アピストグラマ・バンエスヒ(インカ50)の特徴・飼育情報
更新:
アピストグラマ・バエンスヒ
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | ✕ |
主な特徴
「アピストグラマ・バエンスヒ」別名「インカ50」はフィラメント状に身長する背ビレと赤い縁取り模様のラウンドテールが特徴のアピストグラマです。
オスは背びれがかなり伸びるアピストグラマで、普段はあまり目立ちませんが威嚇やあくびした時に展開される背びれは見事の一言。
雌雄共に体に縦の黒ラインが複数入ることも特徴ですが、オスは成長に従い薄く目立たなくなります。反面、婚姻色時のメスは顕著に現れます。
雌雄ともに美しいアピストでオスは伸長する背びれと青いボディが美しいのですが、メスも婚姻色時の黄色と黒の縦模様の高コントラストで美麗です。
2004年にバエンスヒという学名が付きましたがそれ以前の流通名である「インカ50」の愛称が浸透しており、2023年現在でもショップごとに表記揺れがあります。(Apistogramma baenschi)
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混泳・性格
温和なシクリッドで混泳に向いています。ただし同じシクリッド類の魚とはケンカする傾向があるのには注意しましょう。
シクリッド以外の魚に関しては大体無関心ですので、ネオンテトラを始めとする小型テトラやラスボラ、コリドラスなどとの混泳は全く問題ありません。
同じシクリッド類の熱帯魚とはテリトリー争いを行う傾向があるため注意します。
殺し合うほどではありませんが逃げれるような大きな水槽を用意したり、遮蔽物を置いたりして工夫する必要があります。
メスへのあたり
アピストグラマはオスがメスをいじめる傾向がありますので注意します。
バエンスヒはどちらかというとメスをいじめないアピストグラマではありますが、相性が悪いとメスを虐げる性格がありますので観察は必須です。
様子を見てメスが参っているようでしたら流木などを入れ遮蔽したり、より大きな水槽にしたりして対処を行って下さい。
エサ
エサは何でも食べます。最も適しているのは沈下する人工飼料です。
一般的に売られている熱帯魚のエサはだいたい沈むのと、慣れてくれば浮かんでいるエサも取りにくるので割りと熱帯魚のエサであれば大体OKです。
オススメは粒状の沈下するエサで、具体的な製品名をあげれば「コトブキのフライミックス 小粒~中粒」、「どじょう養殖研究所のグロウ C」、「デルフィスのデルフレッシュフード SM」などがよく使われています。
飼育ポイント・注意点
飼育は難しくありません。清潔さが失われたりすると調子を崩しますので気をつけましょう。
ネオンテトラやゼブラダニオのような入門熱帯魚と比べ、基本が出来ていないこと(アンモニアが検出される。水質変化が激しい等)による耐性がありませんので注意が必要です。
とはいえ魚を飼育する最低限の環境さえできていれば難しい熱帯魚ではなく、アピストの中では飼育容易種です。
衛生管理の重要性
アピストグラマの飼育において、特に注意が必要なのが単純な清潔さです。
底砂などに沈殿するフン・ゴミなどを長期間放置するとそこから病原菌が多く発生し、これにより病気になって死ぬことがアピストグラマに限らず小型シクリッドでは多い死因です。
そうならないように定期的な底砂の掃除とフィルターが目詰まりしない程度のメンテナンスが重要になります。
(特にスポンジフィルター+ソイルのコンボはフィルターが詰まりやすい)
良い水槽環境ができていると長時間放置していても問題ないこともありますが、ふとしたきっかけ(大換水・底の汚れの巻き上げ)でいっきに調子を崩すリスクがあるので過信は禁物です。
水草を植えない場合の底床は”極薄に敷く”のが、メンテナンスしやすくオススメです。
なお中性を好むアピストであるため底床はソイルよりかは小粒のセラミックタイプの方が管理しやすくオススメです。
繁殖
繁殖は容易で、産卵セットを組めば十分繁殖を狙うことが可能です。
洞窟状の狭くて暗い場所に卵を産む「ケーブスポウナー」であるため、産卵場所になりそうな流木か、100均などで売られている小さな植木鉢を割って産卵場所を用意しておきます。
産卵場所があって状態良く飼育できていればそのうち産卵に至りますが、他に魚がいるとストレスで食卵してしまうので基本的にはペアのみを水槽に入れるのが望ましいです。
(ごく少数のオトシンクルス、エビ程度であればそこまで障害になりません。もちろん本当にペアのみにするのがベターですが)
産卵から稚魚浮上まで
暗くて狭い場所に産むため基本的には卵を見ることはできませんが、産卵した場合メスの黄色がひときわ強くなり産卵場にこもりっぱなしになるのでそれを目安とします。
産卵後5日頃に稚魚が巣穴から出てきてエサを探し始めるのでそのタイミングで与えられるように予めブラインシュリンプを用意しておきましょう。
稚魚のエサやり回数は朝・晩の2回が最低ラインと思って、できれば1日に何度も与えるようにするのがベターです。
その後しばらくはブラインシュリンプが主食になりますが、成長にあわせて砕いた人工飼料や冷凍アカムシなどを交えていきます。
その他・補足情報
水質
水質は融通範囲が広く、弱酸性~中性まで広く適応します。
pH7.5と高くても繁殖可能でしたので水質についてはさほど気にする必要は無いでしょう。
性格
パッと見たは背びれが伸長したパンドゥロ/ナイスニーなので性格が激荒いアピストかと思いきや、見た目からは信じられないぐらい温厚なアピストグラマです。
性質的にはカカトゥオイデスを想像してもらう方がイメージに近いでしょう。(体格・背びれもまぁ似てますし)
むしろ性格は臆病めなアピストグラマです。鏡を置いたらパンドゥロ・ナイスニーだと激怒りして突っ込んでくるところが、バエンスヒは鏡の自分にビビッて全然威嚇してこないほどとかなり性格に違いがあります(個体差あり)。
記事中の写真
いつもアピストグラマの写真は鏡を使って、威嚇させてある程度の時間で撮っているのですがバエンスヒは性格が臆病で撮影が大変でした。
恐る恐る近づいて止まったかと思ったら30分ぐらいその場に警戒して留まったり、ちょっとした物音はもちろんカメラを構えただけでシュッと逃げてしまったりします。
鏡やカメラにビビッって撮れないものですから、どうにか撮れないかと他のアピストをいれて暗い場所で威嚇しているところを撮ったものがサムネになります。暗い写真を無理やり明るくしてるので地味~~な感じになってますが、本来はもっと綺麗です。
正直全然納得のいく写真を撮れていませんのでもっと良い個体写真を紹介したいのですが、別のアピストグラマも紹介したいためバエンスヒは一旦ここまで。また機会があれば撮りたいですね。
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この記事へのコメント
バエの以外な生態が、良く解りました。
見た目はナイスの様なのに、とても可愛らしいですねぇ。
カカトを飼育して来たのですが、是非とも御迎えしたい子です。