アピストグラマ・パンドゥロの特徴・飼育情報
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アピストグラマ・パンドゥロ
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | ✕ |
主な特徴
「アピストグラマ・パンドゥロ」は青い体と赤い縁模様が入るラウンドテールが特徴的なアピストグラマ。
アピストはメスが地味なものが多いのですがパンドゥロはメスも鮮やかなことは特徴の1つで、美しい尾びれの模様に加え特に婚姻色の黄色い体色と黒模様はコントラストもあり非常に鮮やかです。
パンドゥロはアピストの中では最も気性が荒いグループであるため、飼育・繁殖には注意が必要です。
アピストグラマ・ナイスニーと非常によく似ていますが、パンドゥロのオスは尾筒の黒斑紋が体と尾びれ方向に伸び、パンドゥロのメスは婚姻色時の頬の黒部が少なく体の黒スポットは腹部まで繋がる点で区別できます。
(ナイスニーのメスは頬部の黒がべったりのり、体のスポットは腹部まで繋がりません)
混泳・性格
泳ぎが下手な魚や特に同じシクリッド類の魚とはケンカする点には注意が必要です。
シクリッドの遊泳層である底面と被らず泳ぎが得意な魚(小型テトラ類、コイ科の小魚など)や、シルエットがかけ離れたナマズやコリドラスなどが混泳に適します。
逆に遊泳層が被る同じシクリッドの魚や、泳ぎが下手で不用意に近づいてくるベタ・小型グラミーの仲間との混泳は適しません。
メスへの攻撃性
パンドゥロはメスへのあたりがかなり強いアピストであるためこの点は非常に注意が必要です。
ペア収納でも最低で45cmクラスの水槽が強く推奨されるアピストで、更に遮蔽物・シェルターの設置と日頃の観察は欠かせません。
狭い水槽や広くても遮蔽物がない水槽だと普通にメスがオスに殺されてしまうためそれを念頭おいて飼育に臨みましょう。
エサ
エサは何でも食べます。最も適しているのは沈下する人工飼料です。
一般的に売られている熱帯魚のエサはだいたい沈むのと、慣れてくれば浮かんでいるエサも取りにくるので割りと熱帯魚のエサであれば大体OKです。
オススメは粒状の沈下するエサで、具体的な製品名をあげれば「コトブキのフライミックス 小粒~中粒」、「どじょう養殖研究所のグロウ C」、「デルフィスのデルフレッシュフード SM」などがよく使われています。
飼育ポイント・注意点
飼育は難しくありません。清潔さが失われたりすると調子を崩しますので気をつけましょう。
ネオンテトラやゼブラダニオのような入門熱帯魚と比べ、基本が出来ていないこと(アンモニアが検出される。水質変化が激しい等)による耐性がありませんので注意が必要です。
とはいえ魚を飼育する最低限の環境さえできていれば難しい熱帯魚ではなく、アピストの中では飼育容易種です。
水槽サイズは広めに
アピストグラマといえば30cm水槽や40cm水槽で飼育するのも一般的ですが、パンドゥロはかなり荒いアピストであるため一回り大きい水槽が必要です。
狭い水槽だとオスがメスを追い回すのをやめないため、シェルターを作るスペースも考えれば45cmスタンダード水槽(45×30×30)が最低ラインと思ったほうが良いでしょう。
衛生管理の重要性
アピストグラマの飼育において、特に注意が必要なのが単純な清潔さです。
底砂などに沈殿するフン・ゴミなどを長期間放置するとそこから病原菌が多く発生し、これにより病気になって死ぬことがアピストグラマに限らず小型シクリッドでは多い死因です。
そうならないように定期的な底砂の掃除とフィルターが目詰まりしない程度のメンテナンスが重要になります。
(特にスポンジフィルター+ソイルのコンボはフィルターが詰まりやすい)
良い水槽環境ができていると長時間放置していても問題ないこともありますが、ふとしたきっかけ(大換水・底の汚れの巻き上げ)でいっきに調子を崩すリスクがあるので過信は禁物です。
水草を植えない場合の底床は”極薄に敷く”のが、メンテナンスしやすくオススメです。
繁殖
繁殖は容易で、産卵セットを組めば十分繁殖を狙うことが可能です。
洞窟状の狭くて暗い場所に卵を産む「ケーブスポウナー」であるため、産卵場所になりそうな流木か、100均などで売られている小さな植木鉢を割って産卵場所を用意しておきます。
産卵場所があって状態良く飼育できていればそのうち産卵に至りますが、他に魚がいるとストレスで食卵してしまうので基本的にはペアのみを水槽に入れるのが望ましいです。
(ごく少数のオトシンクルス、エビ程度であればそこまで障害になりません。もちろん本当にペアのみにするのがベターですが)
産卵から稚魚浮上まで
暗くて狭い場所に産むため基本的には卵を見ることはできませんが、産卵した場合メスの黄色がひときわ強くなり産卵場にこもりっぱなしになるのでそれを目安とします。
産卵後5日頃に稚魚が巣穴から出てきてエサを探し始めるのでそのタイミングで与えられるように予めブラインシュリンプを用意しておきましょう。
稚魚のエサやり回数は朝・晩の2回が最低ラインと思って、できれば1日に何度も与えるようにするのがベターです。
その後しばらくはブラインシュリンプが主食になりますが、成長にあわせて砕いた人工飼料や冷凍アカムシなどを交えていきます。
その他・補足情報
非常に荒いアピスト
パンドゥロは最も荒いアピストで、飼育・繁殖させる場合はこの点が一番ハードルが高いです。(激怒りのアピスト!)
カカトゥオイデスやボレリー、アガシジィと同じ魚だと思って飼育すると普通にメスがオスに殺されてしまって落胆することと思います。
とはいえ60cm水槽を用意できれば問題ないのですが、30cmキューブ水槽やS・M・L水槽などに収容してしまうとかなりの確率で失敗しやすいです。
(ショップでペアリング済みであれば良いのですが・・・!)
先述した通り最低でも45cm水槽は用意しつつ、隠れ場所を奥と手前などかなり離れた場所に設置してメスがオスから隠れられるようにするのがパンロゥロの飼育ポイントです。
飼育しやすいブリードが多く流通する
パンドゥロはヨーロッパや東南アジアから何代にもブリードされたものが日本に最も流通しています。
そのため野生採取個体のみが出回るアピスト比べて水質面・餌付けなど一回り簡単に飼育・繁殖することができるため、気性が荒いことを除けば入門アピストとも言えるでしょう。
なお東南アジアから来るものは値段がやすい反面、色彩が(ヨーロッパブリードと比べると)イマイチで、逆にヨーロッパブリードのは値段が高いものの色彩は鮮やかな傾向があります。
残念ながらEU・東南などの表記はされない場合が多いのですが、ペアで4000円以下は東南アジア産の可能性が高いです。
写真のは東南アジアの安いものなのですが、黒の色素がイマイチでオスはお筒のスポットがほとんど出ない上、メスの腹部斑紋もかなり少なく購入してしばらくは「なんだこれ??」と思っていました。
なおワイルドのパンドゥロもレアながら入荷されることもありますが、その場合は水質面・性格などやや気をつけて飼育するべきでしょう。
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