クローン増殖する奇妙なザリガニ「ミステリークレイフィッシュ」!
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1匹で増える摩訶不思議なザリガニ!?
「ミステリークレイフィッシュ」の大きさなどの特徴、飼育ポイント、繁殖形態などを解説。
その珍しい生態と美しい模様からペットとして飼育者も多い定番ザリガニです。
ミステリークレイフィッシュとは?
「ミステリークレイフィッシュ」は大理石模様が美しい10cmほどのザリガニです。
日本では不思議(ミステリー)なザリガニと呼ばれていますが、なんとメス1匹で繁殖する生態を持っている摩訶不思議なザリガニなのです。
(後ほど詳しく解説しますね)
そんな不思議な生態からペットとして飼う人も多く、ザリガニ好きには親しまれた定番種の1つ。
体長はアメリカザリガニよりはやや小さい程度で、TL(頭からシッポまで)なら8cm程度のやや小ぶりなザリガニです。
また英語では「The marbled crayfish」なので、「マーブルクレイフィッシュ」とも呼ばれることがありますね。
出自もミステリー
実はこのミステリークレイフィッシュ、気づいたらペット業界に流通しており、しかもどこから来たのかという出自が明らかになっていません。
自然界にも野生らしきものは未だ見つかっておらず、現在は「Procambarus fallax」というザリガニが突然変異したモノではないかと言われています。
が、結局のところ「可能性が高そうだ」止まりで完全な別種扱いになっており、出自も含めて色々ミステリーなザリガニです。
クローン増殖について
一般的な動物はメスとオスで繁殖し、生まれた子供はオスとメスの遺伝子を受け継ぎます。
対してミステリークレイフィッシュはメスの遺伝子のみで繁殖をするという非常に不思議な繁殖形態。
メス1匹で増える様はさながらミステリーです。
ちなみに生まれた子供はメスの遺伝子を100%引き継いでいますので、子供は親の完全なるクローンになります。
スライムみたいに完全に増えるワケではない
「1匹でも増えるクローン増殖!」というと、スライムみたいに無尽蔵に増えそうですがそれとは異なります。
飼育環境が悪かったり、食べ物が不十分な場合など繁殖条件が揃っていない限りは卵を生みません。
正確には交尾が必要無いと言ったほうがイメージに近いかなと思います。
普通のザリガニと同じく抱卵して繁殖していくので、その点では少しイメージと異なるかもしれませんね。
ちなみに余談ですが、無性生殖する動物としては他にも「ギンブナ」というフナや「アブラムシ」もミステリークレイフィッシュと同様にクローンで増える生き物たちです。
飼育のポイント
簡単に飼えるザリガニで、飼育については通常のザリガニと同様で問題ありません。
環境が良ければいずれ産卵し、稚ザリが増えていきます。
国内にはいないザリガニですが室内であればヒーターを入れる必要もなく、30度を超えないようであればクーラーも不要です。
冬場に繁殖を狙う場合はヒーターで20度程度を確保したほうが良いでしょう。
逃さないように徹底する
ザリガニ類は外来種として自然環境や農業への被害が大きいとされている要注意生物の1つ。
しかもミステリークレイフィッシュは外来生物法で「未判定外来生物」としてリストされています。
未判定外来生物は飼育禁止の「特定外来生物」に入るかどうか、未だ判定中である、という段階。
もしミステリークレイフィッシュが日本の自然河川などで発見され、問題視されれば「特定外来生物」に判定され飼えなくなってしまう可能性が高いです。
飼育の際はどんなことがあっても逃さないことはもちろんのこと、逃げないように徹底することがとても重要です。
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個人的な所感
「1匹で勝手に増えるミステリーなザリガニ!?」というとヤバそうですが、実際には交尾を必要としないと言った方がイメージに近いと思います。
しかしながらザリガニはペアリングが繁殖の一番難しいトコロなので、ソレが無いのは確かに増やしすいザリガニ。
店によっては青いタイプと茶色いタイプを分けて売られていますが、遺伝子的には同じクローンなハズなので実はどちらも同じ個体。
青を買っても脱皮で茶色になる可能性がありますし、茶色を買って綺麗な青になることもあります。
でも同じ環境で飼っていても青や茶色に別れたりするので、そういう意味でも色々とミステリー。
1匹で増えるという特異性質で注目されていますが、大理石模様で青みが入る美しいザリガニなので観賞価値も高いザリガニです。
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