失敗しないカクレクマノミの飼い方!餌や必要な飼育設備など!
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初心者向けに分かりやすく!
映画「ファインディング・ニモ」(および「ドリー」)で有名になったカクレクマノミの飼い方を紹介。
生体の値段、必要な設備や飼育にかかるお金、必要なお世話、餌などのカクレクマノミの飼育についてを「1」から解説していきます。
水族館じゃなくても飼えるの!?
普通に飼えるし、道具もホームセンターで全部揃うヨ!
目次
カクレクマノミの入手・値段
カクレクマノミは映画の影響で入荷が多くなり、簡単に入手できるようになりました。
カクレクマノミは海水魚の取扱がある熱帯魚店もしくはペットショップ、ホームセンターで入手することができます。
販売されているカクレクマノミは国内で繁殖されたもの(CB)、野生で採取されたもの(WD)があります。
値段はどちらも1000円ほどです。
CBは国内の水槽で繁殖されているカクレクマノミなので生まれた時から水槽育ちです。
そのため水槽で飼育する分にはCBの方が向いていて、WDは輸送のダメージがあったり人工餌を食べないこともあるのでCBと比べるとややハードルは上がります。
沖縄統一水槽とかネ!
必要な飼育設備
カクレクマノミの飼育に必要なアイテムをあげていきます。
水槽
まずは水を張る水槽が必要です。
最低でも30リットルは入るものを選んで下さい。
定番なのは45cmレギュラー水槽(横45cm×高さ30cm×奥30cm)です。
30cmハイタイプ(横30cm×高さ40cm×奥30cm)もオススメです。
まずは小さい水槽で試してみようと思うんだけど・・・
理由を説明するネ!
小さな水槽では水量が少ないため気温が変化すると水槽の水温もすぐに変化します。
しかし水温が変化すると海水魚の体力が奪われてしまいます。
そのため小型水槽だと朝と夜などで変動する気温により体力が奪われてしまい、病気になりやすくなったり衰弱死してしまう可能性が非常に高いのです。
ある程度大きい水槽を選べば失敗する可能性はグッと低くなるヨ!
- 多くの初心者は小型水槽を選んで後で失敗する
- 水槽サイズが45cm以上あれば初心者が失敗する要因のほとんどを防げる
人工海水
カクレクマノミは海水に住んでいる魚のため飼育には海水が必要です。
水道水に溶かして海水が作れる「人工海水」があるのでそれを購入しましょう。
人工海水は色々ありますが何でも構いません。
高いタイプのものはサンゴ育成用に栄養がたっぷり入ったものなので安価なもので大丈夫です。
比重計
人工海水の濃度を測定するものです。
比重計で「1.020~1.024」の間を指すようになるように人工海水の量を調節します。
範囲に収まっていないとカクレクマノミに負担がかかってしまうため、必ず比重計を使って測定するようにしましょう。
カルキ抜き
水道水には消毒のために塩素が使われていますが人体には問題ないレベルで残っています。
しかし塩素は微量でも海水魚にとってとても有毒な物質ですので、カルキ抜きを使って中和する必要があります。
人工海水には塩素を分解する成分が入っているものがありますが、蒸発した分の水を足す際に使用しますので別途必要になります。
無くてもバケツに汲み置きして日光に1日あてておけば塩素を抜くことができますが、カルキ抜きがあればすぐに抜けまた数百円ほどでずっと使えるので用意しておくのをオススメします。
ヒーター
カクレクマノミは暖かい地方に住んでいるため低温では生きることができません。
水中ヒーターをセットして寒くなってきた秋から暖かくなってくるまで温める必要があります。
25度か26度に設定できる熱帯魚用のものであれば何でも構いません。
水量によって必要なワット数が異なりますので水槽サイズに合わせて必要なワット数のヒーターを選びましょう。
またヒーターはサーモスタットと接続するタイプのものだけ買わないように注意して下さい。
自動で切れる機能が無いためお湯になってしまいます。
一般的なヒーターには設定した温度に調節してくれるサーモスタット機能が入ってるんだけど、サーモスタット接続用のヒーターは温度調節機能が無いから気をつけてネ!
温度計
水温を確認するための温度計です。
カクレクマノミに適した温度は「23度~27度」で、その範囲に収まっているか確認するためのアイテムです。
温度計は数値で分かるデジタル式と目盛りで分かるアナログ式のものがあります。
デジタル式のものが見やすく測定も早いのですがやや高め(1000円)です。アナログ式は100円からあります。
フィルター
フィルターは水を浄化する装置で、他にも水流を生み出して水が腐らないようにする役割があります。
フィルターは色々ありますが水槽のフチに掛ける外掛け式フィルターと呼ばれるタイプが手頃で便利なのでオススメです。
濾過能力は高くありませんが、次に後述するライブロックによる浄化作用もあるので45cm水槽に小さなカクレクマノミが数匹程度なら外掛式フィルターが丁度良いです。
水槽サイズに合わせて適した大きさのものを選びましょう。
ライブロック
ライブロックは「サンゴの死骸などの骨格をベースに微生物や小さな生き物が付着している海中の岩を採取したもの」です。
ようは自然にある海の岩なんですが、これを水槽に入れることによって大自然の浄化能力を水槽内に持ち込むことが可能になります。
水槽に魚を入れれる状態にする「水槽の立ち上げ」と呼ばれる作業もライブロックを使って作動させますのでほぼ必須の飼育用品です。
※水槽の立ち上げについては後述します。
自然から採取された岩ということもあり、水槽の見た目もグッと良くなりますよ。
ライブロックは文字通り生きた岩になりますが、死んで機能が停止していものは真っ白になってしまいます。
最近ではめっきり見なくなりましたがホームセンターなど取扱いが不適切で死んでしまったライブロックを販売しているところがありました。
死んだライブロックは浄化能力があまりありませんので購入は避けて下さい。
浄化作用のメインはライブロックの方だヨ!
上部式フィルターや外部式フィルターのような強力なフィルターを主体にする手もありますが、ライブロックを主体にした浄化システムをオススメします。
強力なフィルターと比べるとライブロックは以下の点で優れています。
- フィルターで浄化できるのはアンモニア・亜硝酸のみ。状態の良いライブロックは加えて硝酸も浄化できる
- 上記により水換え無しシステムを目指せる
- 見た目が自然に近づく
- ライブロックにより水槽を始動させることにより、市販のバクテリア材のような効果がある
- 岩があることで魚の隠れ家にもなる
- 電気代や掃除が必要ないのでエコ
必ず設置してネ!
- 水槽の浄化はフィルターではなくライブロックが主体である
- ライブロックは白くなっていないものを選ぶ
- ライブロックは水槽サイズの次に重要なアイテムである
サンゴ砂
水槽の底に敷く砂はサンゴ砂を使います。
サンゴ砂は飼育水を海水魚に適した弱アルカリ性に水質を保ちやすくなるメリットが有ります。
量は水槽に2cm敷けるくらいあれば十分です。
どれが良いとかあったりする?
粒の大きさは色々ありますが、オススメは細目タイプのものです。
パウダータイプのものは見た目が綺麗ですが水流に舞いやすく、後々サンゴやイソギンチャクを入れた場合に舞ってしまうことでそれらの生体にダメージを与えてしまいます。
大きいと隙間が出来て汚れが溜まりやすいので細目タイプのものが丁度良いでしょう。
照明
鑑賞のために照らす照明器具です。
観賞魚用の薄型LEDが扱いやすく、明るいのでオススメです。
例えば部屋の照明だと・・・こんな感じ。
飼育設備にかかるお金
カクレクマノミの飼育を始めるにあたってかかる金額、コストをまとめます。
必要な設備 | 金額 |
---|---|
水槽 | 3000円~(45cmレギュラー水槽) |
人工海水 | 1000円(50L) |
比重計 | 1000円~ |
カルキ抜き | 200円~ |
ヒーター | 2000円(100W) |
温度計 | 100円~ |
フィルター | 1500円~(外掛け) |
ライブロック | 3000円~10,000円 |
サンゴ砂 | 1000円 |
照明 | 3000円~ |
安く見積もると合計「16,800円」になります。
器具の価格はショップによっても異なるため20,000円ちょっと見ておけば良いでしょう。
あと水槽って電気代が高そうなイメージあるけどどうなの?
1個1個説明していくネ!
電気代
飼育設備で電気コンセントを使うものは「ヒーター」、「フィルター」、「照明」この3つです。
1個1個目安をあげていきます。
※一般家庭の電気料金、1kWhを26円計算(2017年10月時点)で算出しています。
ヒーター
ヒーターは45cm水槽で100Wほどと24時間つけっぱなしにすると1872円にはなりますが、温度調節機能が働いて自動的に電源がOFFされるので実際にはそこまで行きません。
場合によっては半分ぐらいしか稼働しないのでその場合は1000円ほどになります。
さらにヒーターを稼働させるのは寒くなってきた秋口11月頃から春先4月頃までの寒い時期なので半年ほどしか使いません。
そのため実際の月額電気料金は年単位でみると更に半分になります。
フィルター
テトラ社から販売されている45cm水槽に対応する外掛け式フィルター「AT50」を例にとってみましょう。
AT50は消費電力が5Wです。
フィルターは24時間稼働させるので1ヶ月に93円の電気代が発生します。
照明
最後に照明ですが、コトブキ工芸から販売されている薄型LED「フラットLED 400」を例にとります。
フラットLED400は消費電力が10Wです。
24時間つけっぱにしても月187円なので、餌やりの時につけるくらいなら数円とかのレベルになります。
テレビの方が高いくらいかな?!
人工海水のランニングコスト
海水魚の飼育には水換えという汚い水を吸い出し、綺麗な水に入れ換えることが必要です。
水槽の大きさや設備、魚の匹数にもよりますが、推奨の45cm水槽で3cmほどのカクレクマノミが2匹の場合は1ヶ月に1度の換水が必要です。
1回で換える量は1/3程度なので水槽の水を32リットルとすると約10リットル交換することになります。
人工海水はものにもよりますが50Lで1000円のものがありますのでリッターあたり20円、つまり1ヶ月に200円かかることになります。
人工海水はまとめ買いすれば安くなるので例えば200Lで2000円とかになります。
これを使うとリッター10円なので月に1ヶ月に100円と安く抑えられます。
※カルキ抜きは足し水にしか使わず、ほぼ減らないので無視しました。
- カクレクマノミに必要な飼育設備は2~3万円ほどで揃う
- かかる電気代は月500円~1000円が目安
- 水換えに使う人工海水は月200円ほど消費する。また人工海水をまとめ買いすればもっと抑えられる
カクレクマノミの餌
カクレクマノミのエサには人工飼料と呼ばれる粒状のエサがよく使われています。
人工飼料は小エビやイカ、海苔などを練って固めて乾燥させ粒状にしたもので、フタを開けてスプーンで簡単に与えることができます。
値段も1,000円ほどで、数匹であれば何年も使えるのでエサ代もかかりません。
一般的な海水魚向けの餌であればなんでも良いですが、カクレクマノミの口に入るような小さな粒のものを選びましょう。
カクレクマノミの餌はどれを選んだら良いの?
つまり割りと何でも良いから好みで選んだらいいけど、粒の大きさだけは気をつけてネ!
人工飼料を食べない!?そんな時は?
お迎えしたカクレクマノミの性格によっては人工飼料を食べないことがあります。
特に自然採取されたWD(ワイルド)のカクレクマノミは人工飼料を餌と思ってくれないことが多いです。
その場合はショップの店員さんに与えていた餌を聞いておいて、同じ餌を与えると食べてくれることがあります。
カクレクマノミの餌を最初からショップと同じ餌にしておくのも良いですね。
またお迎えするカクレクマノミを水槽内で繁殖したCB(ブリード)にすれば大体の子は食べてくれるので、お迎えするカクレクマノミの出生に気を使うこともポイントです。
またカクレクマノミは餌付けが簡単なので、食べないからといって落胆することはありません。
カクレクマノミの餌の種類や餌付けについては以下の記事で詳しく解説していますので、興味ございましたらお読み下さい。
関連カクレクマノミの餌について!オススメや食べない時の餌など!
水槽の立ち上げ方
水槽設備を組み立てて出来上がったばかりの水槽はカクレクマノミをお迎えできる状態になっていません。
水をカクレクマノミが飼える状態にする「水槽の立ち上げ」と呼ばれるプロセスが必要です。
水槽の立ち上げをしないとどうなる?
だから必ず立ち上げてからお迎えするコト!
立ち上がっていない水槽では魚を飼育するのが難しい状態にあります。
立ち上がってもないのに魚を入れてしまうのは初心者がハマりやすいポイントです。
すぐに入れてしまうとすぐに様子がおかしくなったり、もしくは数日後に衰弱して死んでしまいます。
必ず水槽の立ち上げを行い失敗をしないようにしましょう。
水槽のセット
以下の手順で水槽をセットします。
- 購入したフィルターやライト、ヒーター、温度計などの設備をセット
- 購入したサンゴ砂をバケツ等に入れて水で洗い、濁りをある程度落とす
- ある程度綺麗にしたサンゴ砂を水槽に2cmほど敷く
- 水槽に水道水を7割ほど注ぐ
- フィルター、ヒーター、照明を電気コンセントに接続
- ちゃんと動作するか、水漏れがないかをチェック
水位は普段、8割程度にしてカクレクマノミが飛び出さないようにします。
この時点で7割にするのはライブロックを入れて水位が上がる分を考えてやや少なめにしています。
ライブロックの量が多い場合はより少なくして調節しても構いません。(あふれそうになったら適度に排水して下さい)
じゃあ海水を作ろう!
人工海水を使って海水を作る
水槽に規定量の人工海水を溶かして混ぜ合わせます。
底に人工海水の溶け残りが無く、水が透明になるまで待機します。
時折水槽底をチェックし沈んで溶け残っている人工海水を混ぜ合わせて溶かしていきます。
大体30分ほどで完全に溶け切ると思います。
完全に溶け切ったら比重計を用いて1.020~1.024の間になっているかチェックし、収まっていないようであれば人工海水を追加で入れたり、水槽水を捨て水道水で薄めたりして調節します。
ライブロックの投入
次にライブロックをレイアウトを考えながら設置していきます。
魚を入れると配置換えすることができなくなってしまうので、この時点で納得がいくまで色々置き方を試してみて下さい。
※できなくはありませんが、病気のトリガーになるリスクがあるのでできるだけ避けます。
またガラス面とライブロックはある程度隙間を空けておくのがオススメです。
隙間があると水通りがよくなり病気になりにくくなるメリットがあります。
水槽に入れるライブロックの量について
とはいえ入れすぎも圧迫感があるしお金がかかっちゃうから、少なすぎない程度がオススメかナ!
水槽に入れるライブロックは水槽の浄化をする働きがあります。
そのためあまりにライブロックが小さい、また量が少ないと浄化能力が低すぎてしまいます。
魚のために岩場を組むという感覚が丁度良いでしょう。
岩場を組むために必要なライブロックの大きさと量を用意してみて下さい。
フィルターを空回しして待つ
ライブロックを設置し終わりましたら、フィルターを稼働させたままにして1ヶ月待ちます。
待つ理由は2つあります。
ライブロックに付着してる微生物が死ぬため
1つ目はライブロックに付着している微生物の一部が新しい環境に適応できず死滅してしていくためです。
この時点で海水魚を入れてしまうとライブロックから出る死骸により水を急激に汚して、海水魚にダメージを与えてしまいうのです。
そのためライブロック内で環境に馴染めずリタイアする微生物がでなくなるまで待つことが必要です。
浄化作用の始動
ライブロックは水槽に自然の浄化作用を持ち込むことができますが、その浄化作用が浸透するまでは時間が必要です。
これが2つ目です。
水槽に持ち込まれたライブロックは少しずつ時間をかけて水槽の水、サンゴ砂、またガラス面までも水を浄化する能力を与えていきます。
辛抱強く待ってネ!
立ち上げにかかる期間は導入するライブロックの質や水槽サイズなどで変わるため、その時その時でバラバラです。
一般的に2週間~1ヶ月と言われていますが大事を取って1ヶ月待つことをオススメします。
以前水質の測定を行って立ち上げ期間を検証しましたが19日かかりました。
宜しければ以下の記事でレポートにしていますので興味ございましたら御覧ください。
水換え
1ヶ月待ち終わりましたら水槽の4/5の量を水換えします。
立ち上げ時にライブロックから出た微生物の死骸カス(硝酸塩)が水中に漂っているためです。
水換えする際は必ずバケツなどで水道水と人工海水から適切な濃さ(1.020~1.024)の海水を作って下さい。
間違っても水槽内に直接水道水を注いで人工海水を入れるようなことはしないで下さい。
濃すぎる海水、真水は海水に棲む生き物にとって深刻なダメージを与えます。
適切な濃度の海水を作って水槽に注ぎましょう。
正しく換水できたら1日様子を見て立ち上げが完了です!
- 水槽をセットしてもすぐにはカクレクマノミは飼えない
- ライブロックを入れて1ヶ月空回しを行ってカクレクマノミが住める環境を準備する
・・・・あれ、イソギンチャクは?
イソギンチャクについて
失敗した場合のデメリットもあるからネ!
イソギンチャクはカクレクマノミとくらべて、「より綺麗な水を好み」、「適した照明」、更に「適度な水流」が必要になってきます。
考えなければならないことが多く、飼育設備も割高になるため初心者にはイソギンチャク飼育はハードルが高いのです。
また飼育に失敗してイソギンチャクが死んでしまった場合は急速に水を汚してカクレクマノミを道連れにするリスクもあります。
カクレクマノミにとってイソギンチャクは必要?
水槽にいるカクレクマノミにとってイソギンチャクは無くても全く問題はありません。
むしろイソギンチャクがあったほうがテリトリーを持って性格がキツくなり、他の魚を攻撃したりすることがあります。
カクレクマノミを飼っている方の多くはイソギンチャクを飼育していないのが現実です。
カクレクマノミのお迎え方
カクレクマノミを購入してこようと思うー!
カクレクマノミを水槽に入れる時も必ず抑えておかないといけないポイントがあるから説明するヨ!
購入後すぐに持ち帰る
ショップで店員さんに購入する旨を伝えるとパッキングしてくれます。
パッキングのおかげで購入後しばらく輸送することができますが、揺れや水温の変化などで時間が経つほどカクレクマノミの体力を奪っていきます。
そのためカクレクマノミを購入したらできるだけ揺らさずに一直線に家に持ち帰りましょう。
すぐに水槽に入れてはいけない
すぐに水槽に入れたらショック死を起こしてしまうヨ!!
水合わせという作業をする必要があるヨ!!
購入してきたカクレクマノミはすぐに水槽には入れてはいけません。
水槽の水質とカクレクマノミが入っていた水槽の水質が違っており、すぐに入れたらその水質の違いでショック死してしまうのです。
また死ぬまではいかないものの体力を大幅に削られてしまい調子が悪くなったり、しばらくして死んじゃったりします。
これを防ぐには「水合わせ」という作業を行って、カクレクマノミを徐々に水槽の水に慣らしていく必要があります。
水合わせの方法
水合わせは以下の手順で行います。
- 袋のまま30分程度浮かべる
- 袋の中の水を1/4程度捨て、捨てた量水槽の水を入れる
- 20分待つ
- 2と3を4~5回繰り返す
最初に袋のまま浮かべるのは水温を合わせるためです。あとは少しずつ水槽内の水を慣らしていく感覚ですね。
作業は全て水槽に袋を浮かべてその袋のまま行います。
水合わせが終わったらそっとカクレクマノミを水槽に放してやります。
ちなみにカクレクマノミだけでなく、どの魚を飼う時も必要だヨ!
- 購入したらできるだけ揺らさず一直線に持ち帰ること
- 水槽に入れる際は「水合わせ」を行い水質変化によるショックを緩和する
お世話、メンテナンス
カクレクマノミに必要なお世話は「餌やり」、「水換え」、「足し水」、必要に応じて「フィルターの掃除」が必要です。
順に説明していきます。
餌やり
1日に1回、カクレクマノミがお腹を膨れる程度の餌を与えます。
与え方のコツは少しずつ小出しにして与えることです。
一度に多くを与えてしまうと食べ損ねが出てしまい、底に落ちてしまいます。
カクレクマノミは床に落ちた餌を食べませんので、落ちた餌はゴミになり水質を急激に悪化させてしまうのです。
少しずつ小出しにして与えて食いが悪くなってきて残しそうだなと感じたら、与えるのをやめて食べ残しが出ないようにします。
いっぱい与えても良いけどこれは必ず守ってネ!
放置する場合は近いうちに水換えして食べ残しで汚れた水を綺麗にする必要があるヨ!
食べ残した餌は水をかなり汚してしまうので、食べ残しを放置してしまった場合は近いうちに水換えを行って水を綺麗に保ちましょう。
水換えは面倒臭いので食べ残さないように与えるのがやはりベストです。
またちゃんと毎日十分食べさせていれば3日程度食べなくても平気ですので、もし忘れても安心です。
水換え
水換えして貯まった汚れを出す必要があるヨ!
日数経過でカクレクマノミが出す汚れが少しずつ水槽に蓄積していくため、水換えを行って汚れを吐き出す必要があります。
水換えを行う頻度は水槽に入っている海水魚と飼育設備によって決まってきますが、本記事で説明した飼育設備で45cm水槽かつ3~4cm程度のカクレクマノミが2匹の場合は1ヶ月に1度程度で十分です。
水換えは以下の手順で行います。
- 水槽内の水を1/3排水する
- バケツに水道水を入れる
- お湯を使って水槽内の水と温度をだいたい合わせる(±1度)
- バケツの水と人工海水から海水を作る
- 人工海水を溶かしている合間に水槽内の比重をチェックし問題がないか見ておく
- 人工海水が全て溶けて透明になったら、比重計で濃度が範囲内かチェック
- 作った人工海水を水槽に優しく注ぐ
温度を合わせる際、デジタル水温計があれば便利です。目視で温度をチェックできます。
慣れてきたら手でも相対温度が分かるようになります。
あとは必ず人工海水を溶かしきって下さい。
人工海水が溶け切っていないとカクレクマノミにダメージを与えてしまい病気の引き金や弱ってしまいます。
しばらく経つと水換えが不要になっているかも!?
ライブロックは水槽の立ち上げが完了してもまだ浄化能力を十分発揮しているとはいえません。
ライブロックの浄化能力が本格的に開始されるのには半年~1年ほどと言われており、ライブロックの本格的な浄化能力が作動すると「カクレクマノミの排泄<浄化能力」となることがあります。
水槽に入れている海水魚の数とライブロックの量にもよりますが、水槽を立ち上げてから3ヶ月以上経っていれば水換えが不要な状態になっている可能性があります。
水換えが不要かどうかは測定してみないと分かりませんので、汚れの数値である「硝酸塩濃度」をショップで販売されている硝酸塩濃度測定キットを使って測定してみると良いでしょう。
硝酸塩濃度測定キットは以下の記事にまとめていますので、興味ございましたら是非お読み下さい。
関連硝酸塩濃度測定キットのススメ!飼育できるサンゴや適切な水換えタイミングが分かる!
足し水
その他、水が蒸発して水位が変わっていたら足し水を行います。
気づいたら行う程度で良いですがあまり放置しすぎて水位が変わりすぎると、海水濃度(比重)が高くなってしまい「1.020~1.024」の範囲外になってしまうため適度に行いましょう。
また足し水に使う水はカルキ抜きをした水道水を使用します。
ペットボトルなどにあらかじめ作っておいて、気づき次第水槽へ注ぐと良いでしょう。
足し水には真水で高くなっている海水濃度を薄める役割もあるんダ!
フィルターの清掃
フィルターにゴミが多く溜まり、フィルターの流量が大幅に落ちてきたら濾材を取り出して掃除を行うか、新しいものと交換して流量および水槽の循環を確保します。
洗う際は上下を水道水で通して詰まりを解消する程度で大丈夫です。
洗っても改善されなかったり、ボロボロでどうしようもなくなった場合は濾材の取り替えサインです。
おわりに、ステップアップ情報とか
以上でカクレクマノミの飼い方の解説は終了です。
最近ではカクレクマノミの入手が簡単になり、簡素な小型容器で売り出しているところも見られるようになりました。
しかしそのような設備では水温変化によりカクレクマノミの体力を奪ってしまい、しばらく生かすための「いけす」でしかありません。
もちろんペットは趣味・娯楽。そのような楽しみ方も否定しませんし、それはそれで入門者が増えて嬉しいと思います。
ですがもしペットとしてカクレクマノミを大事にされたい方はこの記事を参考にして、しっかりした設備でカクレクマノミをお迎えしていただければ幸いです。
他の魚との混泳
数ヶ月カクレクマノミを飼育できれば立派なカクレクマノミの飼育者です。
そうなればカクレクマノミの他にも海水魚を入れて一緒に飼育にすることにチャレンジしても良いでしょう。
クレクマノミにオススメの混泳魚は以下の記事でまとめていますので興味がございましたらお読み下さい。
関連カクレクマノミと混泳相性が良いオススメの海水魚!【初心者向け】
※魚を増やすと水換え頻度を増やす必要があります。増やしすぎないようにしましょう。
本記事ではカクレクマノミの飼育にだけ絞った飼育設備をご紹介しましたが「簡単なサンゴも飼いたい」「水換えはしたくない」という場合、コストは高くなりますが以下の記事で取り上げている飼育セットがオススメです。
関連初心者向け海水水槽の作り方!水族館で見たあの魚を飼おう!
その他、餌についてもっと掘り下げた情報や病気に関することなどカクレクマノミに関する記事は「タグ:カクレクマノミ」でまとめて見ることができます。
水流やサンゴの飼い方など海水魚の飼育に役立つ情報はカテゴリーの「マリンアクア」から全て見ることができますので、そちらも是非!
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