アンブリドラスの特徴・飼育情報

アンブリドラス

学名
Amblydoras affinis (Kner, 1855), Amblydoras monitor (Cope, 1872)
他の販売名
ハンコッキートーキングキャット
大きさ目安
10cm
飼育難易度

簡単

適応水質
弱酸性中性弱アルカリ
水温目安
22~29℃(普通の熱帯魚)
繁殖難易度
狙える
性格
温和な平和主義者
遊泳タイプ
昼間は完全に隠れる。夜間に徘徊。
群れやすさ
群れない
価格目安
1,000~5,000円

目次

主な特徴

「アンブリドラス」は古くから親しまれている小型ドラスの仲間です。

昔は「ハンコッキートーキングキャット」の名前で多く流通していた魚ですが、近年では流通が減り現状マニアックな熱帯魚店で「アンブリドラス」として販売されるのみ。販売個体は現地で採取されたワイルド物です。

「トーキング」の名前通り、掴んだり水上に持ち上げたりすると胸ビレの骨を擦り合わせて「ギギギ」と音を出します。

安価で飼いやすい小型ナマズの1つですが、よく観察すると「つぶらな瞳」「無骨なボディ」「独特な模様」など魅力をあげればきりがありません。

ひとえにアンブリドラスといえども数タイプ存在しているため、ごく少数ではありますが熱烈なコレクターが存在します。細かな違いに目を向けてみると面白いでしょう。(末尾後述)

YOUTUBEの動画

YOUTUBEで掲載されているアップロード動画の中から、魚の種類があっていて特徴が分かりやすいものを紹介します。

混泳・性格

基本的に温厚で混泳向きの魚です。

他の魚に攻撃することはなく完全平和主義の魚です。

アンブリドラスは夜行性ですが、グッピーやエンゼルフィッシュなど昼行性の熱帯魚とも混泳可能です。ゆっくり餌を食べるコリドラスやドジョウとも相性が良いでしょう。

エサ

慣れると何でも食べます。

砂に半分埋もれるアンブリドラス

味を覚えさせれば人工飼料でOKです。

輸入してすぐは冷凍赤虫を好む傾向がありますが、最初から人工飼料を食べる個体もいたり逆に赤虫すら見向きもしない個体もいてムラがあります。

一度餌付いた個体は冷凍赤虫よりも人工飼料の方を嬉しそうに沢山食べます。エサは欲しがるだけやればいいのですが、一気に与えてしまうと未消化色のウンチ(エサの色のまま)をするので注意して下さい。

そのため我が家では3日に1回、どじょう養殖研究所の「グロウ D」をお腹がふっくらするくらいまで与えています。

なお他のドラスの仲間と比べると消化吸収の効率が悪いのか、太りづらいように感じます。

飼育ポイント

飼育は容易です。一番苦労するポイントは初期の餌付けのみ。

砂に潜るアンブリドラス

日中は砂に潜って過ごすので、底砂はあった方が良いです。

筒状のシェルター(土管や塩ビ管)はどうしても魚と接する面が曲面になるので、胸鰭が反ってしまいやすく避けた方が無難です。流木が放り込まれた砂地の広い水槽が理想

成長は遅く大きくなりづらいので、45㎝水槽でも十分終生飼育することが可能です。

なお購入する際には「ヒレが溶けていないか?」をチェックしておきましょう。

餌付け

本種で苦労するのは餌付けかと思います。

お店では元気にエサを食べていても、家に持って帰った途端食べてくれなくなるなんてことがあります。

口元にエサを持っていったり無理矢理食べさせようとしたりしても無駄で、かえって暴れ回って怪我しかねません。私たち飼育者ができるのはいい環境を用意したら夜中にエサを放り込むだけ、あとは辛抱のみです。

なお同じサイズの底ものと混泳させると早く慣れてくれます。(慣れればエサをバクバク食べるかわいいペットになりますよ)

繁殖

飼育下での繁殖は可能です。

海外では繫殖行動や繫殖の例がいくつかあります。

雌雄差は「ヒレの長さや太さ」「身体のふくらみ」に表れるため、まず注意深く観察し雌雄を揃えることが必要です。

上から見たアンブリドラス達
左上が胸鰭の太い雄、右下が胸鰭の細い雌と思われます。

繁殖行動としては、雄が雌に巻き付き胸鰭で身体を固定する行動を行います。海外の愛好家の方がYOUTUBEにアップロードされていますので紹介します。

その他・補足情報

アンブリドラスのタイプ

オーソドックスなタイプ

オーソドックスなアンブリドラスの幼魚
幼魚
オーソドックスなアンブリドラス
アダルト個体

安価で流通する「アンブリドラス」といえばまず思い浮かべるタイプ。牛柄模様でこの形がアンブリドラスの基本といえます。

ペルー産やブラジル産が流通しますが、ブラジルの個体の方がきりっとした顔つきのことが多いです。

写真はどちらもペルー便できた個体で「Amblydoras monitor (Cope, 1872)」種です。

一昔によく流通していたタイプ

過去によく流通していたアンブリドラス
過去によく流通していたアンブリドラスその2

こちらは一昔前によく流通していたタイプです。ペルー産でしか見たことがありません。

一応先ほどのアンブリドラスと同種とされているようですが、身体の下半分がべったり黒で染まることや顔つき、肌の質感などから区別できます。(こちらもAmblydoras monitor種)

トゲトゲが激しいタイプ

トゲトゲが激しいタイプのアンブリドラス

他のドラスは身体の真ん中に棘が一列だけというのが多いのですが、このタイプはさらにツンツンしているのがわかると思います。

種としては「Amblydoras nauticus (Cope, 1874) 」種です。

目が慣れるともう顔つきだけで判断できます。写真の個体は産地不明です。

トゲトゲが途中でなくなっているタイプ

トゲトゲが途中でなくなっているアンブリドラス

こちらは逆にトゲトゲが途中でなくなっているタイプです。

種としては「Amblydoras nheco (Higuchi, Birindelli, Sousa & Britski, 2007)」種で、パンタナル固有です。

明るい色や特徴的なまだら模様ですがこちらもアンブリドラスの仲間。

未記載種のアンブリドラス

未記載種のアンブリドラスだと思われる個体

アンブリドラスの未記載種と思われるタイプです。(Amblydoras sp.)

一時的にパンタナル産のAmblydoras nhecoとしてまとまった数が出回りました。写真の個体はそれよりも前に入荷されたマモレ川産の個体です。

木村仁哉氏が書いたイラスト

この記事の著者情報

木村 仁哉

ドラスマニア

ナマズの1ジャンルである「ドラス」マニア。

アナドラス属、アンブリドラス属、アガミクシス属、Platydoras、メガロドラス属などいわゆる「ドラス」と呼ばれるナマズを中心に飼育・情報収集する熱帯魚愛好家。

誰かのために、ドラスのためになることを願ってインターネットでも情報を発信中。

リンクドラス科研究所

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