コリドラス・トリリネアータスの特徴・飼育情報
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コリドラス・トリリネアータス
簡単
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | △ |
主な特徴
「コリドラス・トリリネアータス」はネットワーク模様が特徴のコリドラス。
ハッキリとしたネットワーク模様と身体から尾にかけてのジャンクションラインが美しく、丈夫で飼育しやすいことから昔から熱帯魚ファンに親しまれてきた代表的な熱帯魚の1つです。
トリリネアータスはよく知られたコリドラスでありますが、残念ながらトリリネアータスではないジュリー系のコリドラスに間違って使用されていることが多く見られ、トリリネアータスとして売られていてもトリリネアータスではないということがあります。
誤用その1、東南養殖モノの混血化
誤用が見られる理由として過去、東南アジアからコリドラス・ジュリーの販売名で養殖されたコリドラスが日本で販売され始めましたが、それがどう見てもジュリーではなくトリリネアータスであったため「ジュリーできているがトリリネアータスだよね」とコリドラス愛好家を中心に”ジュリー=トリリネアータス”として広まりました。
このことからお店側としてもジュリーではなく「トリリネアータス」として販売するようになった経緯があります。
しかしながら近年、東南アジア由来で販売されている「コリドラス・ジュリー」はトリリネアータスだけではなく、ジュリー系の別種のコリドラスとのハイブリット(交雑)とみられるコリドラスが結構見られるようになりました。
そのため現在はコリドラス・ジュリーとして売られているものが全てトリリネアータスというわけではなくなっており、単にジュリー=トリリネアータスとするのは正しくありません。
正しくはジュリーのうちトリリネアータスの特徴を持った一部がトリリネアータスとなります。
(愛好家の中にはそもそも養殖モノは純血では無いとする考えもあります)
誤用その2、似た模様のコリをまとめてトリリネアータスと呼ぶ悪しき風潮
また誤用がみられるもう1つの背景として、似たような模様を持つコリドラスをひとくくりに「トリリネアータス」と呼ぶ紛らわしい風潮があることも紛らわしくしているポイント。
コリドラスに詳しいショップでは明確に区別されるようになりましたが、トリリネアータス種とは少し差異が見られるコリドラスもトリリネアータスのくくりで販売されていることが多くあります。
上記のようなコリドラスはトリリネアータスではなく別種のコリドラスとして愛好家の間では区別されていますが、残念ながらトリリネアータスの名前で売られているのが多々あるのが現状です。
本物のトリリネアータスを入手したい場合は、ペルーで採集・入荷されてくる「トリリネアータス WILD ペルー」のような販売名のものは本種でほぼ間違いないでしょう。
(記載論文の記載地はペルーです)
混泳・性格
温和であり、どの熱帯魚とも混泳には向いています。
飼育ポイント・注意点
丈夫なコリドラスであり、基本的に熱帯魚を飼える環境が整っていれば難しいことはありません。
難易度的には入門種である青コリドラス・赤コリドラスと同等です。
エサ
中層を遊泳する魚と一緒にしている場合、エサをあげてもコリドラスに行き渡らないことが多いので注意。
痩せてきたなと思ったら沈下性の顆粒フードや、専用のコリドラスフードを与えると良いでしょう。
コリドラスフードは少しずつふやけることで、他の魚がエサを奪いにくくなっているのでコミュニティタンクではオススメです。
ともあれコリドラスはタフな魚。長い間エサが少なくても耐えますので、まずはよく観察するのが重要です。
個人的な所感
トリリネアータスはとてもよく親しまれたコリドラスですが、トリリネアータスでもないのにトリリネアータスと誤用されることが多々あるのが気の毒なコリ。
昔にジュリーで出回っていたのがコリドラス・トリリネアータスであったため、ジュリー=トリリネアータスとして定着しましたが現在はその名残で名前が乱用されています。
まぁ養殖モノのジュリーは養殖の質が変わったかな?とやや仕方ない部分ではありますが、ワイルドの似たコリドラスをまとめてトリリネアータスと販売するのはちょっと雑かな・・・と思います。
トリリネアータスにこだわるのであれば、記載地であるペルー産か近いコロンビア産のワイルドもの、しっかりしたジャンクションライン(身体中央から尾ビレにかけての横一線のライン)、ジャンクションラインから上下に伸びる縦のライン、そして頭部のハッキリしたネットワーク模様を意識すると見分けやすいと思います。
ただ模様の特徴を覚えていても、特に怪しいのがコロンビアジュリーと呼ばれるコリ。(以下の動画のやつ)
コロンビアジュリーはネットワーク模様がハッキリしたトリリネアータス寄りタイプから、ネットワークがほぼ繋がらないオリノココペイ寄りのタイプまでかなり幅のあるコリドラスで、上記の動画でも幅がありますね。
トリリネアータス寄りのコロンビアジュリーはパッと見トリリネアータスに見えますが、ペルーから来るホンモノのトリリネアータス(と思われる)コリドラスと比べて異様に体高が高いです。
上記の写真はトリリネ寄りのタイプではないコロンビアジュリーですが、トリリネアータスと比べて体高が高く三角形っぽい印象、寸詰まりなのが分かると思います。
これをトリリネアータスとするしないは愛好家によって意見が分かれるトコロで、コロンビアジュリーはトリリネアータスとは明らかに違うと考える人もいれば、トリリネアータスの1つとする、という人も。
トリリネアータスと違うとする人は、記載論文の産地がそもそもペルーであるのと、上記のような体型の違い、ネットワーク模様がはっきりしない個体群の多さから、コロンビアジュリーは明らかに別種でしょ。
対してこれもトリリネアータスとする人は、レビュー論文でコロンビアで採取したコリをトリリネアータスと同種と判断しているため、コロンビアジュリーもトリリネアータスだ、という感じでどっちと捉えるかという派閥があります。
レビュー論文を見る限り、ペルーに近いコロンビアのかなり南の方を指しており、スケッチされた個体は模様もしっかりとしたネットワークを持っているため、個人的にはドット模様のやつは流石にトリリネアータスとするのは違うかな、と感じるところ。
引用元:Review of the genus Corydoras from Colombia, with descriptions of two new species (Pisces, Siluriformes, Callichthyidae)
上記個体は「Río Orteguaza」とコロンビアの南部の方の川ですね。ペルー・エクアドル寄りです。
体高を見てみると、スケッチ図の個体は体高はコロンビアジュリーまではいかないものの、僕が入手したペルー個体ほど低くはない感じで中間な感じがします。
思うにコロンビアジュリーとトリリネアータスはグラデーション的に遷移している部分があって、コロンビアジュリーでくるコリドラスのうちしっかりとトリリネアータス模様を持ってよほど体高に違いがなければトリリネアータス種として扱っても良いのは??と個人的には思います。
以下のやつは大阪でコリドラスに強いお店で知られる「GreenNote」さんの入荷個体ですが、
コロンビアジュリーのインボイスできたトリリネタイプの美コリ。
そしてとあるエベII。 pic.twitter.com/iYxdiiZWh9— Shinpei@Green Note (@Shinpei77) August 20, 2021
これはコロンビアジュリーで来ていますが、トリリネアータス種にかなり近いかトリリネで良いのではないのかと思います。
以下の個体のは同じコロンビアジュリーで流通していたコリドラスですが、こういうのはトリリネアータスとは外れると思いますね。
コロンビアの南というかペルーに近くなれば近くなるほど体高が低く、トリリネアータス模様もはっきりしてくる・・的な感じなのかなー??と。
(というかコロンビアジュリー自体が色々と謎なコリドラス)
まぁトリリネアータスの記載論文にはペルーのアムピアク川が原記載なので、ペルーから来るトリリネアータスが一番簡単で確実にホンモノを手に入れられると思います。
コロンビアジュリーでネットワーク模様がしっかりした個体群のやつって結構珍しいので。
そういうのを理解してトリリネアータスを購入すれば、トリリネアータスじゃないのにトリリネアータスと思っている人に対し・・・・優越感にひたれる・・・かも知れません。
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