クラウンキリーの特徴・飼育情報
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クラウンキリー
難しい
入荷時状態悪め
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | △ |
主な特徴
「クラウンキリー」は英名でclown killifishとも呼ばれ、日本語に直訳すると「ピエロメダカ」。
その英名通りピエロ(clown)のようなシマシマでド派手な体色が特徴の小さなメダカです。(体長は2~3cmほど)
メスは単に黄色と黒のシマシマ模様をしたメダカなのですが、オスは特に尾ビレが青赤オレンジの模様に染まり非常にカラフル。
ただショップで入荷するものはこれからオスが鮮やかになり始める小さな個体(1cmほど)が多く、本種のド派手さを楽しむなら育て上げることが必須になります。
ショップで入荷してもやはり綺麗なオスから売れる傾向がありますので、売っていると思っても場合によってはメスしかない場合もあるのでオスがいるかはチェックしたいポイント。
ショップによっては学名の方「エピプラティス・アニュレイタス(Epiplatys annulatus)」で販売していることもあります。
遊泳に関してはほぼ水面下に張り付くように泳ぐ完全に上層遊泳です。(たまに下に降りることはあります)
オス・メスの見分け方
オスはヒレ、特に尾ビレが非常に鮮やかになりますので少し育ったものであれば一目瞭然です。
ただショップでは雌雄の判別が難しい小さなサイズであることも多く、尾ビレを見ても区別がつきにくい場合も多々あります。
その場合は尻ビレ(下のヒレ)をチェックして見て下さい。
オスは色素が入るので尻ビレに黒が入りますが、メスは色素が入らないので尻ビレが透明です。
混泳・性格について
「クラウンキリー」自体は温和な性格をしているんですが、何より体が小さいことに要注意。
ショップで入荷するのは1cmほどの小さな個体であることも多く、他の魚から食べられやすいのです。
基本的に魚は口に入れば同種だろうと食べてしまう生き物ですので、同居は小さな熱帯魚が向いているでしょう。
当然ながら育ったエンゼルフィッシュなどはパクパク食べてしまいますね。
小型水槽でオスを複数買う場合は隠れ家を
あと本種は育ってくるとオス同士で縄張り争いをする様子が見られます。
ベタのようにケガするレベルまではいかないものの負けたオスはストレスから拒食気味になり、そのまま痩せて落ちてしまいやすく気をつけたいポイント。
小さな水槽でオスを複数飼育する場合は浮草なり水面まで水草を伸ばしたりするようにして、隠れる場所を多めに取ると長期維持しやすいでしょう。
オスの縄張り争いΣ(゚Д゚;) pic.twitter.com/PnHE9TxZD5
— 犬水ジュン (@junwtdg) 2019年1月24日
飼育ポイント・注意点
本種はアフリカンランプアイと同じく卵生メダカのグループではありますが、飼育は難しいものと考えた方が良いです。
まず一番のネックが人工飼料を選り好みすること。
熱帯魚のエサで最もメジャーは「フレークフード」はほぼ食べません。口に含んでモゴモゴはするんですがその後ペッと吐き出すことが多いです。
人工飼料を与える場合は顆粒タイプのものが適していますが、顆粒タイプでも食わない場合が結構あるのが厄介。
私のところで色々試しましたが「デルフィス(リベラ)のデルフレッシュフードのS」がまぁまぁ食べてくれ、最終的にコレに落ち着きました。
顆粒タイプのエサでも吐いてないか?痩せていないか?は要チェックポイントです。
一度に多くエサを与えない
あとエサ関連ですが一度に食べれる量が非常に少なく、小さな顆粒だと1粒ぐらいしか食べれません。
1日1回バッと与える給餌では痩せてポツポツと死んでしまいます。
1日朝昼晩とかでも良いのですが、ちょっとエサを与えて一粒食べさせ、5分~10分ほど時間を置いて再度与えるようにしてやると複数粒食べさせることができます。
1回のエサやりでも時間をかければ、1日1回でも太らせることが可能です。(でも土日ぐらいは1日複数回与えたいところ)
体力が少ない
あとは入荷時のサイズが1cmにも満たないことが多く、そもそもの体力が少ないこと。
入荷時点で調子を崩していることも多く、輸送・導入のショックに耐えられないケースが多々あります。
お迎えの際はしっかり水合わせするのはもちろんですが、輸送も含めて不用意に長引かせて体力を削らないようにはしたいですね。
ただ万全を期しても入荷時点で弱っている子はどうあがいでも落ちてしまうこともあり、ある程度はしょうがないと思います。
熱帯魚は売れ残って丸々太った個体を迎えるのがベストではありますが、ショップでそもそもエサを食べてない、売れ残ってるのはメスばかりということもあり難儀なポイント。
入荷時のコンディションはある程度目をつぶり、ある程度落ちるのは仕方なしとするのが妥当かもしれません。
また臆病気質が結構強いので、運良く健康な個体を迎えたとしても環境が変わることでビビッて率先してエサを食べなくなる、なんてことも結構あります。
運良く健康な個体を入手し、ショップと同じエサを与えたとしても「エサを食べてるか?」「吐き出してないか?」はしっかり観察した方が良いですね。
個人的な所感
安いので一見簡単かと思いきやむずかしめ。でも飼い込んだら滅茶キレイな熱帯魚です。
卵生メダカということもあり、「アフリカンランプアイ 」と同じ感じかな?と思っていましたが実際に飼育してみると全然違いますね。難しいです。
飼育難易度は飼育し始めは「かんたん」か「ふつう」ぐらいかな?と思ってたんですけど、コレは「むずかしい」にしました。
食が頑固
まず食に対する偏食があります。
最初フレークフードを与えて口に含んでたので安心してたものの、しばらく経つとポツポツ落ちていく、そんな自体に陥りました。
よーく見るとよく見るとエサをモゴモゴした後吐いているのが発覚してて、個体の様子もよーくチェックしてみると痩せ気味だったんです。
中々うまくいかなかったのでいきつけの何件かのショップにフレークフードを吐くと相談したら、どの店員さんでもフレークはまず食べないと言っておられたのでエサの試行錯誤が始まりました。
先述した通り今のエサは「デルフレッシュフード」に落ち着きましたが、フレークフードである「テトラフィン」や「キョーリン ネオブロス」、顆粒の「キョーリン メガバイト」など試しましたが食わず・・・。
私のところは「デルフレッシュフード」でうまくいったんですが、ショップが与えてたエサを覚えていて口が頑固になっている場合もあるので食べているエサを教えてもらうのがベターといえばベター。
ただ経験が甘い店員さんの場合、口に含んでヨシとする場合もあり食べてないことに気づいていない場合もあります。
(特にホームセンターとかは確率高そう。というか私も気づくまで時間かかりました)
どうしても食べる人工飼料が見つからない場合は冷凍エサ(ベビーブライン、ミジンコ)を試す他ないでしょうね・・・(◞‸◟)。
そもそもショップで状態が上がらない
2番目に難しいポイントとして入荷時点で状態があまり良くないことがあります。
飼育が安定するまでは何件かのショップで売ってるところを適宜購入したのですが、正直痩せ気味の個体が結構入ります。
これはショップが悪いということ以前にそもそも1cmほどと体力が少なく、ショップに来るまで輸送によりかなりのダメージを負ってしまうためです。
かつ偏食ということもあり体力が回復しにくく、かつ結構人気なのでショップで状態が上がりきらないというマイナス背景。
個人的にはある程度落ちるものとして飼育に臨んだ方がショックが少ないと考えています。
水質はそこまでうるさくない
水質も繊細な魚であるように思いますが飼った感じ弱酸性~中性であれば問題ないです。
岩多めの中性(7ちょい)環境、ソイルと流木だけの弱酸性の軟水環境どちらも試しましたがエサさえ食べればどっちも元気そうに残ります。
強いて言えばソイル使った植物多めの水草水槽の方が、隠れ場所もあってエサとなる微生物も湧きやすいので長期維持には向いてるかと思いますね。
飼い込んでこそ本種の魅力!
「クランキリー」というとメダカに黒の縞模様という印象だけの魚だったのですが、成長したオスは滅茶苦茶派手になります!
私も飼育するまではシマシマメダカとしか認識してなかったんですが、これはノソブランキウスやアフィオセミオンみたいなド派手卵生メダカと同じような魅力がありますね。
(まぁそもそも同じ卵生メダカでしたね・・・)
ド派手卵生メダカはペアで4000円とか6000円とかしますがコイツはこの派手さで4~500円あれば買えるんですよ!!
飼育はやや難しいですし小さくて混泳魚も選びますが、是非是非オスを交えてお迎えして飼い込んでみて下さい。
入手しやすい外国産メダカと侮れないくらい滅茶苦茶綺麗になります!!
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この記事へのコメント
うちは3cmくらいに育った子をお迎えしました。やっぱり大きいだけあって餌付けも簡単だし他の魚にもいじめられにくいです。