ジュリドクロミス・マルリエリの特徴・飼育情報
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ジュリドクロミス・マルリエリ
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
✕ | △ | ◎ |
主な特徴
『ジュリドクロミス・マルリエリ』は、アフリカのタンガニイカ湖に生息する小型のシクリッドです。
ジュリドクロミス属はいくつか種類がありますがマルリエリはその中でも黒多めのカラーパターンと、大きくなった個体には頭部に少しオデコのような出っ張りが出るのが特徴です。
地域差もよりますが全体的には中型~大型のジュリドクロミスであり、最も流通している東南アジアの養殖モノで雌雄デカい方が9cmほどに成長します。ただしジュリドクロミスは地域変異が非常に大きく、ロカリティによってもサイズ差が異なる場合があるのでこの点には注意して下さい。(図鑑などでは13~15cmと紹介されることが多い印象です)
YOUTUBEの動画
YOUTUBEで掲載されているアップロード動画の中から、魚の種類が分かりやすいものを紹介します。
混泳・性格
縄張りを主張しますので、混泳には注意が必要です。
大きくなると縄張りを主張するようになり、気に入った岩場があるとつがいのメス以外は蹴散らすようになります。水槽サイズにもよりますが、60cm水槽であれば複数匹飼育していると岩場に陣取れるのはペアのみで、それ以外は水面や隅っこなどに追いやられます。
同種や近縁種との混泳は難しい反面、巣穴に近づかない魚であれば全く問題なく混泳が可能です。
例えば大きなレインボーフィッシュの仲間、中層をくまなくおよぐ各種コイ科(スマトラ・ダニオ・バルブなど)、モーリーやソードテールなどのメダカ類は遊泳層と水質的にも大丈夫な魚です。ただし水槽の高さが低いと必然的に巣穴との距離が近くなりますので、その点には注意して下さい。
もちろん自分よりはずっと大きな魚などは手を出さないので、同タンガニイカ湖のフロントーサ、マラウィ湖のアーリー(アウロノカラ)やニンボクロミスなどとの混泳も適します。
エサ
エサは何でも食べます。最も適しているのは沈下する人工飼料です。
一般的に売られている熱帯魚のエサはだいたい沈むのと、慣れてくれば浮かんでいるエサも取りにくるのでエサについて苦労することはあまり無いでしょう。
よく食べてくれるのは粒状で沈下するタイプの人工飼料で、具体的な製品名をあげれば「コトブキのフライミックス 小粒~中粒」、「どじょう養殖研究所のグロウ B~C」、「デルフィスのデルフレッシュフード SM」などは好んで食べます。
飼育ポイント・注意点
水質が酸性に寄ると弱って死ぬため、アルカリ性を維持するのが飼育のポイントです。それ以外に気をつけることはほぼありません。
pH7.0を切るような環境だと弱って死にますのでこれに注意します。
底床にサンゴ砂などアルカリに傾く砂利を使ったり、濾過槽にサンゴ砂やカキガラなどを入れたりしてアルカリ性の水質を保つようにしましょう。
サンゴ砂・カキガラを使うだけで飼育に適した水質を長ーく維持できるので、それさえ組み込めば飼育自体は容易です。
繁殖
繁殖は容易で、繁殖に適した岩場を組めば十分繁殖を狙うことが可能です。
ジュリドクロミスは比較的繁殖が簡単なシクリッドであり、マルリエリも基本的に産卵できる場所があって成熟した雌雄を飼育していると定期的に産卵が行われます。
産卵は岩の隙間で行われますので、平面上の石を重ねたりしてペアが隠れられる程度の隙間を用意するのが繁殖のポイントです。
雌雄の見分け方
見た目上の違いはありませんが最終的にオスとメスはそれぞれ一回りサイズが異なるので、ペアが欲しい場合は大きい個体と小さい個体を織り交ぜて購入すると良い結果が得られやすいです。
(水槽にいるデカいやつからすくってしもらうと全部オスになる可能性が高くなる)
稚魚発見~育成
そのうち岩にくっついて泳ぐ小さな稚魚が見つかりますので、ブラインシュリンプを沸かして岩の隙間にふきかけてあげましょう。
親を回収しても稚魚を回収しても良いのですが、親がおいやったり食べてしまうことは無いため水槽はそのままで構いません。
(ただしエサの管理は稚魚を回収した方がやりやすい)
岩場レイアウトでは勝手に増えてたということも非常に多いシクリッドですので、ぜひ繁殖を狙ってみましょう。
親は小さな子供を攻撃しないのと稚魚を発見したときには既にまた産卵してるということがしょっちゅうあるので、家族コロニーを作ることも容易です。
その他・補足情報
保護色が働くので、白飛びに注意
ジュリドクロミス・マルリエリは黒っぽい体色がカッコいいとも評されますが、床が白かったり周りの環境が明るいと黒が飛んで白っぽくなります。以下は同じマルリエリですが、こんな感じ。
黒い岩場に陣取れたヤツと、陣取りに負けて白い砂場に追いやられた個体かと思われます。もし黒いジュリドクロミスに魅力を感じているのであれば、砂は白ではなく大磯などの黒系の砂を使うのが良いでしょう。
一般的にデカいほうがメスとされる
ジュリドクロミス・マルリエリはメスの方がでかいと(一般的には)されています。
ただ飼育した感じ大きい個体の振る舞いが縄張りをパトロールしたり、巣穴に近づくやつにミサイルしたりと完全にオスの行動にしか見えないんですよね。
なお実際にタンガニーカ湖の現地に通ってる佐藤駿博士に話を伺ったことがあるのですが、「メスのほうが大きいとは一概には言えない。巣によってオスがデカいかメスがデカいかは異なる場合がある」とのことで不明です。
実際に卵産んでるところを見れたら確実なのですが、生きてる状態で腹かっさばいてみるのも生理的にできなかったので不明のままです。参考までに。
とにかく産みまくる
ジュリドクロミスは繁殖が容易な魚で知られていますが、マルリエリも例にもれずに産みまくります。
私は成魚サイズのデータ取りのために割りとどの魚も最後まで育てるように飼育するのですが、高スパンで産み続けるので観察が終了した時点では50匹ぐらい勝手に増えていました。
最初は稚魚を見つけ次第回収してブラインシュリンプを与えていましたが異様に増えるので放置することに。しかしながら親や兄弟の人工飼料の食べかすだけでもそれなりに生き残ります。そうしたらウジャウジャ増えました。恐ろしいほど・・・!!
タンガニィカ湖シクリッドは「マウスブルーダー」「貝内で子育てを行うタイプ」「親以外も子供の世話をする共同繁殖タイプ」、いずれかに属しますが、ジュリドクロミス・マルリエリは共同繁殖タイプ。子供がある程度大きくなってもあしらう程度で完全には追いやったりしないのですが、そういう背景も大きいでしょう。
産卵させるのは非常に簡単なので、ぜひとも繁殖を前提に石を組んで飼育してみて下さい。
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