水槽における底砂の役割・機能
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水槽底面に敷く砂利及び底砂は見た目だけの理由で敷くものではありません。
水槽における底砂には目には見えない機能や役割があります。
底砂の機能と役割をご紹介します。
pHの維持
底砂にはpHを傾け、維持する働きがあります。
水道水が中性の場合、そのままでは本来弱酸性に棲む「チョコレートグラミー」や「アピストグラマ」といった魚種の飼育が難しくなります。
水道水に水質調整剤を使用して弱酸性になるよう調整が必要になりますが、ソイルを底砂に選ぶことによって、水質が弱酸性に維持されるため飼育することが容易になります。
アフリカンシクリッドは弱アルカリ性を好みますが、底砂にサンゴ砂をセレクトすることにより弱アルカリ性に傾き、本来の生息環境を再現することが出来ます。
以上のように水道水だけでは生息している水質環境の再現が難しい場合に、合った底砂を敷くことによって生息地の水質環境を再現することができます。
濾過バクテリアの住居
濾過バクテリアが生息するのは濾過装置の中だけではありません。水中にも舞っていますし底砂にも棲むことが可能です。
底砂を敷くことにより濾過バクテリアの住居が増え、濾過能力のアップに繋がります。
多孔質の底砂であればより表面積が広いため、一層濾過バクテリアの数を増やすことが可能です。本来底砂として用いられるサンゴ砂ですが、荒目のサンゴ砂を濾材として使用している人もいるほどです。
特に壁掛け式や水中設置タイプの濾過装置の場合は濾過容量が少なく濾過バクテリアの住処も少なくなりがちです。
底砂を敷くことによって少ない濾過容量をカバーすることが出来ますので、濾過能力の小さい濾過装置を使用している場合は是非とも敷いておきたいところです。
またもし濾過装置にトラブルが起きた場合、底砂がある水槽と無い水槽では底砂がある水槽のほうがダメージも少なくなります。
水草の植栽スペース・栄養
底砂があることで水草を植えることが可能になります。
また水草の根を底砂に根を張りますがソイルの場合、底砂に栄養がありますのでより成長させることが可能になります。
またソイル以外でも底砂があることで水草用の肥料を差し込むことができるようになります。
魚のストレスを軽減
砂を敷くことにより敷いていない場合と比べ魚を落ち着かせることが可能で、魚が受けるストレスを軽減することが可能です。
特に導入直後は新しい環境に馴染めず強いストレスを受けています。砂があることによりストレスを軽減し、1日も早い環境への適用が望めます。
また砂に潜る性質がある魚は細目の底砂を厚めに敷いてやることによりその潜る性質を観察することができます。
「コリドラス」類は口から砂を吸い上げ、砂内の小さな虫を食べ、不要な砂はエラから吐き出す性質を持っています。粒が大きい場合はただ単に底砂に突っ込むだけですが、パウダータイプの底砂にすることでその生態を観察することが出来ます。
本来の生態活動が行えないことによるストレスも底砂で防止可能です。
まとめ
メンテナンスを考えて底砂を敷かないベアタンクという水槽方式もありますが、始めのうちは底砂を敷いた方がうまく行くことが多いです。
特に初心者がとっつき易い濾過装置はどれも濾過容量が少なく、底砂で濾過バクテリアの住処を増やしたいところです。
何より底砂を敷くことで自然を演出できます。是非魚に合った底砂を敷きましょう。
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