ポリプテルス・エンドリケリーの特徴・飼育情報

ポリプテルス・エンドリケリー

学名
他の販売名
大きさ目安
40cm~60cm
飼育難易度

簡単

適応水質
弱酸性中性弱アルカリ
水温目安
22~29℃(普通の熱帯魚)
繁殖難易度
簡単
性格
温和な平和主義者
遊泳タイプ
底でベタァっとくつろいでいる。
群れやすさ
群れない
価格目安
3,000~30,000円

目次




主な特徴

「ポリプテルス・エンドリケリー」は、中央~西アフリカに生息する古代魚の一種。

体長は大きいもので60cmを超え、派手な縦バンドが特徴のポリプテルスで、大型魚愛好家には最も人気のあるポリプテルスの1つです。

主に東南アジアで大量に養殖された幼魚が多く販売されており、それらはホームセンターのペットコーナーなどでも安価で売られているほどの定番熱帯魚であります。

「ナイジェリア」「ニジェール」「ギニア」などの国から野生採取されたワイルドものも安定的に流通があり、地域差や多彩なバンド模様もあいまってコレクション要素はかなり高く、好きな個体を集める愛好家も少なくありません。

本種は「アロワナ」「オスカー」などの大型魚を主役とした水槽で、タンクメイトとして購入されやすいのですが、本種のみを飼育する熱心なエンドリケリーマニアも多くいるほどの人気な熱帯魚ジャンルです。

東南アジアブリードのポリプテルス・エンドリケリー東南アジアブリード
ポリプテルス・エンドリケリーの幼魚良く売られている幼魚
格好いいポリプテルス・エンドリケリーの背びれと頭部
口を開けるポリプテルス・エンドリケリー

YOUTUBEの動画

YOUTUBEで掲載されているアップロード動画の中から、魚の種類が分かりやすいものを紹介します。

混泳・性格

温和で混泳に向いていますが、食べられてしまうサイズの魚とは混泳できません。

ポリプテルスは非常に温和な熱帯魚であり、非常に混泳に向いています。

ただし肉食魚であり丸呑みにできそうな魚は積極的に狙いに行きますため、小型魚との混泳は適していません。

摂食形態はカジって食べるタイプではなく丸呑みタイプですので、丸呑みできないほど大きい魚であれば問題ないということです。(ただし思ったよりアゴが広がるのでサイズ感には注意しましょう)

ポリプテルスの中での性格

水面近くにきてエサをおねだりするポリプテルス・エンドリケリー

エンドリケリーはポリプテルスの中ではストレスに鈍感で、非常に人に慣れやすい性格をしています。

他魚がいても積極的にエサをクレクレ(水面近くでホバリング)し、エサへの反応もかなり良いです。

エサ

沈下性の肉食魚フードや、冷凍アカムシやメダカなどがエサに適します。

エサを食べるポリプテルス・エンドリケリーポリプテルスは肉食魚の中ではとても人工飼料に餌付きやすく、食べない個体はほとんどいない

ポリプテルスは肉食魚用の人工飼料のうち沈下するものが一般的なエサとなります。

具体的な製品としては「ひかりクレスト キャット」または「ひかりクレスト ミニキャット」が人気です。

始めは人工飼料を食べない個体もいますが、その場合は冷凍アカムシを与えつつ様子を見て人工飼料を与えていくと良いでしょう。

飼育ポイント・注意点

とても強健な熱帯魚です。飼育は非常に容易です。

ポリプテルスは非常に丈夫で飼いやすい熱帯魚であり、魚を飼育できる最低限の環境さえあれば飼育可能です。

相当ひどい環境でないとポリプテルスは弱りません。

飛び出しに注意

ポリプテルスは驚いた時に急発進することがあり、それで水槽から飛び出してまうこともあるため水槽フタは必須です
(特にフレーム水槽はフチがないため強く推奨)

排泄量にみあったフィルターを

よく食べる肉食魚の性質から「生体の排泄量に対して見合ったフィルターであるか?」は頭の隅に置いておくと良いでしょう。

とてもタフな熱帯魚ではありますが、フィルターの能力が見合ってないと自分の排泄物で自分を弱らせ、抵抗力がなくなり病原菌が体内で増えて死ぬといった事が起こります。

古代魚は一般的な魚の治療薬を使えません病気にかかるとリカバーすることは難しいので、フィルターはしっかりしたものを用意した上で詰まりにも気を払って下さい。

水槽サイズの目安

90cmの水槽サイズがあれば可。ワイルドものや大きくしたい場合は120cm以上が好ましいでしょう。

一般的に売られている養殖モノの小さなエンドリケリーは、野生のものと比べると銅が短い傾向がありますので、胴短の個体を選べば90cmでもしっかり飼育することができます。胴短の程度によっては6045でも可能です。(60cmレギュラーは厳しい)

ただ現地で採取された個体(ワイルド)など胴が長いものは大きくなりますので、120cm以上の水槽がオススメです。90cm水槽でも可ではありますが大きくできず、本来の50~60cmへのサイズアップは困難になってしまいます。

なおポリプテルスは水槽が狭いと水槽壁によくぶつって鼻先がスレますので、その徴候が見られたらすぐにサイズアップを検討して下さい。

繁殖

飼育下での繁殖は十分可能です。

ポリプテルス・エンドリケリーは多数の愛好家により、水槽下での繁殖が行われている熱帯魚です。

以下は一般的なポリプテルスの繁殖について述べます。

オスとメスの違い

ポリプテルスのオスとメスの違いは尻ビレの大きさ(幅)で見分けることができます。

ポリプテルスのオスの尻ビレ(ポリプテルス・デルヘッジィ)オスの尻ビレ(幅が広い)
ポリプテルスのメスの尻ビレ(ポリプテルス・デルヘッジィ)メスの尻ビレ

小さな個体では尻ビレの大きさに差異がほとんど無いのですが、成長して大きくなると判別しやすくなります。
(上記の写真はポリプテルス・デルヘッジィ)

発情~産卵まで

オスは発情すると尻ビレが丸いカップ状(おわん状)に変化し、繁殖可能であることを知らせます。

オスのポリプテルスの発情した尻ビレ(ポリプテルス・セネガルス)カップのように尻ビレが片側に曲がってくぼむ。

オスが上記のようになったら産卵場となるボルビティスや十分茂ったアヌビアスなどの水草、または毛糸をモップ状に束ねたもの、もしくは市販の人工水草を沈めて産卵場を用意します。

そういった産卵場所と十分なサイズの水槽環境を用意していると、オスがメスにアプローチを始めます。

オスはメスに寄り添い「頭部でメスの胴をコンコンと叩く行動」をして産卵を促し、カップ状になった尻ビレでメスの卵を受け取り受精、そして基質に付着させます。

以下はYOUTUBEにアップロードされているポリプテルスの繁殖行動動画です。非常に参考になります。

産卵行動は水換えをトリガーにして行われることが多いのですが、水槽水より低めの水温や硬度高めの水を水換えに用いるのがより確実なトリガーになると言われています。

なおポリプテルスは年齢を重ねるとオスが発情しなくなる傾向があります。そのため繁殖を狙う場合は加齢があまり進んでいない若いうちに狙わないと繁殖が不可能になりますので注意して下さい。

卵~保育

産卵された卵は放っておくと親魚が食べてしまう傾向があるため、親魚をのけるか卵を回収して管理します。

回収する場合はエアーレーションによる水の循環を行わないとカビますので注意してください。必要に応じて追加でメチレンブルーやアグテンなどの防カビ剤を使います。

カビた卵は早い段階で取り出さないと他の卵にカビが伝染してしまうため、こまめな観察が必要です。

孵化した稚魚はオタマジャクシのような見た目をしており、孵化後しばらくはヨークサックで栄養を吸収します。

以下はYOUTUBEにアップロードされていたポリプテルス・オルナティピンニスの稚魚です。

ヨークサック吸収後に食事を始めますが、エサは孵化直後のブラインシュリンプまたはマイクロワームが用意しやすいエサになります。

その後のエサは成長にあわせて、例えばグリンダルワーム→イトミミズ→赤虫など段階を踏んでいきましょう。

その他・補足情報

大きく分けて東南アジアものとワイルド

エンドリケリーは、東南アジアで「養殖されたもの」と現地で野生採取された「ワイルドもの」、この2つに分けられます。性質は結構違うので知っておくと良いでしょう。

東南アジアブリード

東南アジアブリードのポリプテルス・エンドリケリー

東南アジアで大量に養殖され、日本で安く売られているベビーです。コーナンとかでも普通にいる2,000~3,000円のちっさいやつで、最も飼育者が多いエンドリケリー。

長く続いた養殖モノということで、ワイルドものと比べて胴が短く小型化の傾向があるのが特徴です。

ワイルドだと60cmぐらいが普通なのですが、養殖モノだと40~50cmぐらいが1つの目安です。特に胴が短いものは40cmいかないこともあります。(個体差はある)

120cm以上の水槽を用意できない人にとっては都合が良く、結構な胴短のショート個体だと60x45x45でも飼育可能な点は良いですね。性格も図太く、めちゃくちゃ食べにくる個体が多いです。

またワイルドものは育った個体がほとんどであるため、小さなベビーから育てられるのは養殖モノの特権でしょう。

ワイルド

野生採取されたワイルドのポリプテルス・エンドリケリー(ギニア”ダボラ”)

「ナイジェリア」「ニジェール」「ギニア」などの国から、現地採取された個体達がワイルドものです。

小型・寸詰まり体型の傾向がある養殖モノと比べ、ワイルドは何より胴が長いです。60cmオーバーを目指すならワイルドものを選ぶ方が狙いやすいでしょう。

養殖物のポリプテルス・エンドリケリーと、ワイルドもののポリプテルス・エンドリケリー同じ長さの東南アジアものと比べたもの。
ワイルド個体の頭部はまだまだ小さいので、これからどんどん大きくなることが予想される。

また養殖モノのベビーは育ててみないとどんな個体になるのかは分かりづらいのですが、ワイルドはある程度育っているので、模様・顔つきなどがほぼ確立されていることもメリットです。

そのため個体で選ぶ楽しさが非常にあり、採取産地違いなんかも比べて楽しんだりできるのはワイルドならでは。

縦のバンド部がよこに伸びる模様のポリプテルス・エンドリケリー模様違いを楽しむのも面白い(ギニア”ダボラ”)

水槽にデカい魚がいるなどベビーの養殖エンドリではダメな場合にも適しますが、高額な輸送費により大きな個体ほど価格はべらぼうに高くなっていきますので注意して下さい。
(これはあくまで1つの目安ですが、40cm超え程度で価格は3~5万円ほど)

ショート個体

ポリプテルス・エンドリケリーのショート個体

エンドリケリーには胴の長さが短いものがいて、明らかに胴が短いものは「ショート」と呼ばれます。

更にショートが進み、異様に胴が短い個体は「ウルトラショート」と呼ばれ非常に高額で取引されています。(これはあくまで1つの目安ですが1匹10万程度)

養殖個体ではショート気味の個体が多くいますので、大きな水槽を用意できないユーザーには有り難い存在です。

ただし度が進んだショートおよびウルトラショートは臓器すら圧迫していますので、長期飼育には向かない可能性があるのは留意しておきましょう。

東南アジアブリードのポリプテルス・エンドリケリーこれくらいのショート気味個体なら普通に安く売られているベビーに混ざる。
大型魚に強いお店で、大量に入荷された時に足を運ぶと良い。

最も成長速度が早いポリプテルス

エンドリケリーは成長速度がトップクラスに早いです。

バグバグエサを食べてドンドン成長するため、成長する楽しみをとても間近で感じられるでしょう。

水槽サイズ・収容数はドンドン成長しても良いように、余裕をもった導入がオススメです。

底が明るいと色が飛ぶ

これは全ポリプテルスで共通なのですが、底床が明るい色をしていると色が飛びますので注意して下さい。

色飛びしたポリプテルス・エンドリケリー

エンドリケリーは模様を楽しむことも醍醐味であるため、色飛びは非常に好ましくありません。

黒系の砂もしくは、特にガーネット系の赤茶色の砂が色揚げ効果がありますので、それらの砂を敷くのがオススメです。

とはいえエンドリケリーはワイルドものの入荷後しばらくが一番綺麗。

ハッキリな理由は定かではないのですが本来の自然下では、程度はどうあれ濁った茶色の水なので、透明な水槽下では色褪せてしまうのではないでしょうか?

野生採取されたワイルドのポリプテルス・エンドリケリー(ギニア国”ダボラ”)水槽導入後はこうだったが
赤シートの上でのポリプテルス・エンドリケリー長く飼っているとこんな感じに

上記は黒(グレー)シートで色褪せてきたので、底に赤色のシートを貼ったのですが正直イマイチです。おそらくガーネットサンドの方が良い感じだと思います。

とはいえやはり入荷直後の色彩には敵わないと思いますが・・・。

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