ウーパールーパーに適正な水温と夏場の高水温対策
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ウーパールーパーの適正な温度と温度管理について解説。
特にウーパールーパーは高水温に弱く、夏になる前にしておきたい対処方法を詳しく説明しています。
オススメの対策方法もありますので、ポイントを抑えてウーパールーパーに厳しい夏場を乗り切りましょう。
ウーパールーパーの適正水温
ウーパールーパーは寒さに強く、暑さに弱い生き物です。
ウーパールーパーが生息しているメキシコシティは標高がなんと2250m。
メキシコシティは最も暑くて26度・一番寒くて5度であり、ヒンヤリした地域です。
そのため飼育の目安は5度~26度で、最も過ごしやすい水温は15度~20度あたりになっています。
寒さには強い
寒さには強く氷が張らないレベルであれば大丈夫です。
熱帯魚用の水中ヒーターは必要ありませんが、過ごしやすくするためにヒーターを使用している人もいます。
夏場に弱い
しかしながら夏場は水温が30度を超えてしまうこともあり、ウーパールーパーには非常に苦しい季節です。
一般的には26度以上を超えると負担をかけてしまい、30度は危険レベル。
高水温により弱って死んでしまうウーパールーパーもいるほどで、27度以上になる場合はなんらかの対策をする必要があります。
水温を下げる対策
水槽用ファンの設置
水槽の冷却手段として最も使われているのが熱帯魚用ファンです。
水槽の縁に挟んで使用し、水の蒸発による気化熱で1度~2度下げることができます。
効果は低めなのですが価格が2000円~3000円ほどと安く、設置が簡単で手軽です。
ただ先述したとおりあまり下がらないので過度な期待は禁物です。
部屋の冷房
電気代はかかってしまいますが、クーラーを使って温度を下げるのも効果的です。
特に何台も水槽を持っている場合はクーラーで部屋ごと冷やすのが手っ取り早いでしょう。
水槽用クーラー
最も水温を下げれる飼育設備が水槽用クーラーです。
非常に強力に水温を冷やすことができ、使い方によっては10度を切ることもできます。
気化熱で下げるファンとは比べ物にならず、水温を下げることにおいてはこれ以上適切な飼育設備はありません。
残念ながら価格が高く、しっかりしたものは4万程度と非常に高価。
更に水をクーラーに水を送るためのポンプも別途必要になります。(外部式フィルターと接続する方法もあります)
ただ実際の所、ウーパールーパーを飼う設備の中で飛び抜けて高く、水槽用クーラーを使用しているウーパールーパーの愛好家はあまり多くないのが現状です。
誤った高水温対策
水温を下げようと思ったものの方法がマズいとウーパールーパーを逆に弱らせてしまうこともあります。
よく間違いやすい誤った水温の下げ方について触れておきます。
氷、凍らせたペットボトル
ウーパールーパーは水温が急に変化するとダメージを受けます。
よかれと思って氷や凍らせたペットボトルを入れ、急激に冷えた場合ウーパールーパーの体力を奪ってしまいます。
自分で体温を持っていて衣服で調節できる人間ですら季節の変わり目には風邪をひきがち。
ウーパールーパーは自分で体温を持たず調節することも出来ないため、かなりの負荷を与えてしまうことになります。
飼育設備・世話の見直し
高水温に弱いウーパールーパーですが、実のところ高水温だけで死んでしまうわけではありません。
どちらかというと高水温とともに様々な要因が合わさって死んでしまうケースがほとんど。
32度など非常に高い温度になる場合を除き、夏場に死なせてしまう飼育者は日頃の世話や飼育設備など飼育自体に問題があります。
フィルターの見直し
ウーパールーパーの飼育者で圧倒的に多いのが濾過装置およびフィルターの能力不足です。
大きくなったウーパールーパーは水を汚す量が多く小さなフィルターでは力不足です。
そもそも小さなフィルターは小さな魚用のもの。
10cmを超えたウーパールーパーには適合していないと考えたほうが良いでしょう。
大きなウーパールーパーに適したフィルターは上部式や外部式と呼ばれる強力なものです。
もし設置が難しいのであれば砂利を敷いたり、1~2日毎に水換えすることで代用しましょう。
水槽サイズ
水槽サイズを大きくするのも効果的です。
水が汚れにくくなる他、日中の温度変化が緩やかになり体力を保ちやすくなります。
夏に入るまではウーパールーパーも大きくなっているでしょうから、夏前は水槽サイズが適切かどうかを見直す良いタイミングです。
エアーレーションを行う
酸素は温度が高ければ水に溶けにくくなるという性質があり、高水温が続くと水中に溶ける酸素も減ってしまいます。
酸素が減るとウーパールーパーには負担をかけてしまいます。
そこでエアーレーション(ぶくぶく)を行うことによって水の中の酸素を増やすことが非常に効果的。
もしエアーレーションを行っていないのであればまず設置するのがオススメです。
冷凍アカムシによる体力づくり
夏場の対策とはややズレるようですが、冷凍アカムシを日頃から与えておくのもポイントになります。
ウーパールーパーは夏より前に入手するケースが多いと思いますが、小さな個体だと夏は過酷なもの。
そこで栄養価もバツグンでよく食べる冷凍アカムシを与えることにより、夏が来るまでに体力の高い若ウパに成長させれば、夏を乗り切るのが簡単です。
人工飼料だけでは体力が付きにくいので、ガッツリ冷凍アカムシを食べさせて夏に備えておきたいところ。
オススメの高水温対策
まず行って欲しいのがエアーレーションを行うことです。
エアーレーションには水温を下げる効果は僅かしかありませんが、酸欠になりがちな夏場にとっては非常に効果的です。
気化熱により僅かではありますが水温を下げることができます。
もしエアーレーションを行っていないのであれば最も適切な対処だと思います。
冷凍アカムシ
やはり小さなウーパールーパーと大きなウーパールーパーでは体力に差があります。
高水温によるダメージは大きなウーパールーパーの方が耐えられるので、子ウパの場合は冷凍アカムシにより体力を付けさせることはとても有効です。
フィルターの強化も欲しい
あとできればフィルターを上部式や外部式にスペックアップして欲しいところ。
水槽用ファンは3000円ぐらいなので、もう3000円出せば外部式フィルターが見えてきます。
こんなゴツいもの大げさではないか?とお思いがちですが、ウーパールーパーの排泄量を考えると妥当なのです。
関連外部式フィルターはどれが良い?製品を一括比較!オススメなど!
余裕があれば水槽用クーラーを
やはり導入できるのであれば水槽用クーラーが一番良いです。
部屋が35度になっていてもしっかりした水槽用クーラーを使えば20度を保つことだってできちゃうほど。
ウーパールーパーと相性の良い外部式フィルターであれば、水槽用クーラーと繋げることもできるので余裕があれば設置してあげたいトコロです。
まとめ、個人的な所感
ウーパールーパーは寒さに強く、暑さに弱い生き物です。
生息地は5度~26度ですが人間の手で何代にわたって繁殖されているので、野生のものよりは高水温に強くなっています。
そのため飼育方法が適切であれば30度程度でも乗り切ることは十分可能です。
高水温だけで死ぬことはほとんど無く、様々な設備不足が合わさって失敗に繋がることがほとんど。
よく推奨されるエアーレーションもその一環。
水槽用クーラーを設置するのが大安定ですが、夏前に飼育設備を見直し、余裕を持った設備で望めば(クーラー無しでも)夏を乗り切ることも可能です。
次はコチラがオススメ:濾過の仕組みを間違えていませんか?濾過の仕組みを知ってウーパールーパーの寿命を伸ばそう
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この記事へのコメント
今ウーパールーパーの掃除をしてたら30度になってしまって、
室内クーラー(23度)、扇風機2台回してます(氷も蓋のうえに)
数分で1度下がりました!この方法って大丈夫ですかね💦💦
>>1
質問の意図がズレてるかもしれませんが、「いっきに下げるのが良くないのでは?」ってことでしょうか?
普段から健康に飼ってれば30度→25度程度であれば全く大丈夫です~。
ただそれを何度もやるのは非常に良くないので、冷却はし続けて下さい。
下がる→冷却をやめる→上がる→冷却する、の繰り返しが弱るということです。
^ワ^
2週間前にウパさんを買い始めました。
元々シュリンプを60cm水槽で買っていて、濾過装置、エアレーションなどは揃っていました。
エアコンだけだと水温26度だったので冷却ファンを購入して水槽の蓋を外したところ23度をキープしてます。
クーラー購入までは考えていないのですが、これ以上の冷却対策はありますか?
23度でも大丈夫でしょうか?
まだ6cmほどの小さい子です。
>>3 うぱ初心者
> クーラー購入までは考えていないのですが、これ以上の冷却対策はありますか?
私は存じ上げません。
仰るとおり、これ以上は水槽用クーラーの導入かと思います。
(強いて言うならデカい強力なファンの方が冷えます)
> 23度でも大丈夫でしょうか?
一般的には大丈夫です。
多くの飼育者は26度ぐらいまでなら普通に飼育しています。
もちろんクーラーを用意した方が良いのは間違いありません。
20年の寿命を目指すのであれば特にクーラーが用意できるかどうかがポイントに感じますね。
^ワ^