アカンソドラスの特徴・飼育情報

アカンソドラス

学名
Acanthodoras cataphractus (Linnaeus, 1758) Acanthodoras depresses (Steindachner, 1881) Acanthodoras spinosissimus (Eigenmann&Eigenmann, 1888)
他の販売名
大きさ目安
10~15㎝
飼育難易度

簡単

適応水質
弱酸性中性弱アルカリ
水温目安
22~29℃(普通の熱帯魚)
繁殖難易度
困難
性格
温和な平和主義者
遊泳タイプ
昼間は完全に隠れる。夜間に徘徊。
群れやすさ
群れない
価格目安
5,000円

目次

主な特徴

「アカンソドラス」は黒い体に白色の模様が入る小型の南米ナマズです。

アカンソドラスの名前は「akantha」(ギリシャ語でトゲの意味)に由来しており、名前の通り全身から小さなトゲが生えているのが特徴の1つ。それでいておっとりとした愛嬌のある顔つきなので、ドラスの仲間では比較的人気があります。

現地で採取されたワイルド個体が日本に流通しますが、アカンソドラスには厳密には3種を有します(末尾に解説)。

特に白色の模様は分かりやすく変異がありますため、一度好きになるとたくさん集めたくなる魚です。

YOUTUBEの動画

YOUTUBEで掲載されているアップロード動画の中から、魚の種類があっていて特徴が分かりやすいものを紹介します。

混泳・性格

基本的に温厚で混泳向きの魚です。

他の魚に攻撃することはなく完全平和主義の魚です。

1つ注意するポイントとして、個体や環境にもよりますが他の小型ナマズと比べれば食に貪欲な傾向があります。

比較的エサを多く食べますため、混泳魚にまで餌が行き届いているかの観察をするようにして下さい。

エサ

沈下性の人工飼料でOKです。

口に入る大きさのエサならなんでも食べますが、水底のエサを探す魚ですので沈下性のものを選びます。

冷凍赤虫よりも肉食魚用の配合飼料の方が食いつきが良く、導入後間もない場合でも問題なく食べます。そもそも慣れれば浮上性のエサも水面にまで食べにくるため、エサの種類に関しては気を払うことは少ないです。

具体的な製品としては、どじょう養殖研究所の「グロウ D」などが良いでしょう。

えさやりの注意ポイント

夜のアカンソドラス

夜行性ですのでエサやりは基本的に消灯後に行います。

日中はあまり動かないので、餌のやりすぎによる肥満には注意して下さい。

魚の様子を見ながらですが、1つの例としては「3日に一度、寝る前にお腹がふっくらするほど」を目安として下さい。

飼育ポイント

飼育は容易です。

丈夫で飼いやすい熱帯魚で、熱帯魚を飼育する最低限の設備があれば問題なく飼育できるでしょう。

ドラスの仲間では驚くと急に泳ぎ回って怪我をすることがあったりしますが、本種では見たことがありません。

シェルターのポイント

日中は物陰に隠れるナマズでありますため、落ち着かせるためにはシェルターの設置が必要です。

シェルターは土管など筒形のものはヒレが歪んでしまう傾向があるので、塩ビ管を半分にしてドーム状にしたものや、口が四角形のものをお勧めします。もちろんちょうど良い形・大きさの流木があればそれで構いません。

繁殖

飼育下における繫殖例は聞きません。

模様にバリエーションがあるため集めている愛好家も少なくないのですが、繁殖例は聞きません。

しかしながらアカンソドラスを飼育している方を見るに、繁殖を狙って飼育している人がいない印象を受けるため、単独飼育で雌雄を揃えて飼い込めばチャンスはあるのではないかと考えます。(是非1番乗りに)

水槽内で繁殖について何か発見がありましたら、是非コメント欄や私のウェブサイト(末尾)にて報告していただけると幸いです。

その他・補足情報

スポッテッドトーキングとの違い

小型ドラスを色々飼い始めると、まずぶつかるのはスポッテッドかアカンソか問題です。

スタンダードな模様のスポッテッドトーキングキャット
スポッテッドトーキングキャット
スポッテッドトーキングキャットに似た模様のアカンソドラス
アカンソドラス

このようにタイプによっては一見似ています。

特に注意したいのがアカンソドラスの名前でスポッテッドトーキングが流通することがあり、ドラス愛好家としては区別した上で購入して欲しいところ。簡単ですが差異ポイントを述べさせていただきます。

アカンソドラスとスポッテッドトーキングキャットの違い
上段がアカンソドラス、下段がスポッテッドトーキング

大きなポイントは2つあって、1つ目は「」です。アカンソはつぶらな目ですがスポッテッドは大きな目をしています。

2つ目のポイントは「尾ビレ」で、アカンソはうちわ型寄りですがスポッテッドは台形寄りです。

他にも慣れたら雰囲気で判別できるようになりますが、ビギナーには上記2つのポイントをまずチェックするのが分かりやすいでしょう。

種分類

アカンソドラスという名前で呼ばれる魚は、分類学上3種存在します。

地域・個体変異に富むので判別はなかなか難しく、筆者も難しいところがありますが簡単に紹介させていただきます。

Acanthodoras cataphractus

Acanthodoras cataphractus (Linnaeus, 1758)
Acanthodoras cataphractus (Linnaeus, 1758)

ペルー、コロンビア、ブラジル、スリナム、ガイアナに分布します。

全身のトゲがあまり尖らないことが特徴です。

Acanthodoras depresses

Acanthodoras depresses
Acanthodoras depresses (Steindachner, 1881)
Uターンをするアカンソドラス

コロンビア、ブラジルに分布します。

トゲがほとんどなく、白ライン一本だけの模様が特徴です。

Acanthodoras spinosissimus

Acanthodoras spinosissimus (Eigenmann&Eigenmann, 1888)
幻のアカンソドラス
幻のアカンソドラス

ペルー、ブラジルに分布します。

他2種に比べるとトゲが鋭く、白い模様がまだらに入ることもあります。

木村仁哉氏が書いたイラスト

この記事の著者情報

木村 仁哉

ドラスマニア

ナマズの1ジャンルである「ドラス」マニア。

アナドラス属、アンブリドラス属、アガミクシス属、Platydoras、メガロドラス属などいわゆる「ドラス」と呼ばれるナマズを中心に飼育・情報収集する熱帯魚愛好家。

誰かのために、ドラスのためになることを願ってインターネットでも情報を発信中。

リンクドラス科研究所

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