リフジウムとは!?メリットとオススメの海藻、作り方について!
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海水水槽で使われるシステムである「リフジウム」についての記事です。
リフジウムとはどのようなものか?、リフジウムを設置することによるメリットやリフジウムの作り方、リフジウムに適した海藻をご説明・ご紹介します。
リフジウムとは!?
リフジウムとは「本水槽と接続された隔離水槽のひとつであり、海藻が繁茂した隔離水槽」のことです。
あくまで本水槽と接続されたもうひとつの水槽のことを指し、海藻をいっぱい入れた水槽のことではありません。
避難という意味の「refuge」と水槽を意味する「aquarium」を組み合わせて「refugium(リフジウム)」と呼びます。
スドーのサテライトなど小さな外部水槽でも海藻が繁茂していれば簡易であるもののリフジウムであると言えます。
By definition, a refugium is a separate compartment connected to the main aquarium filtration system, in which plants and micro-organisms can grow and reproduce.
It is not a stand-alone filtration unit.
リフジウムのメリット、効果
リフジウムには様々なメリットがあります。
硝酸塩濃度の低下、硝酸塩増加速度の抑制
海藻は硝酸塩を栄養として吸収するため、海藻が多く入っているリフジウムでは汚れである硝酸塩を多く吸収させることができます。
リフジウムで硝酸塩を処理してもらうことにより、硝酸塩濃度の低下や硝酸塩が蓄積する速度を抑えることが可能になります。
硝酸塩濃度の蓄積が少なくなることにより水換え回数を減らすことができることに加え、魚の数が少なく汚れの量が少なければリフジウムで硝酸塩を吸収しきることが可能になるため水換え自体が必要なくなります。
ようするに綺麗な水を保ちやすくなり、生体の数が少なければ水換えも必要無くなるということです。
また水槽内で海藻類を育てると岩やサンゴの上を覆ってしまいサンゴに光があたらなくなってしまいます。
そのため海藻の定期的なトリミング・間引きが必要になりますがリフジウムだとそのようなことが起こりません。
つまり植物に魚のフンを吸収させることができるってワケ!
エサの供給源
リフジウムは海藻が成長して繁殖しているため、増えた海藻は海藻を食べる魚の餌とすることができます。
ハギやニザダイにはとても良く食べてくれ、健康にも良いです。
またリフジウムだと小さなプランクトンが繁茂するようになり、それを食べるヨコエビなどの微生物が沸くようになります。
マンダリンフィッシュなど人工餌に餌付かない小さな魚はリフジウムを貴重な餌の発生装置にすることができます。
水槽内では食べつくされてしまいヨコエビは全滅してしまいますが、リフジウムによりヨコエビを隔離して繁茂させることにより継続的に餌を供給することが出来ます。
隔離水槽として使用できる
海水魚は気性が荒いものが多く混泳によりいじめられてしまう魚が少なくありません。
特に成長してくると水槽のボスのように他の魚を広間から追い出すようになってしまうことが多々あります。
普段大人しいとされているでも個体差や地形により他魚を追い回してしまうことも。
イジメられるとビビッって餌を食べれなくなってしまい痩せ細り、しまいには衰弱死してしまいます。
そんな時にリフジウムがあれば虐められている魚を隔離して集中的に餌を与えることができます。
逆に追い回している魚の方を隔離することも可能で、お仕置き部屋として頭を冷やしてもらうこともできます。
リフジウムで使われる海藻について
リフジウムで使われる海藻類は丈夫で成長スピードが早く硝酸塩の吸収が多いものが好まれます。
上記を満たす海藻としてリフジウムで多く使われているのは「ジュズモ」と「ウミブドウ」の2種類です。
ジュズモ
ジュズモは緑色の線状でモサァとした海藻です。
くねくねウェーブした形で成長することにより障害物に絡まって増えていきます。
リフジウムでは後述するウミブドウと人気を2分していて最も良く使われる海藻のひとつです。
土に根を張ったりはせずに岩や障害物に這わすように成長し、ジュズモ自体も細いため増えすぎて間引くのがとても簡単に行えます。
ウミブドウ
ジュズモと並んで多く使われるカエレルパ類の海藻です。
太い糸上の茎及び根に加え、ブドウ状の房および葉を持つことが特徴の海藻です。
こちらも良く増えやすく肉厚なため硝酸塩の吸収も期待ができます。
またウミブドウは海藻を好むハギやニザダイなどがとても好んで食べるため、餌として与えるならばこちらのウミブドウの方がオススメです。
またカエレルパ類の海藻はリフジウムに適した海藻とされていて、同じカエレルパであるタカノハヅタなどがリフジウムに使われることもあります。
リフジウムの作り方
リフジウムを作ることはとても簡単です。
メイン水槽と接続する隔離用の水槽を用意してそこに海藻を入れて照明をあてるのみです。
隔離用の水槽はオーバーフロー水槽のサンプ水槽に限らないため、小規模なものでもリフジウムとすることができます。
簡単に設置できる隔離水槽
メイン水槽と接続するというと難しいものに思えてしまいますが水槽を無加工でとりつけれる簡易なものからリフジウムは作れます。
簡単に設置できる隔離水槽としては「スドーのサテライト」や「JUNのスレンダー」などの設備が販売されており、これらを使うと簡単にリフジウムを作ることができます。
これらは水槽に外掛けたり、水槽上部にセットして使用できるため簡単に隔離水槽を設置することができます。
外掛けのものは安価で入手することができ、1,000円~2,000円で隔離水槽を増やすことができます。
照明は24時間あてる
リフジウムの照明は24時間あてたほうが良いでしょう。
24時間照明をあてることで常に光合成を行っている状態となり硝酸塩の吸収をフル稼働させることができるためです。
また海藻には寿命が存在しますが、24時間照明をあてることで寿命が減る要因である性繁殖を防止することができるため無駄に海藻の寿命を減らさないというメリットもあります。
一方サンゴは夜暗くして休息させることが必要なため、メインの水槽にはリフジウムの照明があたらないようにしましょう。
24時間ライトを点灯することは重要です。
このことによりカウレルパは性繁殖させずにすみます。
性繁殖するとカウレルパは崩れ、水を黄色くします。
砂は敷かなくて良い?
海藻は根を持ちますがあくまで岩や砂利などに絡まって固定するためであり、根から栄養を吸収することはほぼありません。
地上の植物は土に多く栄養が含まれているため、それを吸収するために根から栄養を摂取することができるようになっています。
海中だと土がなく砂や岩ばかりで栄養がありませんため、海藻は根から栄養を吸収するような構造をしていないのです。
そのため砂を敷くことは不要です。
根(付着器)は栄養を地中から吸収するためではなく、岩に固着するためのものである。
引用元:順応的管理による海辺の自然再生(国土交通省港湾局 監修、海の自然再生ワーキンググループ著)の第Ⅲ編、2.7 海藻類より
ライブロックを置くのも良い
海藻の成長自体には岩を必要としませんが、小さなライブロックに活着させることで水槽のレイアウト用アイテムとして使うことができるようになります。
海藻の成長を維持させるコツ
海藻を飼育する上で注意をするポイントとして「海藻は塩分濃度の変化にとても弱い」ことがあげられます。
かるく水道水でゆすぐだけで白くなって死んでしまうほどにダメージを受けてしまいます。
そのため水換え時にはできるだけ塩分濃度が変わらないように比重計でしっかり合わせて、海藻にダメージを与えないようにすることが飼育のポイントです。
より慎重に作業するようにしよウ!
まとめ
リフジウムの要点を以下にまとめました!
- リフジウムの定義は「本水槽と接続された隔離水槽のひとつであり、海藻が繁茂した隔離水槽」である。
- リフジウムを設置すると水換え頻度が低くなったり、隔離水槽として使用できるメリットなどがある。
- リフジウムで使われる海藻は「ジュズモ」と「ウミブドウ」の2つ。
- リフジウムは24時間照明をあてる方が良い。
- 海藻は塩分濃度の変化にとても弱いため取扱には注意が必要。
様々なメリットがありますが硝酸塩を吸収できるのは非常にメリットです。
レイアウトによってはライブロックが少なくなってしまうものもありますがその場合、ライブロックによる硝酸塩の浄化能力が低くなってしまいます。
水槽に入っているライブロックが少ない場合はリフジウムを設置することでライブロックの少なさをカバーすることができます。
また立ち上げ初期ではライブロックの硝酸塩を処理する能力が落ちているため時間が立たないと硝酸塩がなかなか下がりませんが、リフジウムを設置することで初期の立ち上げスピードを早めることができます。
リフジウムは敷居が高いものではなく簡易的に作ることができますので気になっているならやってみるのがオススメです!
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