エニグマトクロミス・ルカヌシの特徴・飼育情報
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エニグマトクロミス・ルカヌシ
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ○ | ✕ |
主な特徴
「エニグマトクロミス・ルカヌシ」はアフリカのギニア国に生息する小型シクリッドです。
雌雄で色彩・模様に大きな違いがみられ、最も大きな雌雄差としてはオスは尾びれ上部と背びれ後半にかけてスポットが入りますが、メスには背びれに大きなスポットが1つのみであることです。
体色についてもオスは黄色っぽい体色でヒレには黄色・赤みも乗りますが、メスは腹部に紫のチークがあり背びれには青みが乗るなど、雌雄の色彩差が別種かと思うように異なります。
体長はオスで6cm、メスで4.5cmが目安です。
なお古い書籍には本種を同ギニア国にも生息する小型シクリッドの「ペルヴィカクロミス・ロロフィ」と紹介しているものがあり、日本の熱帯魚ショップにおいてもペルヴィカクロミス・ロロフィと間違って販売される場合があります。
混泳・性格
温和なシクリッドですがメスへのあたりが強い点には注意が必要です。
シクリッドであるため同じシクリッドの仲間とシクリッドに近縁なアナバス(ベタ・グラミー)などとは縄張り争いを行います。
ただ温和なシクリッドであるため、シクリッド・アナバス以外の熱帯魚(カラシン、コイ科やメダカ、コリドラス、プレコなど)とは問題なく混泳が可能です。
メスへのあたりがあることに注意
エニグマトクロミス・ルカヌシはオスの性格が荒く、ペアリングできていないと同種のメスであっても激しく追い回します。
ペアのみであっても水槽サイズは最低でも45cmレギュラー水槽が必要で、その上で流木などを多数配備してメスがしっかり隠れられるように工夫が必要です。
ペアリングが完了できれば驚くほど仲が良くなりますが、導入初期はできるだけ観察して必要に応じて対応を行いましょう。
なおオスがメスを追い回した時、メスが水面から飛び出す場合があるため水槽フタは必須です。
エサ
エサはやや選り好みします。市販されているエサのうち嗜好性の高いものを選びましょう。
多くの人工飼料を食しますが、やや選り好みする部分がありあまり美味しくないとあまり食べない傾向があります。
「コトブキのFLY MIX」や「テトラミン」など人工飼料のうち嗜好性の高いものがエサとして適します。
飼育ポイント・注意点
飼育は難しくありません。清潔さが失われたりすると調子を崩しますので気をつけましょう。
ネオンテトラやゼブラダニオのような入門熱帯魚と比べ、基本が出来ていないこと(アンモニアが検出される。水質変化が激しい等)による耐性がありませんので注意が必要です。
とはいえ魚を飼育する最低限の環境さえできていれば難しい熱帯魚ではありません。
水質も適応範囲が広く中性~弱酸性まで適応するので、日本の水道水であれば特に問題はないでしょう。
衛生管理の重要性
小型シクリッドの飼育において、特に注意が必要なのが単純な清潔さです。
底砂などに沈殿するフン・ゴミなどを長期間放置するとそこから病原菌が多く発生し、これにより病気になって死ぬことが最も多い死因です。
(オスにしばき殺される場合を除いて)
そうならないように定期的な底砂の掃除とフィルターが目詰まりしない程度のメンテナンスが重要になります。
良い水槽環境ができていると長時間放置していても問題ないこともありますが、ふとしたきっかけ(大換水・底の汚れの巻き上げ)でいっきに調子を崩すリスクがあるので過信は禁物です。
なお水流がしっかりあると底床のゴミ・フンなどが溜まりにくいので、スポンジフィルターよりは外掛式フィルターや上部式フィルター、外部式フィルターなど流量のあるフィルターの方が病気になりにくいです。
繁殖
繁殖は難しくなく、十分狙うことができます。
前提環境
繁殖は難しくありませんがしっかり弱酸性の水が必要なのでこの点には注意します。
pH6.5程度の弱酸性では産卵スイッチが入りにくく、pH6.0程度に下げる必要があります。
産卵場所は暗いドーム状の場所に産卵を行いますので、割った植木鉢などで産卵場所を確保しましょう。
産卵~稚魚浮遊まで
産卵環境を用意していれば台風や大雨、水換えによる水位の上昇などをトリガーにして産卵を行います。
卵は暗い洞窟状の場所にブドウの房のようにまとまって産みつけられます。
およそ3日程で稚魚が孵化しますが、孵化後6日ほどはヨークサックの栄養で賄いますのでエサは不要です。
なお卵は親が移動することがあるため、もし卵が最初の場所からなくなったとしても諦めず観察を続けてみましょう。
稚魚の育成
産卵から9日ほどでオスとメスは稚魚をひきつれて泳ぐようになります。
その段階でエサを摂取し始めますので、孵化させたブラインシュリンプなど予め準備しておきすぐ与えれるようにしておきましょう。
稚魚は(アピストグラマと比べて)非常に大きく、孵化させたブラインシュリンプであれば余裕で食べることができ、冷凍させたブラインにも食いつく程なのでエサに関しては苦労することはまずありません。
その後稚魚の成長にあわせて「グリンダルワーム」「刻んだアカムシ」「ミジンコ」「細かい人工飼料」などに切り換えて育てていきます。
なおオスはメスと共に稚魚の保育を行いますので、取り出したりする必要はありません。
その他・補足情報
エニグマトクロミス・ルカヌシは2009年に学名が記載された(学術的には)新しい熱帯魚です。
オスとメスの色彩がかなり違うので、最初に熱帯魚屋で見た時は「別種なんじゃないか?」とも思ったんですが、驚くことに同種の魚であります。
逆にいうと雌雄を見分けるのは非常に簡単と言えますね。
上記のように非常に簡単です。
メスへのあたりが強い強い
オスの性格がなかなか荒いもので、アピストグラマとかラミレジィの感覚でいると面食らいます。
アピストでいうならパンドゥロやナイスニーぐらいは凶暴性がありますのでそれを念頭においた上で迎えましょう。
クレニキクラとかいう激怒りのシクリッドと比べると流石に温和でしょうが、ある程度大きな水槽(といっても45cm)で隠れ家を多数配置してメスを隠れられるようにする必要がありますね。
フィルターの補足情報
ただし多数流木なんかを配置すると今度は水流が遮られ、底床にフン・ゴミが沈殿しまくってそこからの病気発生には注意が必要です。
そのためエアーで駆動するスポンジフィルターよりも、モーター付きである程度水流を回せるフィルターの方が失敗はしにくいでしょう。
私は写真のようにスポンジフィルターに外掛式フィルターのポンプを接続して、水流がしっかり出るようにして使っています。
なお本当は外掛式フィルターをそのまま接続したいのですが、奥にスペースが無くて設置できないだけですので普通に外掛式フィルターと接続するのが良いと思います。
底床がソイルだと口でモゴモゴすることによりスポンジフィルターが結構定期的に詰まるのでので、その点からも(スポンジフィルターを使うなら)モーターと接続してある程度強力に吸ってやるのがオススメです。
(使ってるのはコトブキ工芸のプロフィットフィルターX2のポンプ)
まぁこんな小細工しなくても上部式フィルターが使えればそれで良いのですが^ワ^。
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