スドー ボトムサンドのレビュー。使ってみた感想。

スドーより発売のボトムサンドのレビュー。

粒のサイズや水質への影響調査、実際の使用感を紹介します。

目次




製品概要

ボトムサンド

「ボトムサンド」はスドーより発売の底砂で、コリドラスなどの底棲魚をターゲットとした製品です。

粒がかなり細かくかつ角のない砂であるため、コリドラスのような砂を掘り起こす魚やドジョウ(ローチ系)や淡水カレイなどの砂に潜る生き物に適した底砂となっています。

※洗浄済みの製品ではないため、予め水洗いが必要です。

ボトムサンド、製品裏裏面。
写真のパッケージは1.0kgのものです。他にも5kgのパッケージがあります。

粒のサイズ感

定規と指の上に乗せてみた感じは以下の通り。

ボトムサンドの大きさ定規と並べた様子
指の上に乗せたボトムサンド人差し指にのせたサイズ感

一般的な底砂と比べると非常に細かくなっております。

粒のサイズは多少ばら付きがあり、1mmを超えるものからメチャクチャ小さく粉みたいなものも混ざっています。

使用量の目安

「使用量のめやす」は製品裏面の表記より以下が示されています。

観賞魚中心 水草中心
20cm水槽 0.5kg~1kg 1kg~2kg
45cm水槽 3kg~6kg 7kg~8kg
60cm水槽 4kg~8kg 10kg~12kg
90cm水槽 10kg~20kg 25kg~30kg

なお販売規格は「1kg」と「5kg」があります。

実際の使用感

60cmボトムサンド水槽

上記のように60cm水槽のコミュニティタンクとしてこのボトムを使用しました。

オレンジ感のある色味の砂でやや派手めです。

明るい照明を使うと赤っぽくも見え、また反射で多少キラキラするので水槽の雰囲気が明るくなります。

明るい照明でのボトムサンド照明によっては赤っぽい砂
ボトムサンドを使っている様子(やや暗めの照明)

コリドラスなどの底モノ用の底砂としては、他にも「エイエフジャパンの田砂」,「水作の川砂」も定番ですがボトムサンドはそれらと比べて明らかに色がありますね。

粒サイズ

粒サイズについてはかなり小さく、砂利というよりは砂といったほうが良いです。
(まぁそもそもサンドって砂って意味ですし)

コリドラスは本来、エサとともに泥や砂ごと吸ってエラ蓋から不要なものを排出しますが、ボトムサンドではその行動を観察することが出来ます。

ボトムサンドを掘り起こすコリドラスたちエラからボトムサンドを排出する行動が観察できる

田砂だとちょっと大きめなので成長した大きいコリドラスじゃないと砂を排出する行動は見らなかったりするのですが、ボトムサンドはかなり小さいので小さなコリドラスでもその行動を観察しやすいです。

水槽内では(いなくて)観察できませんでしたが、ドジョウ系の熱帯魚や淡水カレイなど潜る性質のある底モノにもいい感じかと思います。サラサラしてるので潜りやすいです。

メンテナンス

メンテナンスはプロホースが必須レベルで、一般的な熱帯魚用ホースで掃除するのは困難です。

向いていない一般的なホース

粒が細かいため舞いやすく、熱帯魚用の安い掃除ホースを使うと水と共に砂を吸ってしまいがちになります。

そういったホースでバケツに砂ごと捨てて、バケツ内で砂を洗うということでも掃除できますが非常に手間です。

水作から発売の「プロホース」は砂掃除用の筒部分が広くとられているため、流量を調整すればうまくゴミのみを排出することができます

プロホースを使った砂利の掃除ホースを握って流量を調節すれば、ゴミと砂を分離できる

魚は色飛びする場合があり

水槽ライトをつけると光が反射して明るいためか、コリドラスの種類によってはしばらく経つと色が飛んで薄くなる場合が結構あります

例えばコリドラス・ステルバイは以下の通り。

コリドラス・ステルバイこれが
色飛びしたコリドラス・ステルバイボトムサンドで色飛び

他にもコリドラスアドルフォイだと、

コリドラスアドルフォイ(養殖)これが
色飛びしたコリドラスアドルフォイボトムサンドでこうなってしまった

という感じで色が飛ぶコリドラスがいます。

もちろん中にはボトムサンドで色が飛ばないコリドラスもいて、例えばコリドラス・トリリネアータス、コリドラスジュリーなんかは全く変わりません。

ボトムサンドでのコリドラス・トリリネアータス中には全く色飛びしないコリドラスもいる。
(おそらく体色が周りの色に影響されるやつは全般的に白くなる)
ボトムサンドで色飛びしたコリドラス・ロレトエンシス色飛びしてもそれはそれで良いコリドラスも
(コリドラス・ロレトエンシス)

僕の環境では概ねコリドラスの半数以上が色飛びしたので、色飛びする可能性も考えて検討するのがオススメです。

総評

コリドラスといえばボトムサンドをオススメされることが多い定番の底砂ですが、実際に使ってみた感じとしても人気なだけはあるなと思いました。

角のない砂と明記されていますが、実際コリドラスたちも問題なさそうなので中々良くてオススメです。

追記:訂正致します。

ボトムサンドをしばらく使っていましたが、どういうワケかボトムサンドを使うと魚のエラの動きがおかしくなるように見受けられます。

症状としてはエラの呼吸が早く荒くなり、魚の種類によってはエラが赤くなっているようにも見えるといったものです。

エラがおかしいコリドラスアドルフォイなんかエラがおかしくなる

当初は病気かと思い洗浄、薬による治療などを試みましたが改善せず、最終的にボトムサンドを変えたらエラの動きが普通に戻りました。

どういう理屈でそうなるのかは不明ですが個人的にはボトムサンドはオススメしません
(ちなみに厚さは0.5cm~1cm~部分により3cmほど)

同じサラサラ系の砂として「水作の川砂」も試しましたがそちらはエラの動きに問題は見られなかったので、サラサラ系の底砂が良いのであればそちらのほうがオススメです。

水質への影響

結論から言うとボトムサンドはpHを上昇する作用がそこそこ強く、中性の水を弱アルカリ性に傾けやすいです。

水質測定

ボトムサンドの水質、調査

上記のように小さい水槽を2つ用意し、片方にボトムサンドを入れて水道水を注ぎ、それぞれエアーレーションして水質がどうなるかを調べてみました。

2日経過後、テトラのpH測定液で測定した結果「水道水pH7.5」に対し「ボトムサンドpH8.0」と普通に弱アルカリ性に。

ボトムサンドと水質検査役

その後水道水ではなく、pH調整剤でpH5.0にした水で同様に確認してみると「調整水pH5.0」に対し、「ボトムサンドpH7.0」と結構pHを上げる作用が確認できました。

水質評価

水質に影響を与えない言われることもあるボトムサンドですが、確認してみると「弱アルカリ性の水質」に傾ける作用があります

そのため弱酸性の水を好むテトラやラスボラ、ダニオ、コリドラスの魚には水質的には適していません

3匹のグリーンネオン多くの小型テトラはマッチしない
(グリーンネオンテトラ)

とはいえよく売られているネオンテトラなどは元が丈夫なため飼育することも可能といえば可能ですが、水質があっていないため本来より短命で死んでしまう、病気になりやすい等のリスクはあります。

特にコリドラスなんかは基本的に弱酸性寄りの水質を好むため、アルカリ性に傾けるこの砂はマッチしておらずコリドラスに向いてないと思います。

(上で半数以上のコリドラスは色が飛ぶと紹介しましたが、水質があっていなくて飛んでいる可能性も高いですね)

対してどちらかというとアルカリ性を好むグッピー、プラティ、バタフライレインボーやシュードムギル”ティミカ”などは水質的にマッチします。

白いミッキーマウスプラティ弱アルカリ性を好む魚も多い
(プラティ)

フンや尿などで水質が弱酸性に傾むこうとしてもこの砂によりアルカリ性の水に維持する力が働くので、水質は(弱アルカリ性を好む魚にとっては)安定します。

競合製品との比較

同じく昔からコリドラスだと大定番な底砂である「エイエフジャパン 田砂」、あと個人的にオススメの「水作 川砂」と比較してみます。
(田砂良いんですけど品薄なんですよね)

左「水作 川砂」、中央「田砂」、右「ボトムサンド」。

水作川砂、田砂、ボトムサンド

ボトムサンドはひときわ赤みが強いです。

水中での見え方は以下の通り。

左:水作の川砂、中央:田砂、右ボトムサンド

粒サイズ

川砂、田砂、ボトムサンドの大きさ比較

田砂と比べるとボトムサンドはかなり小さめで、比較的砂寄りの底砂と言えるでしょう。

水作の川砂とほぼ同じサイズですが、水作の川砂はサイズ感にバラつきが無いのでそれと比較するとやや大きめとなっています。

水作の川砂とボトムサンドは粒が非常に細かいので小さいコリドラスでも砂をエラから排出する行動を見られますが、田砂はある程度育ったコリドラスじゃないとその行動は見られません。

比重

タッパーにすり切り入れて重さを測るとこんな感じ。

比重比較「水作の川砂」「田砂」「ボトムサンド」

水作の川砂とボトムサンドが同じくらいの比重です。

田砂は粒が大きいのに重いので田砂の比重は一回り重いですね。この比重の重さが「田砂は掃除がしやすい」と言われる所以かと思います。
(粒同士の隙間が空いてるのにも関わらず重いということ)

水槽内での見え方

水作川砂とコリドラス・ステルバイ水作 川砂
田砂にいるチェッカーボードシクリッド田砂
ボトムサンドとロンドニアジュリーボトムサンド

比べるとボトムサンドはかなり色のついた底砂のように感じられますね。

上記環境はカメラ設定とライトを統一したものではないため、あくまで参考程度に。
(照明の色味と強さにより印象はだいぶ変わります!)

水質

水作川砂、田砂、ボトムサンドの水質調査

上記のように小さなケースに砂を入れ、水道水とpH調整剤でpH5.0にした弱酸性の水を2~3日エアーレーションして水質の変化を確認しました。

結果は以下の通り。

水道水 弱酸性水
砂なし 7.5 5.0
水作の川砂 7.5 6.0
田砂 7.5 6.2~6.5
ボトムサンド 8.0 7.0

中性の水を投与すると田砂と水作の川砂は水質が変化しませんが、ボトムサンドは弱アルカリ性の水質に傾けます。

やや強めの弱酸性水を投与した場合、田砂と川砂は気持ち上がるものの弱酸性止まりですが、ボトムサンドは中性にググッと引き上げますね。

その他の情報

あとボトムサンドと水作の川砂はコリドラスと水槽照明によっては色飛びします。

特にひどく飛ぶのがボトムサンドで、周りの環境で体色が影響する種類のコリドラスはあんまり宜しくないです。

ボトムサンド >> 水作の川砂(少し飛ぶ) >> 田砂(飛ばない)

色飛びしたコリドラス・ステルバイボトムサンド。
環境・コリドラスによってはかなり気になることも
水作の「水槽の底砂:川砂」とステルバイ水作の川砂。
ボトムサンドほどひどくはないが多少は色飛びする。

補足するとボトムサンドは明るい色味だけではなく、pHも上がってしまうため水質があわずに色飛びしている可能性もあります。

田砂は落ち着いていてる色味からか、色飛びは基本的にしないので良いですね。

【比較した製品】

よくある質問

田砂と迷っています。ボトムサンドの方が粒サイズが小さいのでバクテリアが多く定着して性能が高いと思いますがどちらがいいですか?

性能はどっちもたいして変わらないと思います。

ボトムサンドのほうが表面積が広くなるのは確かですが、細かすぎて通水性が悪いのでそんなに差はないと思います。

厚めにしくと下のほうが水が流れないので、濾過バクテリアが住み着きません

ボトムサンドと田砂の2択であれば底砂のろ過能力をあてにするよりも、余裕のあるフィルターを使ってそれをセーフティにした方が失敗しにくくオススメです。

(補足:選択肢が溶岩石・ゼオライトで底面フィルターとかだったら話は違うのですが、田砂・ボトムサンドはフィルター性能をあてにしましょう!)

何cm敷けば良いですか?

コリドラス+小型魚の水槽であれば0.5cmぐらいあれば十分かと思います。

粒が小さすぎて通水性が悪いので厚めに敷くと雑菌の温床になりやすく、ふとした時に舞い上がらせてしまったら雑菌が放出されて泳いでいる魚が病気にかかって死んでしまう、ということがあるためです。

いわゆる底が見えないギリギリラインであれば通水性はバッチリ確保されるので、雑菌の温床となりにくいので良いです。

30cm水槽であれば1kgも買えば十分かと思います。

30cm水槽と1kgのボトムサンド30cm水槽で1kg(少し実験で減った)を使った様子。
個人的にはこれでも多いと思う。

ただコリドラスやドジョウ系の魚などの”底モノ”は砂由来の病気に強かったりするので、底モノばかりであれば厚く敷いても問題ないでしょう。

水草は育ちますか?

非常に育ちにくいです。一部を除いて不可能と思っても良いくらいです。

丈夫な水草であるクリプトコリネをいくつか植えてたんですが育ちが悪く、最終的には枯れてしまいました。

水草に適しているか?を突き詰めてやったワケではないのですが、同じ底モノ用である田砂のほうは普通に育ってくれるので、ボトムサンドは水草には向かないと判断しました。

そもそもボトムサンドは水草が非常に育ちづらい環境である弱アルカリ性の水質にしてしまうため、この点からも水草育成とは合いません。

ボトムサンドで水草を使用したい場合はアヌビアスナナやミクロソリウムなど、砂に植えない水草で”強健”な水草ぐらいしか選択肢がないと思います。いずれ枯れます。

シェアしてね!

Sponsored Link

この記事へのコメント

  • 投稿いただいたコメントは本サイト及び関連メディア等で編集されて掲載される場合があります。
  • コメントは承認制です。
    管理者が承認するまではコメントは掲載されません。記事と直接関係ない内容や他ジャンルをけなすもの等、管理者が不適切と判断したコメントは不掲載となる場合がございます。

以上あらかじめご了承の上、投稿下さいませ。

コンテンツ

サイト運営者

運営者のイメージ

ジュン

自然派インドア。

いろんな生き物で培った実経験を元にアレコレ書いてます。

ネット上によくある「飼育素人のプロライターがネット上の情報を集めてそれっぽく書いた記事」ではなく、愛好家が経験を元にした記事がウリです。

ヨロシクネ!!