ポリプテルス・ビキール・ラプラディ ”コリバ”の特徴・飼育情報
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ポリプテルス・ビキール・ラプラディ ”コリバ”
簡単
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ◎ | ◎ |
主な特徴
「ポリプテルス・ビキール・ラプラディ”コリバ”」または「ポリプテルス “コリバ”」、ギニア・ビサウ国~ギニア国から来るラプラディの地域変異群です(諸説アリ)。
主に現地から野生採取されたものが日本に入荷し、かなり大きいものでも体長40~50cmであるため、下顎タイプのポリプテルスとしては小型です。
コリバは見た目・サイズ感から「P.ビキール・ラプラディ」の地域変異だと考えられていますが、一般的なラプラディと比べて以下の特徴があり、愛好家によっては別種とすべきと考える人もいます。
- 顔が長い
- 体は寸胴で、太らせると肩以降の体高が盛り上がりやすい
- 体色のコントラストが強い(派手)個体が多く、模様は横ラインベースで体の後部は模様が乱れる。
- 物怖じしない性格で、またよく泳ぐ
上記の特徴はあくまで「コリバ」で売られるモノはその傾向があるという程度で、「コリバ」で入荷しても上記特徴にあてはまらない個体群もいます。その点は留意して下さい。
混泳・性格
温和で混泳に向いていますが、食べられてしまうサイズの魚とは混泳できません。
ポリプテルスは非常に温和な熱帯魚であり、非常に混泳に向いています。
ただし肉食魚であり丸呑みにできそうな魚は積極的に狙いに行きますため、小型魚との混泳は適していません。
摂食形態はカジって食べるタイプではなく丸呑みタイプですので、丸呑みできないほど大きい魚であれば問題ないということです。(ただし思ったよりアゴが広がるのでサイズ感には注意しましょう)
ポリプテルスとしての性格
ポリプテルスとしては物怖じしない性格で、慣れればエサをねだりに率先して水面まで泳いできます。エンドリケリーほど物怖じしないワケではありませんが、臆病なラプラディと比べるとずっと性格は陽気です。
また下顎系ポリプとしては良く泳ぎます。
エサ
沈下性の肉食魚フードや、冷凍アカムシやメダカなどがエサに適します。
ポリプテルスは肉食魚用の人工飼料のうち沈下するものが一般的なエサとなります。
具体的な製品としては「ひかりクレスト キャット」または「ひかりクレスト ミニキャット」が人気です。
始めは人工飼料を食べない個体もいますが、その場合は冷凍アカムシを与えつつ様子を見て人工飼料を与えていくと良いでしょう。
飼育ポイント・注意点
とても強健な熱帯魚です。飼育は非常に容易です。
ポリプテルスは非常に丈夫で飼いやすい熱帯魚であり、魚を飼育できる最低限の環境さえあれば飼育可能です。
相当ひどい環境でないとポリプテルスは弱りません。
飛び出しに注意
ポリプテルスは驚いた時に急発進することがあり、それで水槽から飛び出してまうこともあるため水槽フタなどで飛びださないように工夫して下さい。
(特にフレーム水槽はフチがないため強く推奨)
排泄量にみあったフィルターを
よく食べる肉食魚の性質から「生体の排泄量に対して見合ったフィルターであるか?」は頭の隅に置いておくと良いでしょう。
とてもタフな熱帯魚ではありますが、フィルターの能力が見合ってないと自分の排泄物で自分を弱らせ、抵抗力がなくなり病原菌が体内で増えて死ぬといった事が起こります。
古代魚は一般的な魚の治療薬を使えません。病気にかかるとリカバーすることは難しいので、フィルターはしっかりしたものを用意した上で詰まりにも気を払って下さい。
水槽サイズの目安
最終90cmの水槽サイズがあればOKです。
60x45x45水槽でも可ではありますが、よく泳ぐので最終は90x45x45水槽の方が好ましいです。鑑賞する上でも90cmの方が楽しめるでしょう。
なおポリプテルスは水槽が狭いと水槽壁によくぶつって鼻先がスレますので、その徴候が見られたらすぐにサイズアップを検討して下さい。
繁殖
飼育下での繁殖は十分可能と考えます
ポリプテルスは飼育下での繁殖も行われている熱帯魚で、コリバは近年ブリードされたものも稀ですが安定的に流通するようになりましたので、十分繁殖が狙えるポリプテルスと思われます。
以下は一般的なポリプテルスの繁殖について述べます。
オスとメスの違い
ポリプテルスのオスとメスの違いは尻ビレの大きさ(幅)で見分けることができます。
小さな個体では尻ビレの大きさに差異がほとんど無いのですが、成長して大きくなると判別しやすくなります。
(上記の写真はポリプテルス・デルヘッジィ)
発情~産卵まで
オスは発情すると尻ビレが丸いカップ状(おわん状)に変化し、繁殖可能であることを知らせます。
オスが上記のようになったら産卵場となるボルビティスや十分茂ったアヌビアスなどの水草、または毛糸をモップ状に束ねたもの、もしくは市販の人工水草を沈めて産卵場を用意します。
そういった産卵場所と十分なサイズの水槽環境を用意していると、オスがメスにアプローチを始めます。
オスはメスに寄り添い「頭部でメスの胴をコンコンと叩く行動」をして産卵を促し、カップ状になった尻ビレでメスの卵を受け取り受精、そして基質に付着させます。
以下はYOUTUBEにアップロードされているポリプテルスの繁殖行動動画です。非常に参考になります。
産卵行動は水換えをトリガーにして行われることが多いのですが、水槽水より低めの水温や硬度高めの水を水換えに用いるのがより確実なトリガーになると言われています。
なおポリプテルスは年齢を重ねるとオスが発情しなくなる傾向があります。そのため繁殖を狙う場合は加齢があまり進んでいない若いうちに狙わないと繁殖が不可能になりますので注意して下さい。
卵~保育
産卵された卵は放っておくと親魚が食べてしまう傾向があるため、親魚をのけるか卵を回収して管理します。
回収する場合はエアーレーションによる水の循環とメチレンブルーやアグテンなどの水カビを抑止する魚病薬を投与してカビさせないように予防します。
カビた卵は早い段階で取り出さないと他の卵にカビが伝染してしまうため、こまめな観察が必要です。
孵化した稚魚はオタマジャクシのような見た目をしており、孵化後しばらくはヨークサックで栄養を吸収します。
以下はYOUTUBEにアップロードされていたポリプテルス・オルナティピンニスの稚魚です。
ヨークサック吸収後に食事を始めますが、エサは孵化直後のブラインシュリンプまたはマイクロワームが用意しやすいエサになります。
その後のエサは成長にあわせて、例えばグリンダルワーム→イトミミズ→赤虫など段階を踏んでいきましょう。
その他・補足情報
別種として取り扱うべきか?
本記事ではラプラディの地域変異として紹介しましたが、ショップ・愛好家によっては「ポリプテルス sp. “コリバ”」と別種として扱われることもあります。
個人的な考えとしては、サイズ感がラプラディと全く同じで40~50cmなのと、模様も派手とはいえラプラディにも探せばいること、何よりラプラディも同じギニアから来てますので別種にするほどじゃないと思うんですよね。
コリバ並に綺麗なラプラディはいますので、色彩は絶対的な区別になりません。ギニアから来る綺麗な横ラインの乱れ模様のラプラディと混ぜて「見分けて下さい」って言われても自信ないです。
とはいえナイジェリアから来る色んな模様・体型のラプラディと比べると、コリバは特徴が結構絞られます。
特徴については冒頭の概要にて述べましたが、個人的には顔部がシュッとしてカッコいい顔つきのものが多く、模様が派手なやつが多いんでコリバは結構好きです。
ナイジェリアラプとコリバ、それぞれ両方複数匹飼ってましたけどナイジェリアラプは臆病でジッとしているのに対し、コリバはエサをねだりに来るほど明らかに性格にも差異があります。(ギニアラプは飼ったこと無いのでもしかしたらギニアラプが陽気なだけかも)
まぁ今後分類が進んで別亜種になる可能性は否定できませんが、そういう難しいことは学者さんにお任せします。
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