ペルヴィカクロミス・タエニアータスの特徴・飼育情報
公開:
ペルヴィカクロミス・タエニアータス
気をつけたい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | ○ |
主な特徴
「ペルヴィカクロミス・タエニアータス」は、アフリカの河川に棲む小型シクリッドの仲間。
最も人気の小型シクリッドである「ペルヴィカクロミス・プルケール」と同属であり、見た目も似ていますが以下のような違いがあります。
- サイズが少し小さい
- オスの尾びれの下部に格子状の模様パターンが入る。
- メスの腹部の体色が濃い紫色(ピンク)ではなく、薄めの紫色(ピンク)。
地域による色彩バリエーションが多彩なことでも知られていますが、特にヨーロッパ圏から「ナイジェリアレッド」というオスの赤みの強いタイプが最も流通しています。そのため一般的にはプルケール種よりかは赤が綺麗なペルヴィカクロミスと知られています。
(本記事の写真はナイジェリアレッドです。なおそれ以外のバリエーションはほとんど流通しません)
YOUTUBEの動画
YOUTUBEで掲載されているアップロード動画の中から、魚の種類があっていて特徴が分かりやすいものを紹介します。
混泳・性格
温和なシクリッドで混泳に向いています。
性格はペルヴィカクロミス・プルケールと同様、温和なシクリッドです。シクリッド以外の魚に関しては全く無関心ですので、ネオンテトラを始めとする小型テトラやラスボラ、コリドラスなどとの混泳は全く問題ありません。
ただし同じシクリッド類の熱帯魚とはテリトリー争いを行う場合があるため注意して下さい。サイズが自分より小さい小型シクリッドは攻撃の対象となります。
とはいえこの魚はシクリッドの中ではかなり温和で、攻撃的性は低いです。大きい水槽であれば別のシクリッドがいてもあまり問題にはならないでしょう。
雌雄のサイズ差に注意
攻撃性は低いものの同種間で争う魚です。
基本的にはオスメスのペアで水槽に入れることになりますが、サイズ差があるとどちらかが負けがちになってヒレが損傷する場合があります。
うつ病で簡単に死ぬアピストグラマと比べてうつ病耐性は非常に高く、個体間のストレスによって死ぬことはあまりありませんが、場合によっては流木などの遮蔽物を置いて攻撃されにくくなるよう工夫が必要です。
エサ
エサは何でも食べます。最も適しているのは沈下する人工飼料です。
一般的に売られている熱帯魚のエサはだいたい沈むのと、慣れてくれば浮かんでいるエサも取りにくるので割りと熱帯魚のエサであれば大体OKです。浮上性のものは適しません。
具体的な製品名をあげれば「コトブキのフライミックス 小粒~中粒」「どじょう養殖研究所のグロウ C」「デルフィスのデルフレッシュフード SM」などが良いでしょう。
飼育ポイント・注意点
飼育は難しくありませんが、清潔さが失われたりするといつのまにか病気になって死ぬので注意が必要です。
丈夫な熱帯魚で水質の適応範囲もかなり広いので、熱帯魚初心者にも十分飼育できます。
ただし底面の清潔さが失われると、病気に感染して突然弱って死んでしまうことがあるのでその点には注意して下さい。
(観察していると調子の悪さに気付いて対処することも可能ではありますが、難しいのでここでは割愛します)
衛生管理はしっかりと
小型シクリッドを飼う上で飼育のポイントとなるのが単純な清潔さです。
底砂などに沈殿するフン・ゴミなどを長期間放置するとそこから病原菌が発生することが多く、これにより病気になって死ぬことが小型シクリッドでは多い死因です。
小型水槽では「スポンジフィルター」がよく使われますが、流量(水量)が少なく水があまり循環しないので底面にゴミが蓄積しやすく病気の元になりやすいです。
「外掛け式フィルター」「上部フィルター」などモーターで動くフィルターを利用し、水をしっかり循環させて底面の清潔さを保つようにしましょう。
繁殖
繁殖は容易で、産卵セットを組めば十分繁殖を狙うことが可能です。
ペルヴィカクロミス・タエニアータスはプルケール種同様、繁殖が非常に容易なシクリッドです。
水質は弱酸性が良いとされますがpH7.5という高pHな環境でも成熟した雌雄が調子良く飼育されており、適した産卵場があればいずれ産卵行動を始めます。(ナイジェリアレッドの場合、もしワイルドが入荷すれば弱酸性でないと産まないは可能性あり)
産卵場所の用意
本種は入り口が狭く中が空洞になっている洞窟状の巣穴に産卵を行うケーヴスポウナーです。
具体的にはそのような特徴を持つ流木や、タコツボやツボのようなアイテムで産卵します。これが無いと始まりませんので、大きさ等を変えたものをいくつか設置すると良いでしょう。
なおメスはオスに向けてブルブルと体を震わせる行動をとりますが、その行動が見られたらペアリングが出来ていると考えてOKです。(繁殖誘発行動か、服従行動だと思われます)
また他魚が多くいるなど親魚が子供を育てられないと判断すると食卵することがあります。水槽で稚魚が産まれない場合は遮蔽物(流木など)を増やしたり、混泳魚などの環境を見直して下さい。
産卵から稚魚誕生まで
基本的には卵を見ることはできませんが、産卵した場合メスの姿が見られなくなり巣にこもりがちになるのでそれを目安とします。
孵化は3日前後で始まりますが、孵化後3日ほどは巣穴の中にとどまり、お腹についた栄養で過ごします。
産卵からおよそ6日頃に稚魚が巣穴から出てきてエサを探し始めるので、そのタイミングで生きたブラインシュリンプを与えられるようあらかじめ用意しておきましょう。
市販されている稚魚用フードでも食べないことはないのですが、ブラインと比べて食いがかなり悪く稚魚の生存数が大きく落ちます。特に理由がなければブラインシュリンプを使って下さい。
稚魚の遊泳開始からの育成
孵化後一週間後ぐらいには、両親が稚魚をひきつれて稚魚達のごはん探しを行います。エサを与えましょう。
基本的には孵化したブラインシュリンプを1日朝晩の2回、可能であれば1日に何度も与えるのが良いです。(稚魚は食い溜めができません)
生後3週間もすれば稚魚用の人工飼料も食べ始めるようになりますので、2週間経ったぐらいからブラインと稚魚用フードを併せて与えていき、人工飼料をしっかり食べるようになればそちらに切り替えていきましょう。
親は1ヶ月ほどで子供をひきつれることをしなくなりますので、それが1つの区切りとなります。その後はエサの大きさ以外は、親と同じ飼育方法でOKです。
その他・補足情報
ペルヴィカクロミス・クリベンシスと混同されやすい
現在でも稀にカルメーンよりペルヴィカクロミス・タエニアータスの名前で様々なタイプのペルヴィカクロミスが入荷していますが、タエニアータス種とは異なります。
ペルヴィカクロミス・タエニアータスは「ベナン」~「ナイジェリア」にかけて分布していますが、「カルメーン」とは地理的に分布が異なるためカルメーン便の時点でタエニアータスでない可能性が高いのです。
なおカルメーンに生息しているペルヴィカクロミスは「Pelvicachromis kribensis」「Pelvicachromis drachenfelsi」「Pelvicachromis pulcher」の3種がいますが、カルメーン便で入るペルヴィカは多くがクリベンシスだと思われます。
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