グランデカスタム600、実使用レビュー。競合製品との比較など
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GEXから発売の上部式フィルター「グランデカスタム600」の実使用レビュー。
濾過能力やうるささ、使用感、競合製品との比較などを紹介していきます。
製品の概要
GEXの上部式フィルター「グランデ」に段を増やせるカスタムパーツがセットになってるのがこの「グランデカスタム」です。
※正確にいうとグランデのモーターは淡水仕様に対し、グランデカスタムのは淡水海水両用のモーターが使われています
上部式フィルターは通常1段のろ材ボックスなのですが、この製品はろ材ボックスが2段という他の製品には無い大きな特徴を持っています。
正直上部式フィルターはどの製品も似たりよったりで性能にあまり差がないのですが、この点は革命的ですね!
(だからこそ人気製品なのだと思います)
濾過槽容量 | 3.9L+1.3L |
---|---|
流量 | 8.5L/分(50Hz)、9.5L/分(60Hz) |
モーター | 水上設置タイプ 淡水海水両用 |
消費電力 | 11W(50Hz)/10W(60Hz) |
電気代 | 1日あたり約6円(50Hz)、約6.6円(60Hz) |
内容物・設置の様子
箱を開けてみるとこんな感じで入ってます。
ろ材ボックスがデカくて2段あるせいかパーツ数が多くて取説読まないと「?」でしたが、一度組んでしまえば覚えれるレベルの難しさです。
最初の取っ付きにくさは感じましたが、掃除の時になんとなくで再組み立てできるので”可”かな、と思います。
付属ろ材・ウールマットはこんな感じ。
ウールマットはなんてことはないベーシックなタイプ(デュアルマット-P)で、あと「グリーンバイオ-N」というろ材が入っています。
グリーンバイオは取説を見る限りろ過バクテリア定着剤かな?と思います。
設置の様子
60cm水槽(高さ40)に設置してみた様子がコチラ。
「水槽上がしっかりデカいな!!」という感じで、なかなか存在感ありますね。
上の写真ではオールガラス水槽に設置してみましたが、横に少しでもズラすとストンと落ちちゃいます。
乗ってるだけで少しでもあたってしまうとバッシャーンと水没しますので、製品箱にある通りオールガラス水槽では使用できないようです。
フレーム水槽専用。
ろ材ボックスが大きくてとても好印象。ろ材がタップリ入りそうです。
製品箱のパッケージイラストの通り、上から「レール」→「上段ボックス」→「下段ボックス」→「水槽」という感じで水が流れていきます。
排水パイプは伸縮式でこんな感じで、縮めたり伸びたりできます。
一番縮めると27cmぐらい。
なのでそれより低いらんちゅう水槽とかに使う場合は、パイプカッターなどで加工して排水パイプを物理的に縮める必要があります。
なおコードは短く長く考えても80cm、実際に使えるのは70cmちょいでした。
使用感・ろ過能力の考察
ろ過能力
ろ過能力は、どれだけ濾過バクテリアの量を増やせるか、がポイント。
そのためにはウェットとかドライとかよりも、まずバクテリアの住める場所を多く確保するということが最重要になります。
要するに「どれだけろ材を入れれるか?」がろ過能力の肝になるわけですが、グランデカスタムは上部式フィルターとしては飛び抜けてろ材を入れれるのでトップクラスの上部式フィルターと言えます。
こんな感じでバクテリア定着剤などのろ材をメチャクチャ大量に入れることができます!!
これによりろ過バクテリアが大幅に増え、他の上部式フィルターを大きく超えるろ過能力にすることができます!。
こんなことができる上部式フィルターは初めてです。凄い。
そもそも表記ろ過槽容量が「3.9L+1.3L」であり、これは外部式フィルターのろ過槽容量に匹敵するんですよね。
※定番外部式であるテトラのVX-75で濾過槽容量「5.8L」
いやぁこれは凄い!!メチャクチャ良いです。
付属ろ材は標準レベル
ただし付属ろ材は一般的な上部式フィルターのものしか付属していないのには要注意。
そのため付属のろ材そのままでは普通の上部式フィルターの浄化能力のまま、ということになります。
グランデカスタムを購入するなら、必ず何らかのろ材でいっぱいにしないともったいないです。
ろ材を追加で入れない場合は普通の上部式フィルターと同じなので持ち味を活かせません。
参考程度に、僕はサブストラット詰めてディスカスという中型熱帯魚の育成をしていますが良い感じです。
静音性
静音性については上部式フィルターらしくて、静かではないです。
2段ボックスで高さがあるせいか水が落下する音がそれなりにします。
水槽へ水を落とす排水部はもちろんのこと、モーターからウールに水を落とすボックス部も落下音がありますね。
加えてモーター部からの音もちょっと気になるレベル。
私は今3台使っているのですが、3台中2台はモーターから「ヴゥゥゥン」と低く鳴り出すようになりぅーんこの。
人によってはっきりうるさいでしょうね。
その他感じたこと
海水で使用してもいますが、塩ダレが出ます。こんな感じ。
海水可と書いてはいますが構造上は海水に向いてないと思います。
1~2週間ごとにふけるのであればよいのですが、上部式フィルターって水槽の背面とかに置くパターンが大体だと思うんで拭きにくいんですよね。
海水フィルターとしては欠陥なのでは・・・。
まぁ淡水で使う分には良いのですが、一応参考までに。
競合製品との比較
グランデカスタムはトップ人気を誇る上部式フィルターでありますが、同じくコトブキから出ている「スーパーターボ トリプルボックス」も上部式フィルターの定番人気商品。
(ツートップだと思います)
せっかく両方使ってるので違いを紹介していきます。
設置感
後ろがグランデカスタム、手前がトリプルボックスです。
パッと見はそこまで違和感がないものの、水槽とトリプルボックスを見比べたあと、水槽とグランデカスタムを見比べると明確にデカいですね。
ろ過容量
これはグランデカスタムが圧倒的に良いですね。
トリプルボックスに入る分だけ入れたエーハイム製ろ材(サブストラット)を、このグランデカスタムにそのまま移植してみたのがコチラ。
ご覧の通りかなり容量には余裕があり、まだまだ多く入れることができます。
更にろ材を追加してみてみましたが、およそ2倍から3倍も多く入れることができました!(単純計算ろ過能力が2倍~3倍!!)
トリプルボックスも上部式フィルターの中ではろ材容量が大きいフィルターですが、それを大きく超えるろ材容量はとても凄いです。
ただどちらも製品に付属しているろ材はほぼ同レベルなので、そのまま使うならろ過能力が同じになってしまいます。
グランデカスタムはろ材ありきの本領発揮なので、是非とも別でろ材を購入して使いたいところです。
静音性
これは逆にグランデカスタムが大負け。
グランデカスタムはめちゃうるさいとはいかないものの、はっきりいってうるさいんですよね。音します。
逆にトリプルボックスは水が落ちる音もあまりしない上、モーターが水中式のためモーター自体の音も出にくいような構造になっています。
(グランデカスタムは水上に設置されるタイプ)
スイッチをON/OFF切り替えてみたら、トリプルボックスが断然静かで上部式とは思えないくらいです。
トリプルボックスは寝室いけると思いますが、グランデカスタムは寝室にはうるさく感じるかと。
消費電力・流量
消費電力はグランデカスタムが「11W」に対し、トリプルボックスは「6W」。
※50Hzの場合
グランデカスタムはトリプルボックスの約2倍の消費電力です。
電気代換算すると月あたりグランデカスタムが約220円とトリプルボックス約120円といったところ。
※1kwh27円/31日使用
グランデカスタムはろ材ボックスが上に積まれてるので高い位置まで水をあげなければならず、強力なモーターが使われているため消費電力が高めになってるようです。
ちなみに流量はグランデカスタムが8.5L/分に対し、トリプルボックスが8L/分と変わらず。
値段
グランデカスタムが5000円程に対し、トリプルボックスは3000円ほどとなっています。
※2020/12現在
仕入れやメーカー・卸のタイミングにより相場は変動しますが、グランデカスタムが2000円ほど高いのかな?と思います。
現在の相場状況は調べてみて下さい↓。
その他の違い
あとの違いといえば
- 海水使用時、トリプルボックスが塩ダレしないのに対しグランデカスタムは塩ダレする
- トリプルボックスがオールガラス水槽になんとか設置できるのに対し、グランデカスタムは設置できない
といった違いがあります。
特にオールガラスで設置できないのは個人的に大きかったです。
トリプルボックスもオールガラス不可とは書いているんですけど、フィルター下の突起がいい感じつっかえてに落ちないようになってて設置できなくもないんですよね。
※60cmレギュラーと60cmワイドのオールガラス水槽6mm~8mmガラス厚で確認
グランデカスタムは横に押しただけで水槽フチがないとスポッと抜け落ちちゃうので改造しないと使用できないです。フレーム水槽完全専用。
・
・・
とまぁ全体的にはトリプルボックスの方が良いものの、ろ過能力はグランデカスタムがダントツといった感じ。
ろ過能力・カスタム性能をどのくらい重視するのかがこの製品の購入の決め手となりそうです。
総合評価
上部式フィルターってどのメーカーから出てるのも正直ほぼ同じだったんですが、このグランデカスタムは明確に違いますね・・!!
ろ材容量がめちゃくちゃデカい!!それに尽きます。
ろ材容量が他の上部式フィルターの2~3倍以上もあるため性能の高い濾材を多くいれることができ、つまりめちゃくちゃろ過能力を高くすることができるのです。
僕はバクテリア定着剤であるエーハイム サブストラットをメインに使っていますが、他にもリングろ材や、サンゴ砂、バイオボールなど、魚や自分の好みにあわせて色々なろ材をカスタムすることができます!!いいですね!!
上段と下段でしっかりろ材を分けられるのも良ポイント。
上段をウールマットにしてウールの洗浄・交換をしやすくしつつ、大容量の下段は全部ろ材入れにして使い分けできたりします。
外部式フィルターのように大容量のろ材ボックスに好きなろ材を入れることができるので、外部式フィルターの良さを併せ持った上部式フィルターとも言えるでしょう。
音がまぁ上部式フィルターらしい音で静かではないものの、大容量のろ材容量はそれを大きく上回るメリットに感じました。
ただ初期ろ材だけでは普通の上部式フィルターと性能が同じなので、是非良さそうなろ材を見つけて大量に入れてあげましょう。
名前通りカスタム前提だと思います。
(カスタムせずに初期そのままで使うならコトブキのトリプルボックスとかの方がオススメ)
上部式フィルターながら外部式フィルターの性能に近い要素がある「グランデカスタム」。
やっぱり上部式フィルターでトップ人気の製品だけはありますね!とても良い製品でオススメです!
参考
オールガラスでは使えないと述べましたが、落ちないように加工か工夫してやればオールガラス水槽でも使えんこともないので参考までに紹介しておきます。
例えば「かさねらレール」をかませば、位置が固定されるのでオールガラスでも使えるようになります。
また加工が得意なら、本体側にプラ板とかアクリル版で落ちないようにしても良いです。
以上参考になりましたら幸いですッ。
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この記事へのコメント
コードの長さはどうでしょうか?屋外飼育なので音にはそこまで気にならないと思ってますが、コードが短い物理的に使えないなあと思いまして。
>>1 Reon氏
短いですね。
根本からなら80cmですけど、実際に使えるのは70cmちょいぐらいだと思います。