ジュリドクロミス・トランスクリプタスの特徴・飼育情報
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ジュリドクロミス・トランスクリプタス
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
✕ | △ | ◎ |
主な特徴
「ジュリドクロミス・トランスクリプタス」はアフリカのタンガニィカ湖に生息するアフリカンシクリッド。
ジュリドクロミスは黄色く細長い体に黒い模様が入る可愛らしい魚で、現地では岩の隙間を根城に活動しています。
10cmほどの種類が多いジュリドクロミスですがトランスクリプタスはかなり小型な傾向があり、オスは6cmほどと小さいのが特徴です。(メスは5cmほど)
ジュリドクロミスは地域変異が非常に大きいことで知られ、地域が違えば違う魚かと思ってしまうような個体群も数多く存在しており、稀にそういった野生個体が日本に入ることがあります。
(一般的に安価で売られているのは東南アジアで養殖されたものです)
混泳・性格
縄張りを主張しますので、混泳には注意が必要です。
小さい頃は温和なシクリッドなのですが、気に入った岩場があると縄張りを主張するようになり、ペアになったメス以外の魚は岩場から蹴散らす傾向があります。
特に同種のオスとの折り合いは悪く、水槽の隅っこに追いやってしまいます。
ただし巣穴とする岩場(底面)に近づかないような魚であれば問題なく混泳可能で、例えばレインボーフィッシュの仲間やラスボラ類、ダニオ類、スマトラ、プラティ、モーリーなどは問題なく混泳させることができます。
また自分よりずっと大きい魚は当然ながら手は出さないので、ジュリドクロミスの中では混泳にかなり向いた種類と言えるでしょう。
エサ
エサは何でも食べます。最も適しているのは沈下する人工飼料です。
一般的に売られている熱帯魚のエサはだいたい沈むのと、慣れてくれば浮かんでいるエサも取りにくるのでエサについて苦労することはあまり無いでしょう。
よく食べてくれるのは粒状で沈下するタイプの人工飼料で、具体的な製品名をあげれば「コトブキのフライミックス 小粒~中粒」、「どじょう養殖研究所のグロウ B~C」、「デルフィスのデルフレッシュフード SM」などは好んで食べます。
飼育ポイント・注意点
水質が酸性に寄ると弱って死ぬため、アルカリ性を維持するのが飼育のポイントです。
pH7.0を切るような環境だと弱って死にますのでこれに注意します。
底床にサンゴ砂などアルカリに傾く砂利を使ったり、濾過槽にサンゴ砂やカキガラなどを入れたりしてアルカリ性の水質を保つようにしましょう。
サンゴ砂・カキガラを使うだけで飼育に適した水質を長ーく維持できるので、それさえ組み込めば飼育自体は容易です。
繁殖
繁殖は容易で、繁殖に適した岩場を組めば十分繁殖を狙うことが可能です。
ジュリドクロミスは比較的繁殖が簡単なシクリッドであり、基本的に産卵できる場所があってペアを飼育していると定期的に産卵が行われます。
産卵は岩の隙間で行われますので、平面上の石を重ねたりしてペアが隠れられる程度の隙間を用意するのが繁殖のポイントです。
雌雄の見分け方
見た目上の違いはありませんが、オスとくらべてメスは一回り小柄なのでペアが欲しい場合は大きい個体と小さい個体を織り交ぜて購入すると良いです。
稚魚発見~育成
そのうち岩にくっついて泳ぐ小さな稚魚が見つかりますので、ブラインシュリンプを沸かして岩の隙間にふきかけてあげましょう。
親を回収しても稚魚を回収しても良いのですが、親がおいやったり食べてしまうことは無いため水槽はそのままで構いません。
(他魚がいれば稚魚を回収した方がベターです)
岩場レイアウトでは勝手に増えてたということも非常に多いシクリッドですので、ぜひ繁殖を狙ってみましょう。
親は子供を攻撃しないのと稚魚を発見したときには既にまた産卵してるということがしょっちゅうあるので、家族コロニーを作ることも容易です。
個人的な所感
トランスクリプタスはレガニやマルリエリと並んで、日本で販売されるメジャーなジュリドクロミスです。
トランスクリプタスはジュリドクロミス最小種と言われることもありますが、ジュリドクロミスは種によっての違いよりも地域差の違いの方が大きい場合があるため、必ずしもトランスクリプタス種が他の種よりも小さいワケではないことを補足しておきます。
例えば図鑑だとジュリドクロミス・レガニは10cmと書いてあるものが多いですが、地域によっては6cmぐらいのチビしかいなかったり、同じレガニでも地域が異なればバズーカみたいなデカいやつも存在します。
ジュリドクロミスは種によってのグルーピングよりも、見た目上は地域差のバリエーションの方がずっと多いのです。
例えば以下はYOUTUBEで見つけた「bemba」という地域バリエーションの動画ですが、本記事で紹介しているトランスクリプタスとはずっと印象が異なっていますが、大きさについても色と同様に結構な地域差があります。
とまぁ、これは現地で研究してる人に伺った話でございます。^ワ^
とはいえ養殖モノ(東南アジア)に限って言えばジュリドクロミスは他の比べてかなり小さいジュリドクロミスでありますので、小型のジュリドクロミスが欲しいのであればトランスクリプタスがやはり適任かと思います。
飼育の所感
最初は稚魚を発見次第、岩場をバラしながら稚魚をせっせと回収していたのですが、思ったよりも高スパンで産むので途中で面倒臭くなり放置していましたが、これが思ったより生き残ります。
おそらく稚魚は岩場にピタッとくっついて離れないため(思ったよりも)他の魚に食べられずに生き残るようです。
(もちろん生存率は回収した方がずっと高い)
増やすつもりはなかったのでアフリカン混泳水槽に入れておいたのですが、それでもあっさり増えていくので繁殖は一般的に言われるようにかなり容易でしょう。雌雄揃っていて成熟すれば勝手に産みます。
なおジュリドクロミスは可愛いくせして気に入った岩場(住処)を見つけると気が荒くなるので要注意。これは小さなトランスクリプタスも例外ではありません。
小さなトランスクリプタスですが、若いクセノティラピアを蹴散らしてうつ病にさせてしまったのでその点は注意が必要です。
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