ロックドラスの特徴・飼育情報
公開:
ロックドラス
簡単
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | ○ |
主な特徴
「ロックドラス」はペルーやブラジルのアマゾン川流域に生息する3cmほどの超小型ナマズです。
いわゆる「ドラス」と知られた魚は10cm~20cmほどのものが多く流通しますが、本種はドラス最小種で小型水槽でもドラスとしての魅力を十分に感じさせてくれる魚です。
メジャーなドラスと比べると極小レベルに小さいのですが、棘や胸鰭などにドラスらしさが詰まっており、よく観察すると非常に見ごたえがあります。
安価で入手できるのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
混泳・性格
温厚で混泳向きの魚です。
他の魚に攻撃することはなく完全平和主義の魚です。
体長3cmという極小サイズでありますため、他魚に虐げられないかは心配ですが、餌さえ食べられているなら大丈夫でしょう。
エサ
沈下性の人工飼料でOKです。
冷凍赤虫から人工飼料まで何でも食べます。
ただし想像以上に口が小さいのでその点は注意してください。エサが大き過ぎた場合は指ですりつぶしてやるなどの工夫が必要です。
具体的な製品としては1~2cmほどの個体であればコメットの「メダカ・川魚の主食」、2cmを超えた個体であればキョーリンの「川魚のエサ」などが良いでしょう。
給餌量に関してですが、「3日に1回、消灯後に魚が食べきれる量」を1つの目安としてください。
飼育ポイント
特にありません。非常に丈夫な熱帯魚です。
強いて言えば60cm水槽で飼育したところ、エサに気づくのが遅れる個体がちらほら見受けられました。60cmだと混泳水槽になると思いますが、エサ食いは観察した方が良いでしょう。
オススメとしては30cmキューブ水槽~45cmレギュラー水槽あたりが良いように感じました。
また先述したように口のサイズは思ったより小さいので、餌のサイズ感には注意してください。
ヒーターはカバー付きが安心
体が小さく引っかかりやすい体つきをしているため、ヒーターはヒーターカバーが付いたタイプにしておくのが良いです。
繁殖
飼育下における繫殖例は聞きません。
水槽内で繁殖について何か発見がありましたら、是非コメント欄や私のウェブサイト(末尾)にて報告していただけると幸いです。
その他・補足情報
底砂・隠れ家について
本種は砂に潜るアンブリドラスが属する「アストロドラス亜科」に分類されており、アンブリドラス同様砂に潜る性質が少なからずあります。
しかしながら観察した感じ、底砂はなくても特に問題は無いように思います。無理に入れる必要はないので、好み・管理のしやすさで砂を考えると良いでしょう。
また「ロックドラスは昼の間、根っこや水草に絡まって過ごす」とどこかの文献で読んだ記憶があったので、ウィローモスを入れてみましたが、まさしくその通りになります。そういった水草を入れてみるのも面白いかもしれません。
ロックドラスのタイプ
目を凝らしてよく見ると3種類に分類できます。
Physopyxis lyra
よく流通するロックドラスはこちら「Physopyxis lyra Cope, 1872」になります。
分布域はアマゾン上流域で主にペルーから輸入されてきますね。後述するアナナス種より大きくなり、上手に飼育すると4cmほどにまでなります。
本記事で掲載しているものは大体「Physopyxis lyra」です。
Physopyxis ananas Sousa & Rapp Py-Daniel, 2005
あまり流通しませんが「Physopyxis ananas Sousa & Rapp Py-Daniel, 2005」も販売されることがあります。
体側の棘が三列(背中・側線・側線下に)あることが一番の特徴で、分布域は広くアマゾン全体に生息します。よく見かけるロックドラスよりも華奢な印象で、一生懸命に泳ぐ姿は愛らしくてたまりません。
Physopyxis ananas Sousa & Rapp Py-Daniel, 2005(ネグロ川固有タイプ)
ネグロ川固有のロックドラスです。
体側のトゲトゲが途中で消えるのが主な特徴です。日本には未だ輸入されていないと思われます。写真はありません。
この記事の著者情報
木村 仁哉
ドラスマニア
ナマズの1ジャンルである「ドラス」マニア。
アナドラス属、アンブリドラス属、アガミクシス属、Platydoras、メガロドラス属などいわゆる「ドラス」と呼ばれるナマズを中心に飼育・情報収集する熱帯魚愛好家。
誰かのために、ドラスのためになることを願ってインターネットでも情報を発信中。
リンクドラス科研究所
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