アルトランプロローグス・コンプレシケプスの特徴・飼育情報
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アルトランプロローグス・コンプレシケプス
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
✕ | △ | ◎ |
主な特徴
「アルトランプロローグス・コンプレシケプス」はアフリカのタンガニィカ湖に棲むシクリッド。
石が多い岩場に生息していて、捕食者がきた時に石などの隙間に入れるよう平べったい体格をしているのが特徴的です。
日本で販売されているものは黄色い色のものが代表的ですが、産地によって体色にバリエーションがあり、全身が黒っぽいものや頭部のみ黄色いものなど様々なバリエーションも流通しています。
雌雄差はほぼありませんがオスの方が一回り大きくなり、メスが7cm止まりに対しオスが9cmほど。(飼育下)
近縁種として「アルトランプロローグス・カルバス」がいて、見た目もかなり似ていますがこちらのほうが体高が高く、パールスポットが出ない傾向があります。
日本においては黒いタイプのコンプレシケプスはほぼ流通しないため、基本的に黒いものがカルバスになりますが産地によってには黒いカルバスと見た目がほぼ同じ黒い個体群もいるため、黒い=カルバスといい切ってしまうのはやや語弊があります。
バリエーション
ノーマル(イエロー)
単にコンプレシケプスとして売られているタイプ。
黄色が鮮やかなものまで比較的地味めなものまで幅があり、入荷ロットそれと個体差によって大きく異なる印象を持つものがいます。
ゴールデンヘッド
頭部の黄色みが強く、身体の発色は抑えめなバリエーションです。
身体の色は全身が黒いものや黄色がやや薄い程度のものまで幅があります。
ファイヤーフィン
ヒレ先の色味が強いバリエーションです。
写真のように全身が黒いものや、逆にあまり黒くならないものもいます。
混泳・性格
シクリッドの中では控えめな性格で混泳向きで、同種他種問わず混泳しやすいです。
同種同士や近縁種での小競り合いは水槽内でよく見られますが、小競り合いが起きてもケンカまで発展しても威嚇し合う程度のものであり、大事には至りません。
追いやってうつ病にさせたりとかも比較的ない魚なので同種を多く入れても少なく入れても混泳はうまくいきやすいです。
他魚に関しては比較的無関心で混泳は比較的しやすいシクリッドです。
(周りをうろちょろされると「も~~!!」という感じでいなすことはあります)
エサ
エサは選り好みします。
よくある顆粒状のフードは食べなかったりフレークフードはあまり興味を示さず吐き戻しがちなので、”食べるエサを飼育者が用意できるか?”は結構重要です。
食いつきが良いのは「どじょう養殖研究所 グロウ(沈降性)」、「ひかり カーニバル」、「冷凍アカムシ」など。
個人的には”グロウのスクランブル DかE”をメインにして調子よく育成できてるので、それがオススメです。
(カーニバルより安いし、長く与えた時の栄養バランスも良さそうに思います)
飼育ポイント・注意点
水質が酸性に傾くと少しずつ弱って死ぬためその点は要注意。
底床にサンゴ砂などアルカリに傾く砂利を使ったり、濾過槽にサンゴ砂やカキガラなどを入れたりしてアルカリ性の水質を保つようにしましょう。
サンゴ砂・カキガラを使うだけで飼育に適した水質を長ーく維持できるので、それさえ入れ込んでエサを選べば飼育自体は容易です。
飛び出しに注意
湖産アフリカンシクリッド全般に言えますが、驚いた時に近くに隠れる場所がなければロケットのように高速で泳ぎまくって逃げようとするのでその際に飛び出し事故が起こりやすいです。
フタは絶対した方が良いです。
繁殖
繁殖は容易です。
産卵
状態良く成熟した雌雄を飼育できていればそのうちペアが形成し、産卵に至ります。
現地では小さい個体は貝に産卵しますが、基本的には岩場の奥まった所に産卵を行いますので石を組んでV字型のくぼみを作って産卵場を用意してあげましょう。
南米の小型シクリッドであるアピストグラマと比べ、ペア形成から産卵~孵化~保育までテリトリー意識が弱いため、気づかずに産んでいることもあります。
(他魚を追い払ったりする行動をあまりしない)
メスの動きが常にくぼみに隠れているようであれば産卵している可能性が高いです。
卵は緑色で非常に大きく、3日程度で稚魚が孵化します。
緑のブツ発見!!
カッ!!( ⭐︎Д⭐︎) pic.twitter.com/aCj71dMOjp— 犬水ジュン (@junwtdg) December 15, 2021
稚魚の育成
親は稚魚への保育はあまり行わず、卵を産んだ場所に覆いかぶさって外敵からフタをする程度の子育てしかしません。
そのため稚魚孵化後は親を同居させるメリットがありませんので、引き離しても全く問題ないです。
孵化後2日~3日ほどはヨークサックで成長し、その後の稚魚にはブラインシュリンプを与えますので、2日を目安にブラインシュリンプを孵化し始めてエサを準備します。
稚魚はアピストグラマなどの南米小型シクリッドと比べると非常に大きく余裕でブラインシュリンプを食べれるため初期給餌に苦労することはありません。
小さいうちは1日になるだけ多くの回数(2~3回以上)エサを与えるよう心がけます。とはいえ稚魚サイズがデカいのでアピストグラマなどよりは飢餓耐性がありそこまで気をつけるほどではありません。
大きくなってきたら人工飼料を与えていきますが、稚魚もまた親と同じく人工飼料は選り好みするため「ひかり カーニバル」などを砕いて与えて育てていきましょう。
個人的な所感
個人的にはマラウィのド派手なやつらよりも、タンガニィカに棲むやつのほうが見た目というかシルエットが好きなのでよく飼育しています。
コンプレシケプスはその中でも体高が高くて厳つくかなりカッコいいので好きなアフシクの1つです。
こいつらは生息地が岩場がごちゃごちゃしたところに住んでいるということもあって、水槽内で石を組んでやると隙間を見つけて入りたがるので、是非平たい石などを重ねて石組みしてあげましょう。
同種間でも結構争うというか威嚇しあうので、水槽をボーッと見てたらヒレをひろげて威嚇してたり、逆に順位が弱いやつが身体を斜めに向けて服従のポーズをとったりするので見ていて飽きません。
アフリカンシクリッドには性格がキツやつらも多いのですが、コンプレシケプスはその中でもかなり温和でありますので小競り合いは起きるものケガまでは全然いかんので安心して見てられます。
現地では広い行動範囲でエサであるエビを探し回っている生活をしているため、あまり縄張りに固執しないということから温和なのでしょう。
(なんというか行動範囲が広く狩猟民族)
水槽内でも比較的複数匹混泳させやすいので、複数匹飼育もオススメのアフリカンシクリッドです。
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