pH測定器、マーフィード「エコペーハー DUO」レビュー
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マーフィードから発売のアクアリウム用pH測定器「エコペーパー DUO」の実使用レビューです。
梱包品、使い勝手やメンテナンスなどを紹介。
製品の概要
「エコペーハー DUO」はマーフィードから発売のpHと水温を測定できる水質測定機です。
pH測定については試験薬を使って測定するものが広く普及していますが、「水を採取→測定液を垂らす→カラーパレットと見比べる」という工程があるため手間がかかり、測定値についても色の見え方の個人差により測定ブレも出てしまうデメリットがあります。
これに対し、「エコペーハー DUO」はボタンを押してセンサー部を水につけるだけでpHが数値で表示されますから、簡単に個人差による測定ブレもなく測定することが可能です。
(試験紙を使ったpH測定方法もありますがかなり誤差が大きいことがあるのでアクアリウム愛好家の中では一般的ではありません!)
パッケージに書いてある製品特徴を以下に抜粋します。
- 淡・海水両用
- メモリー機能:測定したpH・水温を10回分記憶します。
- ワンタッチ自動校正:面倒な校正はボタン1つで自動校正
- オートOFF:自動的に電源を落として電池の節約
- オートロック機能:測定値の安定を自動的に感知
- ホールド機能:センサーを水から出しても確認可能
- 電池残量表示:電池の交換時期を表示窓でお知らせ
- 生活防水&フロート:水漏れ、一瞬であれば落水にも対応
仕様 | |
---|---|
pH測定範囲 | 0~14.0pH |
精度 | ±0.2pH |
水温測定範囲 | 0~50℃ |
精度 | ±0.5℃ |
電池 | 1.5Vボタン電池(LR44)×4個 |
電池寿命 | 連続使用時150時間 |
重量 | 約60g |
サイズ | 170×32×15(mm) |
開封・本体の様子
パッケージ裏に保証書が付いていますがフィルムの上から貼ってあるだけです。(普通に捨てかけた)
開封するとこんな感じで「本体」と「1回分の校正液」、それと箱がそのまま「ケース」になります。
パッケージの紙は取説冊子になっており、展開すると使い方を読むことができます。
本体はこんな感じ。
ボタン電池LR44が最初から電池ケースにセットされています。
開封時の本体は上記のように電池ケースが半開きの状態でセットされているので、電池ケースを奥まで差し込んでやれば「ピッ」と音がなり起動します。
フタを外すと水につけるセンサー部が現れます。
このガラス玉っぽいのがセンサーの検出部で、これによりpH測定が行われます。
このガラス電極はとても繊細なため触ってゴミ・キズなどがつくと正常に測定できなくなりますので、取り扱いには注意が必要です。
(とはいえうまくカバーされてますね!)
使用感・レビュー
校正
初回は付属の校正液で校正を行って下さいとのことですので、実際に校正してみます。
本体センサー部を水道水で軽くすすぎブン回して水気を切った後、校正液の袋に入れる形で本体センサー部を液につけます。
校正液につけたら「CALボタン」を長押し(3秒)することで校正が開始され、しばらくすると点滅がとまって校正終了です。
校正自体はとても簡単ですね。1ボタンで1発です。
測定のやり方
測定は「ON/OFFボタン」を押してセンサー部を水につけるだけですが、気泡がついたら正確に測れないので水中に入れてから軽く振ります。
数値が安定したら「ピッ」と鳴ってディスプレイに測定結果が表示されます。(オートロック機能)
これ測定器によってはオートロックされず、だいぶ待たないと測定中か安定しているか分からないものがありますが、エコペーハーDUOは自動で結果がロックされるのでとても使い勝手が良いです。
測定開始から完了までは15秒~60秒ほどです。
高いpHの水槽を測定したあと低いpHの水槽を測定させるなど、pHの差が大きい場合に時間がかかるように感じました。
(水がセンサー部に残留してるのか??)
また温度も同時に測定され、約4秒ごとにpHと温度の測定結果が交互に入れ替わります。
pHセンサーは温度によって読み取り値がズレるので25℃以外では温度補正が必要ですが、エコペーハーDUOは温度測定も行うので温度によるpH値の補正も行っているものと思われます。
(辺に安いpH測定器を買うと温度測定機能がなくて「25℃で測定すること」と書いてあったりしますが、そういうのは25℃以外だと正確に測れません!)
なお測定が完了すると値がホールドされ、再度スイッチを押すか1時間ぐらい放置しない限りは値が測定結果が表示され続けるので便利です。(ホールド機能)
これも辺に安いpH測定器だと水から出すと測定し直してブレたりするんですが、エコペーハーDUOはpH測定の使い勝手として文句ナシです。
測定完了後に再度測定したいときはまた「ON/OFFボタン」を押せばまた測定を行うことができます。
同じ水槽でも6.2や6.0と少し測定値にムラが出ることがありますが、取説には±0.2pHとあるのでまぁこんなものでしょうか。(なお流水より止水のほうが正確に測れるので、その誤差かも??)
pH測定液と測定結果の比較
今までずっとpH測定液を使っていたこともあり「本当にこんな簡単に測定できるの?」と少し不安なので、試薬によるpH測定値と比べて見たいと思います。
定番の「テトラ テスト pH試薬」と「セラ テスト pH」、そして「エコペーハーDUO」で、サンプルとして良さそうな水槽をいくつか測ってみました。
sera液 | テトラ液 | エコペーハー | |
---|---|---|---|
アフシク水槽1(サンゴ) | 7.0 | 7.5 | 7.1 |
アフシク水槽2(サンゴ) | 7.5 | 7.5 | 7.5 |
色々の混泳水槽 | 7.0 | 7.0 | 7.2 |
ディスカス水槽1 | 4.5以下 | 5.0以下 | 4.3 |
ディスカス水槽2 | 6.0 | 6.0 | 6.4 |
アピスト水槽1(ソイル) | 6.5 | 6.5 | 6.9 |
アピスト水槽2 | 7.0 | 7.5 | 7.4 |
水道水(時間経過ナシ) | 7.0 | 7.0 | 7.3 |
水道水→浄水器→テトラpH/KHダウンを投与した水 | 5.5 | 5.0 | 6.4 |
いくつかの水槽につっこんで測定してみましたが、値は概ね測定液の結果と大体一緒になりました。
特に測定液は色の読み取りなので例えば「7.0にも7.5にも見える色」と迷う場合もあるんですが、エコペーハーDUOだと数値で出してくれるので人の感性による測定ムラが出ないのでとても良いです。
ただ一点、テトラのpH/KHダウンを使ってpHを下げた水のみが測定液とは離れた数値が測定された結果になりました。
考えられる可能性としては、pH/KHダウンを使った水が浄水器で「コットンフィルター→カーボンフィルター」を通り、なおかつpH/KHダウンでKHを下げているので水の緩衝作用が極端に低くなって、試薬による測定では指示薬側の性質が出てしまい測定できなくなったのではないか、という可能性があります。
ディスカス水槽1と2は測定したpH/KHダウンを使った水で換水を行っているのですが、それらは全て正しく読めているのでそういうことかもしれません。
(実際には分からん!!)
気づいた注意点
これは現在販売されているpH測定器全てにいえますが校正は絶対に必要なことは注意しましょう。
pHを読み取るガラス電極はとても繊細なセンサーになってまして簡単に読み取り数値(電圧)が変わります。
汚れ・キズはもちろんのこと、電極内部に入っている液体の劣化によってどうしても読み取り値はだんだんズレてきて、pH7.0のものをpH7.5とかpH8.0とか読んでしまうようになります。
これを修正するためにはpH7.0の標準液を読み取らせ、読み取らせたのをpH7.0と読むようにズレを修正する必要があります。
このように標準液を用いてズレを修正するのが「校正」であります。
取説には「1~2週間に1回の校正がオススメ」とありますのでこれを目安に定期的な校正を行いましょう。
製品には標準液が1回分しかついていませんので、別売りの標準液を一緒に購入しておくことが必ず必要です。
総評
めちゃくちゃ良いですね!pH測定がすぐ出来るのでかなーり便利です。
今まではセラとテトラのpH測定液を使っていたんですが、どうしても「シリンジで水を採取→試験薬を垂らす→読み取り→測定後の廃棄・洗浄」という工程があり非常に手間に感じていました。
僕は全部の水槽のpHを測定しているワケではないものの、pHがシビアなワイルドディスカスや一部のワイルドアピストなどに水換え前、水換え後などのタイミングで測定しておりますが、まぁまぁ面倒くさいです。
それに測定回数も1日に何度かやるため1,500円ぐらいするpH測定液をそれなりに購入していたので、それなら8,000円でもpH測定器を購入した方が良さそうだなと薄々感じていました。
エコペーハーDUOはボタン押して水につけてしばらく待つだけなので、多くの水槽を短時間で測れてめちゃくちゃ楽になりましたね。もう少し早く買っておけば良かったです。
特にpH測定液では面倒臭くて測らなかった水槽達もスグ測れるようになったのは大きいです。
ちょっと水換えしすぎてpHが高かったら、次の水換えの量を減らしたり、ソイルにしてみたり、逆に下がりすぎているのが分かったら水換え頻度をあげてみたりとpH測定が簡単になるだけで飼育の質が上がります。
「エコペーハー DUO」、流石アクアリストから定番人気のあるマーフィード製だけあって、思った通りの使い勝手でかなりオススメです。^ワ^
後はどれぐらい劣化スピードが早いのか(校正頻度と寿命)ですが、これから使用を続けてまた追記しようと思います。
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