ディスカス(改良)の特徴・飼育情報・種類
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ディスカス(改良品種)
難しい
弱酸性 | 中性 | 弱アルカリ |
---|---|---|
◎ | ○ | ✕ |
主な特徴
「ディスカス」はアマゾン川水系原産の円盤状の身体が特徴的な熱帯魚。
古くから親しまれてきた熱帯魚で、特に1990~2000年頃には「熱帯魚の王様」と呼ばれ多くのアクアリストに絶大な人気を誇っていました。
主に東南アジアを中心にとても改良品種が進んでおり、現在店頭でディスカスと売られているものは東南アジアでブリードされた改良品種のものがほとんどです。
(本記事ではその一般的な改良ディスカスについて述べます)
アマゾン川水系には「グリーンディスカス」、「ブルーディスカス」、「ブラウンディスカス」、「ヘッケルディスカス」と呼ばれる野生のディスカス(Symphysodon属)が生息しており、それらが今のディスカス(改良)の元になっています。
改良ディスカスはカラフルな赤・青・緑、さらには黄色・白などのカラーリングがあり、模様についても元のディスカスらしい横ボーダーのものや網目模様・ドット模様・全身ベタ塗りなど様々なバリエーションがあります。
またディスカスは繁殖形態についても面白い魚で、身体からディスカスミルクと呼ばれる分泌物を出し、これを稚魚に食べさるという特徴的な行動を行います。
オス親・メス親ともにディスカスミルクを出し、稚魚を身体にひきつれて泳ぐさまは”子育てをする熱帯魚の最高峰”とも言えるでしょう。
種類・バリエーション
改良ディスカスのバエリエーションを代表的なものから一部を紹介します。
ブルーダイヤモンド
昔から現在においても最も流通量が多いディスカスで、全身ベタ青が人気です。
レッドロイヤルブルー
ブルーダイヤモンドに次いで最も流通量が多く、昔から定番ディスカスの1つ。
成長すると青と赤が強くなり、赤と青の模様がとても美しい代表的なディスカスです。
その他
上記「レッドロイヤルブルー」と「ブルーダイヤ」が安定して入荷量が多いのですが、その他一般的な熱帯魚ショップでちらほら入荷されるディスカスはこちらに紹介します。
青系
「コバルトブルーターコイズ」、「ブリリアント」、「コバルト」、「リフレクションコバルト」、「オーシャングリーン」などの販売名があります。
ディスカスは品種名のワード(ブリリアントとかコバルト)が形骸化してもう売り手のキャッチフレーズになっているところがあるので、販売名にとらわれず気に入った個体を迎えるのがオススメ。
イメージ的には「グレート!」「ファンタスティック!」などの表現が近いと思います。
黄色系
「ゴールデン」、「イエロー」、「ゴールデンパンダ」、「イエローダイヤモンド」などの販売名があります。
白系
「ホワイト」、「スノーホワイト」、「スノーダイヤモンド」、「ホワイトダイヤモンド」などの販売名があります。
混泳・性格
シクリッドらしくシクリッド同士は相性が悪いです。
水槽内では強いディスカスが弱いディスカスをいなすことがありますが、攻撃してボロボロにしたり、追い回して殺してしまうことはなく、あくまでいなす程度にしばきます。
ただし放置しているといなされた個体はストレスにより拒食になる場合があり、そうなると長期間かけてゆっくり死んでいくので観察が非常に大事となります。
なおシクリッド以外の魚には基本的に無関心で、カージナルテトラなどの小型テトラ類などとの混泳は問題はありません。
(ただし魚は口に入れば何でも食べるので大きさには注意!)
あとの注意点として
- ディスカスより大きい魚との混泳は、ディスカスがストレスで拒食になる場合があるので避けます。
- 身体が平らであるため、成長したヒポプレコなど一部の貪欲なプレコには身体を舐められることもありますのでその点も覚えておくと良いでしょう。
飼育ポイント・注意点
ディスカスの飼育は一般的な熱帯魚飼育の基本に加え、子供の魚をしっかり育て上げるということが求められる熱帯魚です。
普通の熱帯魚のようにダラダラ育成すると成長不良となり、大きくならず短命で繁殖もできないディスカスとなってしまいます。
成長不良を防ぎしっかりディスカスを成長させるためには以下の育成手法が求められます。
- 28~29度の水温
- 定期的な換水
- ディスカスハンバーグ
上記を行わなかったとしてもスグに死ぬことはありませんが、本来の見応えのある大きさにはならない上、繁殖行動は見せずに半年~1年かけてゆっくり死んでいってしまいます。
大きさと繁殖行動はディスカスの大きな魅力であるため、”ディスカスをしっかり育成する”という意気込みで飼育に挑戦しましょう。
28~29度の水温
水温28.8度で成長率が最大化するため、熱帯魚用ヒーターを使って29度かやや手前の28度台にしましょう。
新しい水を好む
成長には水換えによる代謝の促進がとても有効なため高頻度の換水を行います。
最低でも一週間に一度は換水を行い、ディスカスの調子が良ければできれば毎日、そこまでいかなくても週の真ん中で換水を行えばグッと成長させやすくなります。
大人になったディスカスは毎日までは必要なくなりますが、もともと新しい水を好む熱帯魚でありますので大人になっても最低一週間に一度は換水を行いましょう。
ディスカスは水質変化には強い熱帯魚ですので、一度に換水する量は4/5ほど捨てても構いません。
(あまりに水換えをサボりすぎるとpHが下がりすぎてpHショックのリスクがあるので、その点だけ注意)
エサ
ディスカスは一般的な熱帯魚のエサは好んで食べない傾向があります。
食べているように見えても腹少ししか食べていないことがほとんどで、それを続けると成長不良になるリスクが高まります。
そのため嗜好性の高い「冷凍赤虫」や、ディスカスを育て上げるのに特化した冷凍エサである「ディスカスハンバーグ」を与えてしっかり食べさせましょう。
なお人工飼料の中でも「テトラミン」は食いつきがよく、これだけでお腹をパンパンにするディスカスもいますためレパートリーの1つとしてオススメです。
(テトラミンでお腹をしっかりふくらませるなら、テトラミンだけでも育て上げることができます)
またエサやりのもう1つのポイントが”給餌回数”で、1日でなるだけ多くの回数エサを与えるようにします。
理想は寄ってくるなら与えるですが、朝と夕に加え、朝・夕・夜に増やすだけでも成長不良のリスクはかなり下がるので、なるだけ1日のエサ回数を増やすようにしましょう。
個人的な所感
1990年台の熱帯魚ブームで一斉を風靡したスター的熱帯魚なディスカスなわけですが、僕はその頃は熱帯魚飼育を初めていなかったのでそういう綺麗な魚がいるんだなぁと眺めるだけでした。
さて昔に憧れたディスカスを今になって実際に飼育し、しっかり大きく成長させるとやっぱり熱帯魚の王様と言われるだけはあるな!!という魅力を感じますね!
鑑賞面積が広くて、色彩的に綺麗で単純に見ごたえがあります!
特に迎えた子ディスカスを成長不良にさせないようにちゃんと世話して育てているのが、しっかり魚を飼ってるって感じがして熱帯魚飼育本来の楽しさのようなものを感じました。
自分の手で大きく育ったディスカスを見ると達成感もあってなんというか感無量です。
さてディスカスといえば高級で難しいというイメージもありますが、実際のところそこまででは無いのが実情かと思います。
ディスカスといえば野生採取された「ワイルド」が一般的な時代もあって、その時の名残からディスカスといえば高級で気難しい魚というイメージが付きがち。
しかしながら現在のディスカスといえば改良品種されたより丈夫で安価なものが一般的でありますため、しっかり調べた上でそいつらを買うとあっさりディスカスが立派に成長して「思ったより簡単じゃないか!!」という感じになります。
そして僕はそういった改良ディスカスで自信をつけ、ワイルドディスカスに手を伸ばしたんですが・・・・そこは容赦なくブチのめされました。
やっぱりこれが本来のディスカスだよな~~と思い、頑張って試行錯誤しながらワイルドディスカスも飼育しております。
(もちろん改良ディスカスもいるよ)
なので「ディスカスって難しいんだよね・・・??」と尻込みしているのであれば、普通に売られている改良ディスカスはちゃんとやれば案外普通に飼えたりするのでチャレンジしてみては?と。
ただ水換え嫌いには週1~毎日の水換えっていうハードルがあるのは確か。
熱帯魚用浄水器とホースリールがあればグッと楽になるんで、その点も考慮に入れてみるのもオススメです。
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