静音性・性能が良い小型エアーポンプは?人気製品を比較!
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「小型水槽なんだけどどのエアーポンプがオススメ?」という疑問に答えるべく、小型水槽で人気のエアーポンプたちを実際に比べてみました。
特に静音性をまず重視し、その次にちゃんとパワーがあって使えるのか?といったところを紹介していきます。
比較した製品
熱帯魚店で実際に並んでいてインターネットで人気のエアーポンプ4個をピックアップしてきました。
今回ピックアップしたのはちゃんとしたメーカーが国内で安定供給している定番品で、Amazonなどにある謎の海外製品のものは除外しております。
それぞれ静音性などを検証していきますが、「検証結果は良いからどれがいいか教えてくれ」という方は飛ばして末尾の「比較結果を元に総評」を御覧くださいませ。
水作「水心 SSPP-7S」
ユーザーからの静音性の評価が高いエアーポンプといえば水作の「水心」シリーズ。
水心エアーポンプは大手通販サイトでもレビュー評価数・評価点共に一番の人気定番ブランドです。
その水心の小型水槽向けのモデルが「SSPP-7S」であり、比較についてもこの製品を中心に他製品を比較していこうと思います。
コトブキ「サイレントエア SA-1200S」
大手ペット通販サイトでは水心に次いで人気のエアーポンプがコトブキの「サイレントエア」シリーズ。(小型水槽限定で2022年05月調べ。)
静音・低振動設計とありパッケージに「静」と大きく書かれているから相当静かさを追求した商品であることが期待できます。
ニッソー「サイレントβ-30」
「サイレントベータ」は水槽用品の大手メーカーであるニッソー製のエアーポンプです。
ニッソーのエアーポンプは「アルファビートル」シリーズも定番ですが、今回は静音性重視ということで「静かさの極み」とパッケージに書かれたサイレントベータの方を比較に用意しました。
ニッソー「MUTE S」
小さくてオシャレなデザインと「ピエゾ素子による異次元の静けさ」に売り場で気になった人も多いのではないでしょうか。
「ミュートS」は同じくニッソーのエアーポンプで、その小さな見た目とパッケージには期待がかかります。
スペック比較
まずは商品仕様の比較表を以下に示します。
製品名 | 吐出量 | 適応水槽サイズ |
---|---|---|
水心 SSPP-7S | 1.0L/分 | 30~45㎝ |
サイレントエア 1200S | 1.2L/分 | 40cm以下 |
サイレントβ-30 | 1.7L/分(50Hz) 0.8L/分(60Hz) |
30cm以下 |
MUTE S | 0.2L/分(50Hz) 0.23L/分(60Hz) |
40cm |
「MUTE S」は流量がほかと比べてかなり吐出量が少ないです。
それ以外のエアーポンプは西日本だと差は出ないのですが、東日本住みだと「サイレントβ-30」が突出して吐出量が大きくなります。
(以下動作レビューは60Hzでの検証になります)
静音性の比較
騒音計を使って音量を測定して比較していきます。
エアーポンプは水深が深かったりエアーストーンの目が細かくて詰まった時など高負荷時の駆動音が異なる場合がありますので、エアーチューブの先に何も繋がない開放時とエアーせきとめて負荷をかけた高負荷時の2つの音を測定します。
なお測定室内は静かな寝室で騒音レベルは37.5~38dBからスタートです。
目安 30dB:郊外の深夜, 40dB:静かな図書館, 50dB:静かな事務所
水作「水心 SSPP-7S」
正直最初にコンセント入れた時は結構音が鳴ったのですが、エアーチューブをつなげるとスンと大人しくなりました。(エアーチューブの先は部屋の外に逃して空気排出音が入らないようにしています)
やはりユーザーからの評価通り静かなエアーポンプなのは間違いなく、寝室でも普通に使えそうなくらい静かです。
ただ負荷をかけてしまうと音がしますので、水深が深かったりエアーストーンが詰まっちゃったりするとうるさく感じる可能性があります。
(特に寝室にはちょっとうるさいと思う)
コトブキ「サイレントエア SA-1200S」
音は静かといえばそうとも言えるのですが、先程の「水心」と比べると一回り音がします。
個人的には小型エアーポンプとしては可もなく不可もなくという印象を受けますね。普通のエアーポンプらしい音に聞こえます。
ただ負荷をかけてもあまり音は変わらず負荷時に限っては水作よりこちらの方が静かです。
なので悪条件下(深い水深やエアーストーン詰まり)であれば、こっちのほうが静音性が高くなりそうです。
ニッソー「サイレントβ-30」
このエアーポンプ普通に音しますね。
無負荷時の駆動音で普通の小型エアーポンプらしい音とも言えるのですが、負荷をかけたら中型エアーポンプ並のたくましい音にボリュームアップします。
「静かさの極み」というキャッチフレーズに対しては「全然そんなことないな・・・」と思えざるをえず、静音性に関していえばオススメできないというのが正直な感想です。
ニッソー「MUTE S」
これかなり静かですね。
流石に無音というわけではないのですが、負荷時無負荷時ともに無音に近い感じの駆動音で静音性はかなり高いです。
静かなエアーポンプで人気の「水心」よりも1段いや2段ぐらい静かであり、正直寝室ですら全く駆動音が気にならないレベルだと思います。かなり静かですホント。
結果表
測定した結果を以下表にしました。
製品名 | 開放時音量 | 高負荷時音量 |
---|---|---|
水心 SSPP-7S | 39.8dB | 43.3dB |
サイレントエア 1200S | 40.8dB | 41.4dB |
サイレントβ-30 | 41.1dB | 46.2dB |
MUTE S | 38.1dB | 38.4dB |
ダントツで静かなのが「MUTE S」で無負荷・高負荷ともに他のエアーポンプと比べると突出して高い静音性があります。
次いで静音性が高いのが「水心」で、やはりユーザーから一番人気というのもうなずける結果です。
「サイレントエア」は「水心」と比べると一回り音がしてしまいますが、高負荷時に限っては「水心」より静音性は高いです。
「サイレントβ」は今回検証したエアーポンプの中では静音性が低めの結果になりました。
排出量の比較
30cmキューブ水槽に水を張り、「エアーストーン」、「エアーカーテン」、「スポンジフィルター」を繋いでどんな感じかチェックしていきます。
エアーストーン
使用したエアーストーンは「いぶき 丸 直径18」になります。
水作「水心 SSPP-7S」
いい感じに泡が出ていますね。
30~45cm水槽用とのことですが、その水槽サイズであればまず足りないってことは無いでしょう。
60cm水槽や分岐してもう1個エアーストーンとつないでも普通にいけそうな感じで吐出エアー量には余裕があります。
コトブキ「サイレントエア SA-1200S」
先程の「水心」と同じぐらいのエアー量です。
なお上記のようなエアーストーンをつなぐ程度の負荷では「水心」の方が駆動音が一回り静かだったので、普通に使う分であればサイレントエアよりも水心の方が静かでしょうね。
(エアーストーン詰まり、水深45cm以上でも無い限り)
ニッソー「サイレントβ-30」
こちらも「水心」と同程度のエアー量です。
スペック上は「水心:1.0L/m」、「サイレントエア:1.2L/m」、「サイレントβ:0.8L/m」とこちらがやや低いのですが、体感では違いが感じられません。
なお検証では60Hz駆動ですが50Hz駆動だと0.8L/m→1.7L/mと倍以上にパワーが上がるので、東日本にお住まいであればこれの倍になるかと思います。
ニッソー「MUTE S」
先程の3つのエアーポンプと比べると、「MUTE S」は明らかに吐出量が落ちますね。
エアー量は上記3つと比べるとスペック上は1/4ぐらいなのですが、体感的には1/3ぐらいかな?と感じます。
これを多いか少ないかは人によると思うのですが、個人的には「思ったより普通にエアー出るな」と良い感じを受けました。
分岐したりする余裕は一切ないですが1つのエアーストーンを繋ぐぐらいだったら普通に使えると思います。
エアーカーテン
次は細長いエアーストーンを繋げてエアーカーテンが出来るかどうかを試してみたいと思います。
(使用したのは「いぶき 直径18×150」になります)
水作「水心 SSPP-7S」
エアーカーテンでもバッチリ安心して使えますね。先程も言いましたが小型水槽であれば吐出量が足りないことはまず無いでしょう。
コトブキ「サイレントエア SA-1200S」
こちらも「水心」と同じエアー量でいい感じです。
ニッソー「サイレントβ-30」
こちらも「水心」と同じエアー量でいい感じです。
ニッソー「MUTE S」
流石にエアーカーテンは無理か・・・?と思いましたが、意外とエアーカーテンが出来ますね。
量はチョロチョロチョロというエアー吐出で本当にもうギリギリといった感じなので、エアーストーンが使用経過により詰まったりしてしまうと出なくなりそうです。
なお補足すると確認に使用したエアーストーンは新品じゃなくて水槽で使ってたエアーストーンではありますので、新品じゃないと動作しないワケではありません。
(とはいえこれよりパワーが必要なエアーストーンは無理そう)
スポンジフィルター
以下のように定番スポンジフィルターである「テトラ ブリラント フィルター」を設置し、パイプを少しだけ水面から出してどれぐらい水が出ているかをチェックします。
水作「水心 SSPP-7S」
パイプから十分な水が排出され、普通にスポンジフィルターを動かすことができています。
小型水槽用エアーポンプということで若干の不安はありましたが1つのフィルターに繋ぐ分には全然大丈夫と言えますね。
コトブキ「サイレントエア SA-1200S」
こちらも「水心」と同じく十分動かせています。
ニッソー「サイレントβ-30」
こちらも「水心」と同じく十分動かせています。パワー面は水心、サイレントエア、サイレントβは全部同じですね。(60Hzの場合は)
ニッソー「MUTE S」
水はチョロチョロとしか出ず、スポンジフィルターにつなぐのはパワー不足であることが伺えます。
現状かろうじて水が循環していますがフィルターは使用しているとゴミが溜まって負荷が上昇しますので、割りとスグに詰まって全く動かなくなることが容易に予想されます。
(そもそも流量低すぎて新品状態でも使い物にならないと思いますが・・・)
「MUTE S」はエアーポンプで駆動するフィルターに繋ぐのはやめておいた方が良いでしょう。
比較結果を元に総評
水作「水心 SSPP-7S」
「水心」はエアーポンプで一番人気のシリーズですが、実際に比べてみても非常に優れたエアーポンプでした。
フィルターを動かす十分余裕あるエアー排出に加え、静音性は同排出量のエアーポンプであれば最も静かです。
多くのユーザーが「水心は静か」というのも納得。
「30cm水槽なんだけど、とりあえずどれを買えば良い?」という問いには間違いなく「水心 SSPP-7S」がオススメできるでしょう。
コトブキ「サイレントエア SA-1200S」
「サイレントエア SA-1200S」は性能的には「水心」でいいかなという印象を受けます。
ただこちらの方がお店にはよりますが値段が一回り安いというメリットがあり、できるだけコストを抑えたいのであればオススメ。
吐出量という単純な機能面であれば同じですし、寝室に置くとかじゃなければこちらで事足りる場合も多いのではないでしょうか。
ニッソー「サイレントβ-30」
「サイレントβ-30」は残念ながら西日本(60Hz)で使う分には特に選ぶメリットは無いと思います。水心で良いです。
しかし東日本(50Hz)であれば吐出量が飛び抜けて高いというメリットを発揮し、値段は「水心」と同じながら吐出量は倍近くというコスパ最強のエアーポンプになります。
しかし他の定番エアーポンプと比べると音は明確にうるさいのでその点は注意が必要です
ニッソー「MUTE S」
ニッソーの「MUTE S」は最も静かなエアーポンプでした。
静かだと言われている「水心」と比べても更に一回り静かなエアーポンプで、音がどうしても気になってしまうというユーザーには非常にオススメです。
吐出量は他と比べると低くなってしまいますがエアーストーンを繋ぐ分にはなんとか普通に使えるので、エアーストーンに繋ごうと思っているのであれば水心よりもコチラの方が静音性が高くて良いです。
ただしエアーポンプで動くフィルターを駆動させるほどのパワーは無いので、スポンジフィルター・底面式フィルター・投込み式フィルターに繋ぐのであれば他のフィルターを探しましょう。
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