ソイルの使い方。水槽への入れ方や手入れ、種類の使い分けとか
水草育成には最適なソイルですが、普通の砂利と比べて取扱いは特殊。
ソイルの使い方について、敷く厚みや立ち上げ方、種類による使い分け、掃除などの必要なメンテナンスなどのあれこれを解説していきます。
目次
水槽への入れ方、厚さ
ソイルは通常の砂利と違い洗わずに使用する底床材です。
ソイルは粒が崩れやすく、水洗いしてしまうと泥になり使えないようになってしまいます。
空の水槽に袋からそのまま入れましょう。
敷く厚み
ソイルの厚みの目安は3cm~6cmほど。
背の低い水草といえども根を張るので最低2cmは欲しいところ。
薄いとそれだけ根から吸収する栄養が少なくなってしまいますが、敷きすぎると水槽が狭くなってしまうので程々に。
手前は浅く、奥につれて深くなるように盛るのがオススメ。
立体感が出て、奥に植える水草の根張りも良くなります。
大きな水槽の場合は先に軽石を敷くことでかさ増しと通気性の確保を行うことができます。
水を入れる
ソイルを水槽に入れたら、舞い上がらせないようにそっと水を入れます。
舞い上がらせてしまうと成分や塵が舞い上がり水槽が濁りやすくなってしまいます。
ビニールやソイルの袋などで水を受けるのも良いでしょう。
立ち上げ、魚を入れるまで
ソイルを入れ水を入れたらフィルッター等を稼働させて空回しを行います。
ソイルによって使い始めは毒素を出すものがあり魚を飼えるまでは落ち着くまで待つ必要があります。
水草は植栽しても問題ありません。
どれぐらい空回しが必要?
これに関しては使用するソイル・商品にもよりますがおよそ1週間~2ヶ月ぐらいが目安。
モノによってはすぐに魚を入れても良いものがありますが、使ってみないと分からないため安全に見積もると2ヶ月は待った方が良いです。
とはいえ測定を行えば害無くなったかをチェックできるので、通常は測定して確認します。
測定するのはアンモニアと亜硝酸の数値。
これらを市販の測定キットで測定していきます。
数日ごとに計測を行ってこれらが検出されなくなれば、魚を入れても大丈夫ということが分かります。
換水を行う
測定を行ってソイルが落ち着いたことが分かったら大部分の換水を行いましょう。
アンモニアと亜硝酸が無くなるのはバクテリアの働きによるものですが、完全に無害化するわけではなくより害の少ない物質(硝酸塩)に変換しているだけです。
魚を入れる前に換水を行ってこれらを排出してキレイな水にします。
詳しい仕組み:水槽の水を綺麗に保つ仕組み。アクアリウムの基本を学ぼう。
栄養系と吸着系での使い方の違い
ソイルには「栄養系」と「吸着系」という2つの種類に分けることができます。
たっぷり栄養が含まれているものが栄養系、栄養を抑えめにしたのが吸着系と呼ばれます。
それぞれ特性が変わるので、使用する上で注意するポイントがあります。
栄養系ソイルの使用上の注意
栄養系ソイルは栄養がたっぷり含まれているため、使い始めの毒素も多く出ます。
2ヶ月も待つ必要があるのはこのタイプで、測定を行って害のチェックは欠かせません。
そのほかたっぷりの栄養は栄養過多にもなりやすくコケだらけになってしまうリスクがあります。
これを回避するためには高頻度の換水を行って栄養が高すぎないように薄めることが非常に重要。
水草の勢いが増すまで毎日換水を行うのが失敗しないポイントです。
吸着系ソイルの使用上の注意
対して吸着系ソイルは栄養が抑えられているので、使い始めの毒素はあまり出ません。
ものによってはすぐに魚を入れれるようになるのもこのソイル。
ただし栄養系ソイルほどではないにしろコケだらけになってしまうリスクは同様にあります。
水草の勢いが出るまでは1週間に2回ぐらいの換水は行ったほうが良いでしょう。
濁りが取れない時は?
ソイルによっては濁りがいつまで経っても収まらないものがあります。
使い始めの成分の染み出しが起こるためで、特に栄養系ソイルは起こりやすいです。
しばらく放置することで収まっていきますが、ものによっては1ヶ月~2ヶ月ほど待つ必要はあります。
測定キットでアンモニア・亜硝酸が検出されなければ魚自体に害はありませんので使っているうちに透明になるのを待つのも手です。
掃除や手入などのメンテナンスは?
ソイルは崩れやすい性質があり、基本的には砂利掃除などのメンテナンスは行いません。
ソイルをかき回してしまうと粒が崩れてしまい、添加されている栄養が大量に染み出します。
そうなると水槽がコケだらけになってしまうので極力触らないようにするのがポイントです。
使用期限と栄養切れについて
ソイルに添加されていた栄養は有限で、水草が吸収するにつれ少しずつ失われていきます。
また有害物質を吸着する効果も失われ、粒も少しずつ崩れてしまうためソイルは永久的に使えず使用期限があります。
使用期限が過ぎたソイルは本来の性能が失われて、水草の成長が悪くなってしまいます。
ソイルの寿命は何年?
使用している水草にもよりますが1年~3年ぐらいが目安です。
ソイルの交換、リセットについて
ソイルの交換ですが、通常はリセットして水槽を1から作ることが多いです。
部分交換しようとすると植物が根を張って結局全て取り出すことになるので生体を退避して1から作るつもりでやったほうが楽です。
リセットのタイミングで新しいレイアウトに挑戦してみるのも良いでしょう。
うまくいってるならそのままでもOK
ソイルの期限切れがきても交換せずにそのまま使用する手もあります。
水草の育ちが悪くなるものの維持はできる場合が多く、うまくいっているなら交換する必要は無いかもしれません。
ただし栄養を多く必要とするものはショボくなりますし赤い水草が緑になってしまったりはするので気になるなら取り換えてしまうのが良いです。
粒が崩れる特性で注意すること
ソイルは崩れやすいという特性から使用には注意が必要です。
粒が崩れてしまうと栄養が大量に溶け出してコケまみれになりやすく、極力粒が崩れるようなことは避けます。
コリドラスなどの掘る魚はNG
コリドラスやドジョウなど砂を掘り返す魚はソイルとの相性が良くありません。
粒が崩れてしまいコケまみれになりやすく、ソイルによっては水が濁ってしまうことも。
レイアウト変更は行わない
配置した石や流木を移動させてしまうと粒が崩れます。
一度設置した流木や石は動かさないようにします。
底面フィルターは使用不可
ソイルの粒はいくら注意していても経年劣化でも崩れてきます。
そのため底面式フィルターを使用しようと思った場合、崩れた粒はツブ同士の隙間に入り込み詰まってしまうのです。
こうなれば水の循環が停止してしまうので、底面式フィルターは機能しなくなってしまいます。
ソイルを使う場合は底面式フィルターは使用できないのです。
コケまみれにならないポイント
ソイルを使用して失敗する一番の理由は「コケまみれになってしまう」ことです。
一度コケの勢いがついてしまったら駆除しきることは困難でリセットするしかありません。
こうならないためにはコケに対して水草を多く繁茂させることがポイントになります。
コケと水草というのはある種領土争いのようなものをしており、水草の勢いがあればコケはほとんど生えません。
逆に言えばコケの勢いが水草を上回れば盛り返すのは困難で、コケの繁殖を抑えつつ水草の繁殖を促進することが失敗しない一番のポイントになります。
CO2の添加
当然ながらたっぷり水草を植えるのはセオリーですが、たっぷり水草を植えたととしても成長してくれないと意味がありません。
水草を成長させるためには二酸化炭素の添加が最も効果的です。
水草の成長はつまり光合成させることにありますが、通常は光に対して二酸化炭素が不足しています。
光合成には「光」と「二酸化炭素」が揃ってはじめてできるもので、どれだけ強力な光を用意したところで二酸化炭素が無ければ意味が無いのです。
二酸化炭素を添加することによって光合成を促進し、大きく成長させることができるのです。
ソイルを使用した水草水槽では必ずと言っていいほど二酸化炭素の添加が行われており、コケに負けないためには二酸化炭素発生装置は必須と言っても良いくらいでしょう。
高頻度の換水
水草を多く植えて二酸化炭素を添加していても、しばらくは水草はあまり成長しません。
買ってきた水草はまず水槽環境に適応しようと変化を行いますが、この水槽に馴染むまでの間はあまり成長しないのです。
そのためソイルの栄養があまりやすく、余った栄養は全てコケにいってしまいこの間にコケの勢いが勝ってしまうことがあります。
そうならないためには水草が環境に適応するまでの間、高頻度の換水を行って栄養を薄める必要があるのです。
栄養系ソイルなら毎日、吸着ソイルでも数日に1回ほどは換水を行って、コケに栄養がいかないようにやり過ごしましょう。
まとめ、個人的な所感
ソイルは水草の育成に非常に最適な底床材。
しかしながら、しっかり使い方を把握して対応しないと失敗するリスクが高い底床材でもあります。
失敗する理由の一番が「コケまみれになること」であり、そうなった場合はリセットする他ありません。
またモノによっては使い始めにアンモニア・亜硝酸という有害物質が出るものもあり、測定による安全確認も忘れてはいけないポイントですね。
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