持っています。
普段は温和なマスコットですが同種や近い仲間には容赦がありません。
けっこう同種同士がNGな海水魚が多いから注意が必要だネ!
うまくいく魚の組み合わせ
魚の組み合わせの考え方をお教えします。
一般的な水槽の混泳は大体以下のパターンです。
おとなしい魚でまとめる
海水魚は気性が荒いことが多いですが、性格がおとなしい海水魚も多くいます。
温和な海水魚でまとめると小さな小競り合いすら無いため混泳することができます。
性格が荒いとされているスズメダイの仲間でもデバスズメダイはとても温和な性格をしていて混泳に向いています。
その他ハゼやテンジクダイの仲間は比較的温和なグループなので混泳させやすい海水魚です。
この混泳方針では飼育できる魚は限られてしまいますがまず失敗はないでしょう。
大人しい魚と気性が荒すぎない海水魚を少しだけ入れる
クマノミの中でもカクレクマノミやハナビラクマノミは性格があまりキツくないため混泳させやすい海水魚達です。
他にもロイヤルグラマやクジャクベラなど性格がそこまで荒くない海水魚は数を抑えれば混泳が可能です。
完全に温和ではないものの追い払う程度の気性の荒さなので逃げ場所を確保すれば問題とはなりません。
水槽が小さい、または数が多いと弱い魚の逃げ場がなくなり衰弱死してしまいますので注意が必要です。
比率が逆になるとおとなしい魚の居場所がなくなってしまうから程々にネ!
気性が荒いグループでまとめる
デバスズメやシリキルリスズメ、リュウキュウスズメダイなどスズメダイの仲間は性格が荒く混泳には適していません。
そのためいっそのこと性格が荒いグループでまとめてしまうのがオススメです。
勿論小競り合いは耐えませんが、性格が荒い海水魚はその分神経も図太いため、ケンカに負けた程度でエサを食べにこなくなったりはしません。
同種で争う海水魚は1つの水槽に1匹まで
ギンポ・ブレニーの仲間など同種で激しく争う海水魚は1つの水槽に1匹までとして下さい。
2匹入れてしまうとどちらかが死ぬまで争うこともあり、失敗してしまう可能性が非常に高くなります。
他にも性質が弱いながらハタタテハゼや、クジャクベラ・ラスのオスなどはこの性質を持っていますので小型水槽の場合は同様に1つの水槽に1匹までとしたほうが良いでしょう。
食事が遅い海水魚は食事が早い海水魚と入れない
タツノオトシゴなど餌を食べるのが遅い海水魚がいる中にスズメダイなど機敏に餌を食べる海水魚を入れてしまうと餌を食べつくされてしまい餓死してしまいます。
チンアナゴやタツノオトシゴ、ヨウジウオなどの食事がゆっくりな海水魚は同じようにゆっくり食べる海水魚と混泳が可能です。
また食性が全くことなるギンポ・ブレニー類と混泳するのも良いでしょう。
ギンポ・ブレニー類はコケや藻類を食べていますのでタツノオトシゴの餌を横取りしないため混泳に向いています。
うまくいく混泳のコツ
混泳の際にちょっとしたコツを抑えておくことで、より失敗が少なくなります。
また良くない組み合わせでもコツを使うことで問題なく混泳させることも可能です。
隠れ家を確保する
いじめられた魚が逃げ込めるようにライブロックをレイアウトしておくと、逃げ場が無くなって突き殺されたり、衰弱死してしまうリスクを下げることができます。
逃げれるような水槽の大きさも重要ですが、障害物がないとずっと追い回されることもあるため、ライブロックを組み合わせて地形を作ってあげましょう。
見えないとケンカをしかけないため、ライブロックの置き方を工夫して遊泳スペースから見えないような空間を用意することも効果的です。
攻撃対象になりにくい魚を入れる
気性が荒いスズメダイ類でもブレニー・ギンポ類やマンダリンフィッシュなど生活層と食性が大きくズレている海水魚はケンカ対象にならないことが多いです。
スズメダイを中心に入れている水槽にブレニー・ギンポ類を入れてみるとマスコット的なタンクメイトが増えることに加え、コケ取りとしても期待ができるのでオススメの組み合わせです。
また体格差が大きい温和な魚も組み合わせみて良いでしょう。
あまりに大きいと勝てないと判断するためケンカをしかけることはほぼありません。
数を多く入れてターゲットを散らす
デバスズメダイが1匹いる水槽に性格の荒いルリスズメを入れてしまうとデバスズメが追い回されることになり衰弱死していまう可能性が高くなります。
しかしデバススメ10匹の水槽にルリスズメを入れた場合はターゲットが分散して1匹あたりの負担が軽くなるため混泳が成功します。
数が多いと狙いも定まらないため1匹の魚を永遠と追い回し続けることも無くなるため、より安心でしょう。
気性の荒い海水魚を入れたい場合はこのテクニックを使うと混泳できる可能性が高くなります。
テリトリーを作らせない
キイロサンゴハゼはサンゴを中心として一定のテリトリーを保持して、テリトリー内に同種が入った場合は追い出そうとします。
しかし小さな水槽でサンゴが1個しかなく、ある程度の数を入れることでテリトリーを持てなくなり、ケンカすることが無くなります。
中途半端に少数であったり水槽が大きいとテリトリーを持ってしまいますので、その場合は1匹にとどめて置いたほうが良いでしょう。
クマノミはイソギンチャクを入れない
そのほか比較的混泳に向いたカクレクマノミでも気に入ったイソギンチャクを見つけるとそこをテリトリーし、近づいた魚を攻撃するようになってしまいます。
小さい内はイソギンチャクに隠れるだけですが大きくなってくると気が強くなり他魚を攻撃するため注意が必要です。
水槽が大きければ他の魚はテリトリーに近づかないようにしますが、小さな水槽だとイソギンチャクを入れたばっかりに混泳が破錠してしまうことも起こってしまいます。
小さな水槽の場合、混泳する観点ではイソギンチャクを入れないほうがオススメです。
水槽に入れる順番
水槽に入れる順番も混泳のひとつのテクニックです。
先に入れたほうは水槽の地形に対しアドバンテージがあり堂々と自身がありますが、後から入れた方が他魚がいるため臆病になりがちです。
ようするに気性が荒いものは後から入れると成功する確立が上がるということです。
ルリスズメがいる水槽にカクレクマノミを入れるよりかは、先にカクレクマノミを水槽に入れて十分慣らしてからルリスズメを入れた方が混泳が成功する可能性が高いです。
隔離水槽を用意しておく
上下関係もひょんなことで入れ替わってしまうもの。
混泳はどうしても予測ができない部分もあり、いままでターゲットにならなかった魚が追い回されることも多々あります。
大人しいとされている魚でも弱い魚を追い払ったりすることもあります。
そんな時に隔離水槽を用意しておくと衰弱した魚の救出や、荒い魚を隔離できるため何かと便利です。
大掛かりな水槽ではなく外掛けで使える「スドーのサテライト」といった便利な商品も販売されていますので用意しておくと良いでしょう。
初心者にオススメの混泳魚
海水魚は性格が荒いものが多く混泳を考えるのは難しい・・・。
そこで初心者にオススメの混泳に向いた海水魚を紹介します。
デバスズメダイ
デバスズメダイは小型で綺麗な体色が人気のスズメダイの仲間でありながら温和な性格をしているため、混泳に向いています。
温和なことに加えて丈夫で価格も安価なため初心者に向いた定番の海水魚です。
テンジクダイの仲間
テンジクダイの仲間はとても温和なため混泳にとても向いています。
プテラポゴン・カウデルニィやマンジュウイシモチ、キンセンイシモチがメジャーどころです。
広間で一時停止するように泳いでいるため鑑賞もしやすく、初心者にオススメです。
ギンポ・ブレニー類
ギンポ・ブレニー類は食性と活動層が特殊なため、他魚からターゲットされにくいため混泳に適しています。
ギンポ・ブレニー類の魚自身も非常に温和なため、他魚に攻撃をしかけることはありません。
またコケや藻類を食べる食性を持っているため、水槽内のコケ取りとしても活躍でき1つの水槽に1匹は入れたい海水魚です。
ギンポ・ブレニー類は複数匹入れるとケンカしてしまうため1つの水槽に1匹までとして下さい。
まとめ
海水魚の混泳に関して特に重要なポイントを以下にまとめます。
- 魚の性格を把握し混泳を検討する。
- 同種間で争う魚でないかを確認する。
- 大人しい魚でまとめるか、荒い魚でまとめると良い。
- 餌を食べるのが遅い魚は同じように遅い魚でまとめる。
- ライブロックでレイアウトすることは隠れ家や視界を遮断できるため重要。
海水魚は淡水魚の熱帯魚と比べて性格が荒かったり、同種間で争ったり、テリトリーを持つものが多く混泳のハードルは高めです。
しかしポイントを抑えてさえいれば十分混泳が可能なのも事実。
飼いたい海水魚の性格を調べて、既存の魚と混泳できそうかを考えてみましょう!
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